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キャリアもファッションも「自分を知る」ことから始まる

― ファッションにおいて客観的な目を持っているということは、世の中の流れや周囲の状況を見えていることにもつながりそうですね。

そう。だからヨレヨレのパンツをはいている人というのは、自分が外からどう見られているか想像する力が欠けているとも言えます。そういう人は割と多いですよ。ファッションに限らず仕事においても繊細さに欠けるタイプです。

― 今は経営者も格好のよいスタイリッシュな方が増えたと思います。自分の見せ方、セルフプロデュースが大事だという考え方がだいぶ定着したのではないでしょうか。

その通りだと思います。昔は出世のための方程式がみな同じだったし、ビジネスシーンでのファッションを自己表現と捉えることなどありませんでした。今は職種も業態も多様化して、その分ビジネスチャンスも自己表現の場も増えたわけです。当然、経営者のファッションも変わってくるでしょうね。

― ビジネスパーソンも「この組織にいれば安泰」という時代ではなくなり、自分でキャリア形成していくことが求められます。

キャリアというのは手探りだと思うんです。働いているうちにいろんな成果を出せるようになり、自分はこういうことが向いていると分かるようになる。仕事ができる人というのは、早く自分を見つけた人なんです。出世するのも、成功するのも、ファッションも同じだと私は思います。まずは「自分を知る」ことですね。

― 自分に向いているもの、似合うもの、これだと思うものを見つけるには、経験を積むしかないのでしょうか?

そういうものだと思います。私だって未だに手探りです。誰かと同じ服を着るのが好きではないから、ファッションにおいては唯一無二でありたいと思っています。家でくつろぐ時も服装の細かいことが気になってしまう。着ているパジャマと靴下の色が合っていないと、それだけで落ち着かないんです。部屋着だからといって妥協ができない。仕事に対する姿勢とは、そういうことだと思っています。

― ビジネスシーンにおけるファッションというと、女性に比べて男性は圧倒的に選択肢が少なくなります。スーツにネクタイという枠の中で、どのような自己表現ができるでしょうか?

ドン小西さん

以前、税関職員の制服をデザインしたことがあります。税関は外国との最初の窓口ですから、経済的に豊かで文化的な国というイメージを持ってもらえるデザインにしようと考えました。それまでの制服は軍服の延長のようで、かっちりはしているけれども堅苦しく窮屈そうな印象でした。これではゆとりのある国には見えないと思い、制服の色をそれまでの「青」から「紫がかった深みのある青」に変えました。それだけで、和のテイストが加味され上品になります。シルエットは少しゆったりめにして、質問をしても丁寧に答えてくれそうな安心感のあるイメージに仕上げました。シーンとメッセージを明確にして、全体の空気感を作り出すことが大切なのです。
 スーツでも同じです。そのためには、まず姿見が必要です。全身を鏡に映して客観的にチェックすることを習慣にするとよいと思います。男性が使えるアイテムは、スーツとシャツとネクタイしかないのだから、まずはその3つのバランスを考えることが重要なのです。シルエットのチェックができるようになるだけでも、服装の印象がだいぶ変わりますよ。袖が長過ぎるとか短すぎるとか、この靴にこのパンツを合わせると裾幅が広すぎて不格好だとか、そういった全体のバランスに関心を持ってもらいたいですね。

― 空気感や全身のバランスを感じ取れるようになるには、他人の服装をよく見て目を養うことも必要ですね。

他人のチェックや批判は、皆さんよくなさるんですよ(笑)。そしてほとんど正しい。それが自分のこととなると、まるで分かっていないのは不思議ですね。
 他人をチェックするのは悪いことではありません。でも相手の服装に好感を持ったら、「どこがそう感じさせるのだろう、自分とどこが違うのだろう」と比較するほうがずっと意味があります。それによってセンスが磨かれていくからです。「とりあえずスーツを着ていれば、誰にも怒られない」という怠惰な発想でビジネススーツを過信していてはダメですよ。
 ニューヨークのビジネスパーソンは、状況に応じて着こなしを変えています。クライアントに新しい提案をする日なら、自分に親しみを持ってもらえるよう、ノーネクタイでコットンシャツにチノパン。ですが、いざ契約という段になったら、清潔感、信頼感を押し出してきちんとスーツで決める。状況によって服装が違うんです。

―自分の印象を服装でコントロールしているのですね。

スーツを着るにしても、そういう配慮はできます。特に男性はジャケット、シャツ、ネクタイの3つしかないのですから、基本的なルールは難しくありませんよ。細身で襟の狭いスーツならシャツの襟も小ぶりでネクタイも細いものを合わせるとか、太いネクタイを締めるなら合わせるシャツはワイドカラーというように使い分ける。今日の仕事の気分と服装のバランスがぴったりまとまった日は、発言も自信を持ってできそうな気がしてきませんか? 気持ちに余裕が生まれると思いますよ。

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