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TCO削減とDBの強化を図る同時マイグレーション・プロジェクト。
リアルタイムで全社情報を一元化するERPアプリケーションは、国際会計基準や決算の早期化への対応などを目的に、1990年代半ばから急速に導入が進みました。中でもSAPジャパンのERPパッケージ『SAP R/3』は、業界でも首位の製品です。そしていま、UNIXでの構築が多かった『SAP R/3』導入当時のシステムを、より低コストで運用管理する稼働環境に移行(マイグレーション)したいというニーズが高まってきています。
マイグレーションにより、本来一元化すべきデータの分散などが解消でき、処理速度などデータベースの性能が大幅に向上します。また、ハードウェアの更改によりCPUの処理時間も短縮するとともに、ダウンサイジング化による省スペース化や、操作をWebベースで行えるように容易化するなど、TCO(Total Cost of Ownership)の大幅に削減が可能になるのです。
商用トラックなどを販売する日産ディーゼル工業(株)も、こうしたマイグレーションを考える企業の一つでした。同社は、1997年に『SAP R/3』の人事・会計パッケージを導入。エンタープライズへのアップグレードに備え4.0Bに、TCOの削減とDBの強化のため、サーバとDBの同時マイグレーションを考えたのです。この構想の実施にあたったのは、日産ディーゼルの関連会社でシステム開発・保守を担当する(株)システムブレーンでした。しかし、OSとDBの同時マイグレーションは事例もなく、リスクの高いものでした。この困難な課題を解決したのが、(株)システムブレーンから依頼を受けたNTT コムウェアと日本IBMが協業で推進する「SAP R/3マイグレーション・サービス」だったのです。
OSとDBを同時にシステム移行する。困難に挑んだ2日間。
「SAP R/3マイグレーション・サービス」は、「SAP R/3」のバージョンアップやハードウェアの更改を契機に、OSやデータベースなどのプラットフォームをあらゆるOS相互で迅速に移行するもの。NTTコムウェアがマイグレーション作業を、日本IBMがマイグレーションしたシステムのハード/ソフト両面からの検証作業を担当します。日産ディーゼルでは、スタートしたばかりのこのサービスをいち早く利用し、2002年秋からプロジェクトの準備をスタート。2003年5月、連休を利用してOSとDBの同時マイグレーション作業を決行しました。

移行する情報資産は全体で50GB。事前にテストした結果、データの移行だけで20時間はかかると予想されました。しかも経理部からは、移行直前の深夜までシステムを使いたいとの要望があったのです。リスクを考慮して2 日間の他に1日を予備日としましたが、データ移行の時間短縮がカギでした。
NTTコムウェアでは、データ移行時間の中身を分析し、データの大小によるムラがネックになっていることをつきとめました。そこで移行データを均一化する工夫を凝らした結果、時間短縮を実現。また、規定外の人事名簿データの文字化けも、『R/3』から切り離した別のDBを作って同期化させることで解決することができました。マイグレーションの半月前にリハーサルを実施し、手順書作成など周到な準備を行ったことが功を奏し、本番の作業は予定通り2日間で完了しました。緻密な計画と高い技術が、困難な同時マイグレーションを最短時間で成功させたのです。

プロの協業で、トータルなSAPソリューションを提案。
日産ディーゼルのOSとDBの同時マイグレーションの効果は、驚くべきものでした。システムコストは総額で7割も減り、レスポンス時間も経理のオンライン処理では94%短縮、データベースの検索時間は10分の1以下に短縮。こうした効果は、今後システムが販売会社や取引先に拡大されれば、さらに大きくなります。
NTTコムウェアでは、「SAP R/3マイグレーション・サービス」にあたり、これまでのノウハウを集大成した体制を用意し、短期間でのマイグレーションを実現しています。人事・会計、販売管理、購買・在庫管理、生産管理などあらゆるモジュールの全工程において、最短では準備を含め約3ヶ月、移行作業のみであれば約3日で新システムを稼動させることが可能です。また日本IBMも各種IBMサポートセンターで稼動前の検証を支援しており、両社の協業はさらにパワーアップしています。 NTTコムウェアでは、「SAP R/3マイグレーション・サービス」を軸に、今後も日本IBMとマーケティングや販売、技術交流などの各分野で戦略的な協業を深め、企業のERP環境を革新するトータルなSAPソリューションの提供を拡大していきます。
2004/08/25

