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真の働き方改革達成に向けた「RPA」活用とは?
真の働き方改革達成に向けた「RPA」活用とは?
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デスクワークの生産性向上実現のために、企業では数多くの業務システムを導入してきました。しかし、なかにはICT化から取り残されている業務もあります。その多くは、個人、あるいは数人単位で行う個別の業務で、それぞれの業務内容も異なるため、「少量多品種の業務」といえます。そのなかの繰り返し作業を自動化することで、人の稼働を大幅に削減するRPAは、働き方改革に大きく寄与するものとして期待が集まっています。

今もなお、定型的で単純な作業は山積み

多くの企業ではすでに業務効率化のためにさまざまな業務システムが導入されています。しかしそこからこぼれて落ちていたのが、少量多品種で、何度も繰り返すような作業でした。

例えば、「Microsoft Excelの表や受信したメール内の値を、社内の業務システムに転記する」「毎日、複数のWebサイトを巡回して、アップロードされたデータをダウンロードする」といった作業を、数時間も掛けてひたすら行うシーンなどです。しかも、巡回するWebサイトごとにページ構成が異なるなどの違いがある場合はシステム化が難しいため、これまで人間の手作業で賄われてきました。

そのような非効率な作業を解消する解決策として近年期待されているのがRPAです。RPAとはロボティクス・プロセス・オートメーションの略で、ソフトウェアロボットによる業務自動化の取り組みを意味しています。特に人間が行っている定型的な作業をルール化し、それを実行するソフトウェアロボットを使い、人間が行う業務を代行するシステムを指します。

コストを抑えつつ、現場のニーズを反映させやすいRPA

RPAが注目されている理由のなかでもっとも大きいのは「コストを抑えて業務効率化ができる」「現場のニーズを反映させやすい」という2点に集約できるでしょう。

従来、新たな業務システムを導入するにあたっては、仕様確定から導入までに数カ月から数年もの期間を必要としていました。さらに、既存システムを改修するには大変な工数とコストが掛かります。そこで小規模な作業は、「多大なコストを掛けてまでシステム化するほどでもない」と、人間がやるべき作業として取り残されてきました。ところがRPAであれば、既存システムの改修は必要なく、短期間でコストを抑えて自動化できます。

現場の作業を自動化するRPAは、現場のニーズを反映させやすいという利点があり、セルフサービスBIのように「現場で起こっている問題は、現場で解決する」という潮流もRPA導入を後押ししてきたといえます。

RPAの特性を知り、得意、不得意を見極める

RPAが得意とする領域は、「大量のデータ入力」「データの収集や転記」、かつ「複数のアプリケーションをまたがった操作」などの作業です。例としては、Excelのデータを業務システムにコピー&ペーストを繰り返す作業などが挙げられます。

このような作業を人間がやると数時間掛かることもありますが、RPAであれば短時間で完了できます。そのため、作業負担を大幅に軽減するだけでなく、人間が本来やるべき創造的な仕事に集中できます。

また高い正確性もRPAの特長です。人間が作業すると、どれだけ注意していても作業ミスの確率が生じますが、ルール通りに処理するRPAはミスの確率をほぼゼロにできます。短時間で正確に事務作業を終えれば、お客さまへのサービスをスピーディーに提供できるので、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

図1:定型的で単純な業務を効率化するRPA

定型的で単純な業務を効率化するRPA

逆にRPAの不得意領域は、判断を必要とする作業です。例えば、受信したメールの文面を見て、「苦情、クレームであれば、Aという処理に移る。それ以外はBという処理に移る」という作業は、判断基準が曖昧なためルール化が難しく、RPAには向いていません。

なお、「そもそもRPAが適切ではない」という業務も存在します。それは、社会インフラ領域における交通機関の運行管理や航空管制業務のような、ミッションクリティカルな作業で、24時間365日安定した稼働が求められる領域が当たります。RPAが定型の作業をルール通りに正確に処理したとしても、RPAから操作する業務システムやアプリケーションで異常が発生すれば、RPAは処理を続行できなくなるからです。

トップダウン、あるいは現場主導に偏りすぎると、RPA導入が失敗しかねない

簡単に短期間でスタートできるのがRPAの魅力ですが、なかには導入したものの活用できていない場合も見受けられます。

その1つが、働き方改革に活用しようと、いきなりトップダウンで全社導入しようとするパターンです。このような場合、RPA導入の前に、各部門での業務を見直して、全社的に共通化を図ったうえでルール化するような、大掛かりな取り組みになりがちです。

もちろんトップダウンで「RPAを積極的に導入し、業務効率化、業績向上に結びつける」という方針を示すことは重要です。しかし仕事の進め方やルールが部署ごとに異なるのはよくあること。業務の共通化を図る段階で、意見を統一させることが障壁となり、RPA導入の最初の1歩すら踏み出せず、頓挫することになりかねません。

逆に現場主導に偏りすぎるのも失敗しやすいパターンといえます。導入が容易なRPAは情報システム部門の力を借りずに利用できるともいわれていますが、「野良ロボット」と呼ばれるような管理できていないソフトウェアロボットを現場部門が勝手に作ったり、運用のメンテナンスに支障が生じる場合があるからです。

RPAのソフトウェアロボットは、一度作成したものをそのまま永続的に利用できるものではありません。業務システムのボタン位置が変わったりするだけで、ソフトウェアロボットを修正する必要があります。RPAが便利だからと、現場部門が大量にソフトウェアロボットを作成すると、あとになってメンテナンスの負担が増大し、立ち行かなくなる可能性もあります。

RPA成功のポイントは、現場主導でのボトムアップと情報システム部門の関与

では、どうすればRPAの利点を生かして、導入を成功に導くことができるのでしょうか。1つの答えは、情報システム部門と現場部門が協力しながら、小さな部署単位でスモールスタートし、成功体験を築きながら他部署へ広げていく方法です。

まずは1つの部署の業務内容に合わせてRPAを活用して業務を自動化していきます。そこに情報システム部門が関わることで、メンテナンスしやすいポイントや、他部署でも応用しやすいような工夫を盛り込めます。

その部署で課題を洗い出しながら、改良を加えていき、最初の成功体験を築きます。そして1部署でRPAが成功したら、類似する業務を行っている他部署にも呼びかけます。類似する業務であれば、同じソフトウェアロボットを応用できますし、「RPAは自分たちの日常業務の負担を減らしてくれる」という認識を広げていくことが現場での普及につながります。

また、情報システム部門が関わることで、ソフトウェアロボットの管理や統制、開発標準の策定、社内ポリシーやセキュリティーポリシーへの準拠、社内の業務システムやITインフラなどとの連携なども、行いやすくなります。

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