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NTTコムウェア










プロジェクト事例


タンジブル防災/減災

直感的な操作で、リアルかつ高精度の被害予測が可能に “減災”対策に役立つ「タンジブル災害総合シナリオシミュレータ」

国内外で頻発する大規模な自然災害。効果的な災害対策の検討や見直しを急ぐ自治体も多い。そんな中、被害をいかに最小限にくい止めるかに重点を置く「減災」という考え方が注目されている。その減災対策を検討する際に威力を発揮するのが、NTTコムウェアと津波防災の第一人者である群馬大学片田教授とのコラボレーションにより実現した「タンジブル災害総合シナリオシミュレータ」だ。減災のためにシミュレーションはどんな役に立つのか。同シミュレータの開発コンセプトや機能について、研究開発部スペシャリスト 小林和恵に聞いた。

「減災」対策として期待されるシミュレーションの役割

―――減災という観点から、シミュレーションはどのように活用可能なのでしょうか。

NTTコムウェア株式会社 研究開発部 スペシャリスト 小林和恵小林:「防災」といっても、地震などの大規模な自然災害の場合、発生そのものを防ぐことはできません。大切なのは、起きてしまった災害による被害をいかに最小限に食い止めるか。それが「減災」の考え方です。
減災の観点からいえば、災害が起きた場合の被害規模や状況を正確に予測し、適切な対策をあらかじめ講じておくことが重要になります。そこで注目されているのが、シミュレーションによる被害予測です。

NTTコムウェアでは2005年に独自のシミュレーションエンジンを使用した「タンジブル防災シミュレータ」を開発しました。これは、巨大地震に伴う津波や火災による被害状況や、住民の避難状況をシミュレートするシステムで、津波の大きさや住民の避難開始時刻、道路の通行可能状況などの条件を変えることで、さまざまな場合を想定した予測が行えます。地震発生から津波の襲来までには時間差がありますから、適切な避難さえできれば、確実に減災につながるのです。
しかも、このシステムでは「タンジブル・ユーザ・インタフェース(TUI)」という新しい技術を導入することで、直感的かつ簡単な操作によるリアルなシミュレーションを実行可能としました。

―――「タンジブル・ユーザ・インタフェース」とはどんなものですか。

タンジブル操作風景 操作映像1小林:テーブルに大きな地図を広げ、それを数人で取り囲んで防災対策を議論する。地図の上には目印となる“駒”がいくつか置かれている−−そんな場面を想像してください。そのテーブルがコンピュータのディスプレイの役割をし、地図上の特定の情報を表す“駒”が入力デバイスの働きもすると考えれば、「タンジブル・ユーザ・インタフェース」のイメージに近いでしょう。

地図などの映像が投影された「センステーブル」の上で、「パック」と呼ばれる“駒”を配置・移動するという直感的な操作により、各種条件の設定やシミュレーションが実行できます。複数人で同時に操作し、リアルタイムで結果を見られるのも、大きなメリットといえます。
「タンジブル(tangible)」というのは英語で「実体のある、触れて知覚しうる」という意味。直感的な情報表現や操作を可能にするため、パソコンに不慣れな人や複数人でのコラボレーションの場面でも使いやすいという利点があります。NTTコムウェアと米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの石井裕教授との共同研究で商品化されたインタフェースで、ネットワーク設計やビジネスプロセス分析のシステムにも利用されています。

―――その「タンジブル防災シミュレータ」の進化形として、このほど新たに「タンジブル災害総合シナリオシミュレータ」が開発されたわけですね。

小林:シミュレーションの精度や操作性を高め、より広く活用できるよう機能の充実を図ったのが、「タンジブル災害総合シナリオシミュレータ」です。群馬大学工学部の片田敏孝教授とのコラボレーションによって、今回のバージョンアップが実現しました。

災害社会工学を専攻する片田教授の研究室では、津波防災が重要な研究テーマの1つとなっています。その一環として、効果的な防災対策の策定や地域住民への防災教育を支援するための「災害総合シナリオシミュレータ」が開発され、実績を積んできました。
通常のパソコン上で稼働するこの「災害総合シナリオシミュレータ」をベースに、NTTコムウェアの「タンジブル・ユーザ・インタフェース」との融合によって誕生したのが、進化した「タンジブル災害総合シナリオシミュレータ」なのです。

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