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メール上級者のための受信箱スッキリ整理術「応用編」

前回は、メール受信箱をシンプルに「超整理」する方法についてご紹介いたしました。
しかし、メールを使いこなすようになると、1日に数百通のメールが受信箱にあふれ、その大半が迷惑メールというような状況になるでしょう。こうなると、ただ「超整理」しているだけでは間に合いません。
そこで、今回は応用編として、上級者向けのメール整理法についてご紹介しましょう。

応用1:メールアドレスを用途別に分けて使おう
 

メール道では、会社などで与えられるメールアドレスの他に、生涯を通じて使う個人メールアドレスを取得することを提唱してきました。転勤や転職、さらには退職後に、これまで交流のあった縁者とのメール縁が途絶えるのを防ぐためです。
しかし、昨今は、ご自身の大切な生涯アドレスを人目に晒すことが、即、迷惑メール増加につながりかねません。その結果、重要な縁者のメールが迷惑メールに埋没してしまい、かえって不義理をしてしまわないとも限りません。

そこで、上級者には、
 1)会社のメールアドレス(ビジネス用) 
 2)個人の生涯アドレス(大切なメール縁者との連絡用)
…に加えて、
 3)個人の当用アドレス(一般的なおつきあいやショッピング・オークション用)
 4)個人の試用アドレス(メールマガジン・メーリングリストやアフィリエイト用)

を含む4つのアドレスを使い分ける方法をお勧めいたします。

個人の当用アドレスは、個人の名刺やブログなどに記載する一般的なおつきあい用のアドレスです。また、買い物やオークションの時にも使います。
生涯アドレスとの違いは、大切な縁者以外にも、広く告知して構わないという点です。招かざる人々や、ショップやサービス業者などにも知られてしまうため、煩わしいお付き合いや宣伝メールに晒されるかもしれません。そんな時は、最悪の場合、メールアドレスを変えることで対応できます。
ただしこの当用アドレスに、無料のメールアドレスを使うことはお勧めできません。心ある人にも、ショップにも、無料アドレスは信用されていないからです。大手のプロバイダーでしたら、複数のメールアドレスを、わずかな追加料金で設定してくれるサービスを用意しています。また、メインとなるメールアドレスへの転送の設定も簡単にできる場合がほとんどです。そこで、生涯アドレスを取得しているプロバイダーで、当用アドレスを取得するのが便利でしょう。

個人の試用アドレスは、無料メールマガジンやメーリングリストを使った情報収集、情報発信やおこづかい稼ぎのための無料ブログやアフィリエイトなど、不特定多数の個人、法人と付き合うためのアドレスです。これらのお付き合いは、往々にして、嫌がらせの誹謗中傷メールや、企業からの大量宣伝メールに晒されやすいので、いつでも縁を切ることができるように、無料メールサービスのアドレスを上手に使いたいものです。

4つのメールアドレスをうまく使い分けるようになり、さらに前回ご紹介した迷惑メールフィルターを活用すれば、読むべきメールはかなり絞られるはずです。

応用2:備忘録用マイアドレスにBCCして返信しよう
 

応用1でメールの入り口はかなり整理ができましたが、上級者の方は、メールの利用頻度も高いはずです。その場合、メールの入り口だけでなく出口、つまり、返信や進捗を常にウォッチしておかなくてはならない重要なメールはどのように整理したら良いでしょうか?
そんなメールを手軽に管理する方法の一つは、備忘録用のマイアドレスを一つ作る方法です。メール発信・返信時に、「これは重要で忘れたくない」と思ったら、BCC:に備忘録アドレスを入力して、自分宛に同報しておくのです。

この備忘録アドレスは、Yahooやhotmailなどの無料メールアドレスでも構いません。インターネットカフェやビジネスセンターなどのWebサイトでも確認できるのでかえって便利かもしれませんね。
もちろん、会社のメールアドレスや個人の生涯アドレスなどに転送するように設定をしておけば便利です。さらに、そのメールアドレスからのメールが、予め設定した「備忘録フォルダー」に自動保存されるようにしておけば完璧でしょう。

応用3:見知らぬ人からのメールはお問い合わせフォームで受け付けよう
 

昨今は、自分のホームページやブログなどに、個人のメールアドレスを公開することが厳しい状況になりつつあります。ネットを自動巡回してアドレスを集めては、迷惑メールを出し続ける悪意の個人や法人が多いからです。
もし、仮に公開できるとしても、応用1の4)個人試用アドレスということになるでしょう。試用アドレスを無料メールアドレスで作っておけば、いざ迷惑メールフィルターでも対処できない事態になっても、そのアドレスを変更すれば済むからです。

また、普及が加速している楽天日記やココログなどの個人ブログや、GREEやmixiなどのソーシャル・ネットワーキング・サービスを実践している人には、お勧めしている方法があります。それは、こうしたサービスで提供されている「メール送信機能」を、見知らぬ第三者から自分への連絡窓口にする方法です。企業のホームページなどで使われてきた「問い合わせフォーム」を個人で使うイメージと思っていただければ良いでしょう。
この方法ならば、メールアドレスを第三者に公開する必要はありません。それでいて連絡を希望する人からのメッセージを受けとることができます。その際、興味が湧く有意義な問い合わせや、今後縁を結びたい相手には返信して、メールアドレスを教えればいいのです。もちろん、不愉快なメールならばそのまま無視すれば良いでしょう。


ブログなどで提供されるメール送信機能

 

これだけメールが普及するとひとつのアドレスで全てに対応するのが難しくなってきます。複数のアドレスを上手に使いこなすようにしましょう。


 
久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株)設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

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イラスト/小湊好治 Top of the page

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