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ビジネスに活きる メール道 久米信行:親しみがわく「呼びかけ方・名乗り方」
メール相手の「宛名」は必ず書く。そして自ら「名乗る」

メール冒頭に「宛名」のないメールを受け取ることがありますが、なぜか、多くの場合「まともなメール」ではありません。
いたずらメール、ひやかしメール、ウイルスメール.... 怪しい人間だと思われないためにも、必ず!「宛名」を書いて呼びかけたいものです。
併せて、冒頭のあいさつでの「自分の名乗り方」も大切です。この「呼びかけ方」も「名乗り方」も決まりごとはありません。相手との関係の深さで決まってくるのです。

そして、最後は、お互いに名前だけで通じる、そして失礼でなくなる「仲」になること、会社同士ではなく個人同士のつきあいに深化することこそが 「メール道」の目指すところでもあります。

初対面のころには社名役職名つきフルネームで

初めて出すメールは、大げさに言うならば「そのメールの印象=差出人の印象」となるわけですから、
とても大切です。
ですから、社名役職名つきのフルネーム+様という2〜3行の宛名を書くのが無難でしょう。
社名、役職名、お名前ともに、なるべくフルネームで正式に書き、株式会社等の表記も、省略せずに
書いた方が良いでしょう。
同様に、自ら名乗る時も、「はじめまして」のあいさつに続いて、所属や本名などすべてを正式名称で明らか
にすべきです。
もちろん「謙譲語」を使って「申します」と結んでください。

◎◎商事株式会社
第一営業部長
□□ □□様

はじめまして。
久米繊維工業株式会社 代表取締役の 久米 信行と申します。

面談やメール交換の後は、役職名抜きの「◎◎商事 □□様」に

やがて、何度かお会いし、また連絡を重ねて「お互いの顔と名前が一致する」ようになったら、会社名の略称と姓+様だけにしても良いでしょう。

お相手が、あまりに年上、目上で、自分から、役職名抜きの□□様と書き始めづらい場合もありましょうが...
そんな場合は、お相手が、みなさんに親しみをこめて、○○様、○○さんと、メールで呼びかけてくださってからが良いでしょう。
ただし、鈴木、田中など、社内に何人も同姓がいそうな姓の場合は、いつもフルネームで名乗った方が良いでしょう。

◎◎商事
□□様

こんにちは。久米繊維の久米 信行です。

お互い「さん」づけは親しさの証明

インターネット文化のひとつ、年齢、職種、役職、性別等問わず、個人名で、それも「さん」づけで呼びあう慣習は 「コミュニケーションを潤滑にして素晴らしい」と感じています。

さらに、親しくなるほど社名役職などをあえて宛名につけず、個人名対個人名でおつきあいすることも、その特長です。
ですから、私が日々お出しする数十通のメールの大部分は、社名役職なしで「さん」づけでお出ししています。
名乗り方も、さらに、関係が深くなれば、「久米です。」という個人名だけでお互いわかるはずです。

この「お互い姓+さんづけ」の呼びかけ・名乗り方こそが、「メール道」の基本だと思います。

□□さん

こんにちは。久米です。

自分が目上・年上の場合は、すぐさま「さん」づけに

もし、年齢差や、ビジネス上の関係などで、自分が敬語を使われる状況にある場合は、ぜひとも、自ら「さん」づけを励行したいものです。
親しみをこめて「さん」と呼ばれれば、メール相手の肩の力が抜け、一歩、間合いが近づいた親しい感じがすることでしょう。

□□さん

こんにちは。久米です。

>久米 信行様

これからは、お互い「さん」づけでいきましょう!

目上で、律儀で、メールを最近はじめた人への心配り

ところが、自分が若輩だったり、お願い営業をしている最中でしたら、なかなか相手に「さん」づけで呼びかけるのは難しいものです。
特に、メール歴が浅く「さん」づけ文化に親しみがない方や年配の方には心配りをしませんと「無礼な若者」と嫌われかねません。お客様との関係に厳しい、営業部門出身の方でしたら、なおさらでしょう。

ですから、実際にお会いした時に、お相手の着こなし身のこなし、言葉遣いなどから、礼儀作法への考え方を悟り、過去の職務や、メール歴なども、さりげなく聞き出しておくと良いでしょう。

さらに、メールを交わした時に、文章の堅さや体裁などから、メール習熟度を感じておくと良いでしょう。
また、面談中やメール中に、仕事以外の個人的な趣味の話などもしてくださるようならば、かなり親しくなってきた証拠。
そして「さん」づけで、親しげな文体のメールを送ってくださるようならば、呼びかけ方を変えるよいサインです。

しかし、念のため「さん」づけに移行する時に、こんな文章を添えておくと良いでしょう。
もちろん、本文は「親しき仲にも礼儀あり」で敬意をこめた文章であることが重要です。

○○さん

*メールの慣習にて、親しみをこめて「さん」づけで失礼いたします。

こんにちは。久米繊維の久米 信行です。

名前だけでも通じる関係が理想ですが

その先には、お互い「自分の姓を名乗るだけ」で心が通じる特別な世界があります。
もちろん、お互い良く知り合った仲良しの人、それも、日常的にメールのやりとりがある人だけに限られます。

きっかけはビジネスでも、ほとんど親戚づきあいのように親しくなった縁者に対しては、私も、
「こんにちは!くめです。」
というラフなあいさつで、メール本文に入ります。

社名を外して、しかも名字をひらがなにすると、だいぶ柔らかい印象になり、親しみも増すのではないでしょうか?

○○さん

こんにちは。くめです。
 例の旅行は、たのしめましたか?

久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

所属

久米繊維工業株式会社 代表取締役社長

役職

Jentle.co.jp, T−GALAXY.COM プロデューサー

経歴

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社
ファミコンゲームソフト「松本亨の株式必勝学」の企画開発・営業

1988年

日興證券株式会社入社
営業開発部でAI資金運用・相続診断システム
「ベストプランナー」の企画開発・研修・推進

1991年

久米繊維工業株式会社入社 代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー株式会社 設立 代表取締役
(99年にティーギャラクシー・ドット・コム株式会社に社名変更)
異人種交歓メール「縁尋奇妙」配信開始
(97年より日経BP社WEBで連載「久米 信行が集めた経営よもやま話」)

1997年

T-GALAXY.COMサイトで日経インターネットアワード受賞

1999年

日経パソコン「焦点」コラム リレー連載開始

2000年

社団法人 ソフト化経済センター客員研究員
社団法人 東京商工会議所 情報サービス分化会 委員 (現IT推進委員会)

2001年

ALL ABOUT JAPANサイトで、Tシャツガイド
NPO法人 日本オーガニックコットン協会 理事

2002年

eメールマーケティング支援業 株式会社カレン社外取締役
NTTコムウェアのメルマガ・WEBで「メール道」連載開始

2003年

日経アドバンテージで「CSOを育てる」連載開始
日経PC21で「コミュニケーションの極意を学ぶメール道」連載開始

 
イラスト/小湊好治 Top of the page

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