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正反対のアプローチから相乗効果を生み出すバイモーダルIT

投資目的で分類すると「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」は、正反対に見えます。また、「攻めのIT投資を、守りのIT投資より優先すべき」という風潮も感じられます。だからこそ、企業は、「攻めか守りか」の二者択一ではなく、両者の持つ役割、効果をしっかり分析し、冷静に判断することが大切です。

ここで考えたいのは「攻めのIT投資」と「守りのIT投資」を連携させることで生み出される相乗効果です。

大企業にとって、「守りのIT投資」である既存システムに蓄積されたデータは膨大な情報資産です。その財産を、「攻めのIT投資」でうまく活用できれば、より高い生産性を生み出すことが可能になります。歴史を持つ大企業の情報資産は、新興企業にはない大きな武器といえます。その貴重な情報財産を、「攻めのIT投資」でうまく活用できれば、より高い効果を生み出すことが可能になります。

例えば、すでにデジタルマーケティングでは、Webでの行動履歴、SNSの情報などが活用されています。しかし、これらの情報は、自社だけが所有している情報ではなく、ライバル企業も同じように入手できるものであり、大きな差別化を望めません。「守りのIT投資」で構築した過去のデータ資産と、Webでの行動履歴やSNSの情報などを「攻めのIT投資」で連携させて分析することで、他社が持たない独自情報として新たな価値を生むことができます。

このように、「守りのIT投資」と「攻めのIT投資」を連携させ、相乗効果を狙うIT活用は「バイモーダルIT」と呼ばれています。

図2:バイモーダルIT

バイモーダルITを実現するための道筋

バイモーダルITを実現するために重要な点は、「守りのIT投資」において基幹システムの保守運用のコストを抑える目的だけでなく、「攻めのIT投資」との連携を意識する必要があります。同様に「攻めのIT投資」では、アイデアやユーザーの意向を考慮するのはもちろんですが、基幹システムにある資産を生かし、いかに優位性を生み出すか意識して設計するかがポイントとなります。

クラウドのイメージ

分かりやすい対策の一つが、クラウド基盤での連携です。従来、基幹システムはオンプレミス、「攻めのIT投資」によって構築するシステムはクラウドによる構築することが主流でした。

近年になって、コストを削減する「守りのIT投資」として基幹システムのクラウド移行も注力されています。「守りのIT投資」によってクラウドへ移行するのであれば、「攻めのIT投資」によって構築される新システムとの連携を検討するべきでしょう。

例えば、データセンター内の同一IT基盤のうえで、新しいITサービスはオープンなパブリッククラウドサービスとして、基幹システムはプライベートクラウドとして構築し、内部でAPI(Application Programming Interface)により連携させるといった手法です。

バイモーダルITは、企業がこれまで蓄積してきた情報を活用しつつ、新しいビジネスを強化していくアプローチといえます。

ITを活用したビジネスはめまぐるしい変化を遂げており、複雑化しています。「攻め」や「守り」など、画一的な考え方だけでは対処しきれません。その点、バイモーダルは、「攻め」と「守り」の相乗効果を狙う有効な戦略です。

とはいえ、単純に組み合わせれば「勝てる」とは限りません。データ資産価値を客観的に認識したり、「攻めのIT投資」によって新たな価値を創造したりするには、常に最新情報を収集し、一手先二手先を見据えた「時代を読む力」こそ、成功に導く一つの「カギ」になるのではないでしょうか。

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