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さまざまな業界でも融合が進むメリットとリスクを直視し対策を

ITとOTの融合は、自動車産業に限らず着実に進行していく。
産業界の中でITとOTの融合を見据えた動きが進んでいるのが、スマートグリッドの分野だ。スマートグリッドとは、電力網に通信・制御機能を付加したもの。ネットワークを介して供給側の電力会社と需要側の家庭や企業の情報をやり取りし、需給バランスの最適化を図る。需給バランスを適切に保つことで、安定した電力供給や低コスト化を推進し、災害にも強い電力網を作れる。
スマートグリッドでは、家庭に設置する通信機能などを備えた電力メーターの「スマートメーター」を使う。人手による検針作業を不要にすることで、人件費を削減して低コスト化を実現する。また、電力の需要予測と供給予測の情報を基にして、適切な利用時間帯に利用の移行を促す「ピークシフト」も実現しやすくなる。さらに、ITで情報を活用することで、安定した発電が難しい太陽光や風力などの再生可能エネルギーと従来型の発電方式とのバランスを取りながら、安定した電力供給を推進することにもつながる。

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長年、OTに閉じていた電力網がITと融合することで、これまでにできなかったさまざまな制御が可能になり、省エネや低コスト化が実現できる可能性が高い。一方で、OTのセキュリティーリスクは、スマートグリッドでも指摘されている。スマートグリッドに対して、不正操作やウイルス感染があった場合には社会的に大きな混乱を引き起こす。
制御系のOTと通信系のITの組み合わせも進む。建設機械には通信機能が内蔵されて公衆回線を経由して稼働状況やメンテナンス情報を取得している。クレジットカード決済用の端末はスマートフォンなどと連携して、自宅の玄関でクレジットカード払いも可能になっている。しかし、その一方で公衆回線から建設機械がハッキングされて勝手に動き出したり、汎用(はんよう)OSのセキュリティーホールからクレジットカード情報が漏えいしたりするリスクは否定できない。
「ITとOTは、融合させることで便利や安全を手に入れる可能性があります。融合させないと便利にならないとも言えます。一方で、両者を融合させるとリスクは確実に高まります。さらに産業構造の変化や、法律の対応といった問題も抱えています。社会インフラに関わる問題だからこそ、急速な利便性の追求だけでなく、ゆるやかな進歩を目指すことも1つの方向性ではないでしょうか」(根来教授)
OT単体でもIT単体でも成し得 なかった新しい可能性が、ITとOTの融合によってもたらされる。その将来を明るいものにするために、リスクや変化を直視し、対策を早期に検討しておくことが必要だ。

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