工具と聞くと、錆と油にまみれた鉄の塊を想い浮かべてしまう。実際、家庭やオフィスでちょっと針金を曲げたいとか、ネジをしめたいとか思っても、工具箱を探し出してガサゴソやることを考えるだけで面倒で、あきらめてしまうことも多い。
かさばらず、軽く、錆びなくて、机の上などに置いておいてもサマになる気の利いたデザインの工具はないのだろうか。セットになったおもちゃのようなものはあるが、ちゃんと使えるものとなるとこれがなかなか見あたらない。

「アルツール」は、プロ用の、それも高所作業用に開発されたもので、世界唯一のアルミ合金製工具シリーズとして知られている。航空機の構造部材に使われる特殊な超々ジュラルミン製で、軽くて丈夫で錆びにくいばかりでなく、リサイクル性にも優れた設計である。
家庭やオフィスでは毎日使うものではないだけに、むしろ使い捨ての粗悪品ではなく、こういう素材で長く使える機能とデザインの工具を作ってほしいものである。

益田文和



益田文和(ますだ・ふみかず)
1949年東京生まれ。1973年東京造形大学デザイン学科卒業
1982年〜88年 INDUSTRAL DESIGN 誌編集長を歴任
1989年世界デザイン会議ICSID'89 NAGOYA実行委員
1994年国際デザインフェア'94 NAGOYAプロデューサー
1995年Tennen Design '95 Kyotoを主催
1991年(株)オープンハウスを設立
現在代表取締役。近年は特にエコロジカルなデザインの研究と実践をテーマに活動している


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