五反田から2駅で戸越銀座駅に到着。先程までのビル群が嘘のように姿を消し、代わりに姿を現したのは可愛らしい駅舎。小さいながらも、1日の乗降客数は約2万人というから驚きだ。
駅舎を出るとすぐ目の前に「戸越銀座商店街」が広がる。
時は江戸。江戸市中との境目に位置していたこの地は「江戸を越える村」ということで「とごえ」と呼ばれた。それが変じて「戸越(とごし)」となったということだ。この地名の由来について記された碑が、戸越八幡神社にあるので、足を運んでみるのもいいだろう。
そして駅名にもある「銀座」の文字。もともと田んぼが多かった戸越だが、粘土質の土が多く、水はけの悪さから悪路に悩まされていた。そこで関東大震災によって舗装路の改修を余儀なくされた中央区の銀座から、不要となったレンガを譲り受け排水路工事に活用。これが縁で商店会を設立する際、「戸越銀座」と名付けたそうだ。名前に「銀座」と冠した商店街は、全国に約300カ所もあると言われているが、ここ戸越がその元祖。なるほど、なるほど。
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