モバイルコンピューティングや携帯電話が普通になって、気が付くと常にバッテリーの残量を気にしながら、無意識のうちにコンセントを探している。新幹線でおそらく車内の掃除用だと思われる壁コンセントを見つけた。そこからパソコン用の電気をいただいたからといって、のぞみのスピードが落ちることも考えにくいので、ありがたく拝借したりする。
携帯電話などは、なおさら大したことはないはずだと思うから、客先の事務所だろうとどこだろうと、差込み穴さえ見つければ「ちょっとすいません、お借りします」と返すあても無いのにずうずうしい。
そんな自分がいやだなと最近思い始めた。行儀が悪いとか、あつかましいとかそういうことより、電気が切れたとたんに何も出来なくなるような気分が情けない。ずいぶん昔にちょうどこれと同じような気分がもとでタバコをやめたのを思い出した。
太陽工房のバイオレッタソーラーギア http://www.violetta.com/は、高性能単結晶シリコン太陽電池で専用の単3型ニッケル水素電池を2本充電する装置だが、天気が良ければケーブルをつないで、携帯電話の内臓電池を直接充電することもできる。
快晴の海岸線を走るローカル線の車内、たまたま南側の窓際に座っていたらこれを取り出して陽光の中に置き、電池が切れた携帯電話をつないでみたい。見る間に充電ランプがついて10分もすれば通話が出来るようになるはずだ。そのまま5〜6時間も続ければフル充電にすることも可能だがそんなに長く乗ることはあまりないから、翌日会議中の窓辺で続きをやればよい。コンセントを借りるよりはるかに気分がよいだろう。
しかし、曇りの日もあるし、第一電池切れが夜だったらどうしよう。そういうときには手動充電器エコチャージャーというのもあるからご安心を。街角でこれをニギニギしながら電話してたら絶対にかっこいいと思う。
そのうち携帯などは光でも風でも一滴の水でもあれば使える時代が来るだろう。それまではできるだけのんびりといきたいものである。

益田文和



益田文和(ますだ・ふみかず)
1949年東京生まれ。1973年東京造形大学デザイン学科卒業
1982年〜88年 INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任
1989年世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員
1994年国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー
1995年Tennen Design '95 Kyotoを主催
1991年(株)オープンハウスを設立
現在代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している


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