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プレシンギュラリティー=社会の劇的な変化

シンギュラリティーはテクノロジーが引き起こす現象ですが、その前に大きな社会変動が起こると予測されています。それがスーパーコンピューター開発者・次世代の汎用人工知能の研究者である齊藤元章氏が唱える「プレシンギュラリティー」です。

プレシンギュラリティーとは「社会的特異点」を指し、現在の社会的なシステムが変化する“点”をいいます。 例えば、
「人は働く必要がなくなる社会が来る(価値の変化)」
「貨幣がなくなる」
「エネルギーは無料で提供される」
「人間は不老になる。若返ることもできる」
「戦争が起きない、戦争を起こせないようになる」
などの未来が訪れるとしています。

これらの歴史的な変革はスーパーコンピューターの飛躍的な性能がもたらすもので、齊藤氏によると2018年にはスーパーコンピューターの処理能力が飛躍的に向上し、現在の「ペタフロップス」レベルから「エクサフロップス」レベルにまで高まるといいます。

そこに人工知能が加わることで画期的な技術開発が巻き起こるというのです。そして、その後、2030年ごろにはプレシンギュラリティーが現実のものになるとされています。

確かに、スーパーコンピューターの開発は各国が力を入れており、その発展は目覚ましいものがあります。例えば、日本のスーパーコンピューター「京」は10ペタフロップスの性能があります。これは地球上の全人口(70億人)が電卓を使い、24時間不眠不休で約17日間かけてする計算を、たった1秒で終わらせてしまう処理スピードです。

エクサフロップスレベルはこのレベルをはるかに超えたスピードで、スーパーコンピューター「京」が持つ処理能力、10ペタフロップスの128倍だといいます。

このような想像もつかないようなスーパーコンピューターが登場すると現在、処理に時間のかかっていたことも瞬時に答えが出るようになります。そこに人工知能が加わることで、破壊的な進化となります。

レイ・カーツワイル氏はシンギュラリティーが2045年ごろに実現すると唱えていますが、驚異的なスーパーコンピューターが2022年に登場することにより、シンギュラリティーはもっと早く起こるのではないかとも考えられます。

現在、地球上で数多く抱えている問題点、エネルギーや食料といった資源の問題。そして、紛争や戦争といった社会問題。さらに、人間の病気や寿命などの問題。これらの問題はプレシンギュラリティーが起こることですべてが解決される、というのが齊藤氏の意見です。

2030年ごろのプレシンギュラリティー、2045年ごろのシンギュラリティーによって、人類の未来は機械に支配される、ディストピアな未来になってしまうのでしょうか?それとも、現代の多くの問題が解決されるユートピアな未来へと導かれるのでしょうか?

図2:シンギュラリティーの前に起こる人間社会の変化

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今から準備しておくことが企業に求められる

プレシンギュラリティーが起こるとされる2030年ごろ、シンギュラリティーが起こるとされる2045年、いずれも決して遠い未来ではありません。むしろ、その時期はもっと早まるのではないかともいわれています。

しかし、大切なのは、劇的なパラダイムシフトが起こったとき、ディストピアな時代にするのではなく、ユートピアな時代にすることではないでしょうか。そのユートピアな時代を築くためには、現在のビジネスを検討しておく必要があるといえます。

プレシンギュラリティーやシンギュラリティーが起こると、商品やサービスは劇的に変化するでしょう。また、同様に人の価値観も大きく変化するものと考えられます。そんな変化が起こってからビジネスを考えるのでは、テクノロジーの進化が加速しつづける現在において、手遅れになってしまうといえそうです。

そこで重要となるのは、積極的に人工知能やクラウド、IoT、ビッグデータなどのテクノロジーを活用すること。そして、時代に合わせたイノベーションを起こせるよう、常に意識して取り組むことです。

いま列挙した人工知能、クラウド、IoT、ビッグデータを個別のテクノロジーと見ている向きもあるかもしれません。しかし数多くのセンサーデバイスを活用するIoTの仕組みを考えてみましょう。センサーから収集されるデータを一元管理するには、クラウドのようなデータを蓄積する環境が必要となります。また多くのセンサーから自動的に収集されるデータは膨大な量になるでしょうから、それはビッグデータそのものです。あまりに膨大なデータは人間だけの力では処理しきれないので、人工知能が不可欠でしょう。

このように、今後、新しく登場するテクノロジーも、多くは何らかの形で人工知能に関連するものが多くなるのではないでしょうか。そうなると、私たちは個別のテクノロジーに注目するのではなく、全体を俯瞰して、いったい何ができるのか、世の中にどのような貢献ができるのかという、これまで以上に広い視野を持つ必要が生まれてきます。

最新の技術動向をキャッチし、今あるビジネスを効率化し、変化させる。そして、時代の変化によって、シンギュラリティーなどにより既存のビジネスが崩壊する可能性やリスクも検討しておく必要があります。言葉でいう以上にとても困難なことではありますが、時代に遅れるのではなく、時代に追いつき、時代を追い越す準備は今からしておくことが重要となるはずです。

<参考文献>
「シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき」レイ・カーツワイル NHK出版
「プレ・シンギュラリティ 人工知能とスパコンによる社会的特異点が迫る」齊藤元章 PHP

【 制作/コンテンツブレイン 】

2017/11/20

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