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DevOpsは、システム開発の文化を変える取り組み

― システム開発において、注目されている動きはありますか?

宮原:DevOps(開発と運用が連携して進める開発手法)、CI(継続的インテグレーション:Continuous Integration)、CD(継続的デリバリー:Continuous Delivery)、アジャイル開発などのキーワードがよく話題に挙がります。開発部門と運用部門の連携によって、高い品質のサービスを迅速にリリースしていくのがDevOpsで、その手法やツールとしてCI、CDなどがあります。

DevOpsはテクノロジーというよりも、方法論、文化の話だと考えています。DevOpsで重要なポイントは、ビジネスのボトルネックを発見して、その課題を解決すること。開発、リリース、運用という流れの中では、いろいろなボトルネックが発生します。その都度、原因を見つけ、解決策を探り、開発に反映させて、テストしてみて、というPDCAをどんどん回して改善していくのがDevOpsのアプローチといえます。

DevOpsは「PDCAを何度も回して常に改善を継続していく。業務に必要なものが何かを考えて、重要度の高いものから改善していく」という取り組みだといえば、分かりやすいのではないでしょうか。

意外に陥りやすいのは、「DevOpsをやる」と大上段に構えること。大掛かりにしすぎて、小さな改善がやりにくい体制にしてはPDCAがまったく進まなくなります。

例えば、ミーティングが月に1回だったりすると、日常どういう問題が起こっているかも把握できませんし、肝心のPDCAサイクルがスピーディーに回りません。DevOpsに取り組む意味がなくなってしまうわけです。

ユーザー部門やSIerなど関係者と対話しながら、課題を見つけたらすぐにPDCAを回して改善を始めるという文化を浸透させることが、DevOpsでは大切です。

図2:開発、運用が連携して、短いサイクルでPDCAを回すDevOps

情シスは、ビジネスとITの接着剤を目指す

― しかし、文化を変えるのは容易ではありません。どのようなことから始めるとよいのでしょうか?

宮原:無理にすぐ変えなくてもいいのではないでしょうか。ユーザー部門が変化を望んでいないところから無理に変えようとすると押しつけになります。

まずは業務の改善点を見つけること。日本の得意技であるQC(品質管理)活動ですよ。ユーザー部門が「大変だ」「時間のかかる作業だ」と感じている業務を見つけ出して、改善の提案をしていくわけです。

宮原徹氏

以前ならサーバーを用意してというところで数カ月かかっていましたが、仮想サーバーならすぐに用意できます。すべての機能を最初から用意しなくても、早めにリリースして、現場の声を聞きながら反映させてPDCAを回していけばいいのです。そういうところから、徐々に会社の文化を変えていけばいいのではないでしょうか。

ビジネスにはどこかにボトルネックがあります。何がボトルネックなのかを探し、なるべく短期間で解決していくこと。俊敏性、迅速性、柔軟性という仮想化の本来の利点を、ビジネスに生かすとはそういうことだと思います。

― ITシステムを利用するユーザー部門と対話しながら、ともにビジネスの道を歩むということですね。

宮原:ビジネスのスピードが上がったことに伴い、システム開発のサイクルも短縮化しています。昔は年単位で動いていたものが、短期間かつ継続的にサービスを提供することが要求されるように移りつつあります。

変化の激しい時代ですから、変化に対応できない企業は競争に負けていく可能性が高まります。変化に対応できるIT活用のために仮想化の技術を使うということですね。

情報システム部門がやるべきことは、ビジネスとITの接着剤。PDCAを回して継続的に改善を行い、ビジネスとITの距離を縮めていくことが重要です。こういった営みを重ねていくことがビジネスに寄与できる情報システム部門へと変えていくのです。

― ありがとうございました。

【取材後記】

元マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏が「思考スピードの経営」を出版したのは2000年のことでした。あれから17年経つ現在では、IT技術の進化によるビジネス領域の拡大と相まって、さらにスピーディーな決断とビジネス展開が求められています。そして情報システム部門も日々進化する技術を駆使し、そのスピードに追従する必要に迫られています。

昨今のビジネス スタイルの変遷を考えると、情報システム部門の会社への貢献とは「ITの専門性を武器に、ユーザーである企業の各部門の業務を理解し、部門間のコミュニケーションを促進し、一緒にビジネスを成功させる」、そんな姿ではないでしょうか。宮原様の語る「情報システム部門がやるべきことは、ビジネスとITの接着剤」との言葉は、正にそのような情報システム部門のあるべき姿をイメージしていると思います。

今、新たな時代に乗り出していく企業内のリード役として「新しいビジネスを的確にサポートし、成功に導く情報システム部門」が求められているのではないでしょうか。

【 制作/コンテンツブレイン 】

2017/8/9

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