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第25回 第1章 心がまえ
第17項 ピラミッド型から、ハブ&スポーク型へ
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■第1章 心がまえ
第17項
ピラミッド型から、ハブ&スポーク型へ
〜中間の伝言ははぶかれ、トップとプレイヤー・ユーザーが直結
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■権限委譲しないと、ITは無駄を呼ぶ
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社)ソフト化経済センターの町田 洋次先生に教えていただいたのですが、
米国商務省発表のレポートを読んだところ、分権化=各担当者への権限
委譲なしに、IT化すると大変な無駄が起きるそうです。
1番効率的だったのは、分権化 ○ IT化 ○ の会社
2番目に 〃 分権化 ○ IT化 × の会社
3番目に 〃 分権化 × IT化 × の会社
4番目に 〃 分権化 × IT化 ○ の会社
つまり、権限委譲しないなら「IT化などしない方がマシ!」という結果
になるそうです。
■ピラミッド型組織や、稟議書は、IT化にそぐわない
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これは、ちょっと想像してみても「納得できる話」です。
とりわけ、タテ割りの大組織のIT化は、問題を解決どころか大きくする
場合もあるようです。
各自が、当事者・責任者意識を、持っていない場合、
即ち稟議書を回すような感覚で社内メールを使っている場合には、
不思議なことに、上司や担当者にメールを出す、あるいは転送した時点で、
その案件があたかも「解決」したような気分になってしまうのです。
目先の「IT化」で、皮肉にも「集団無責任状態」が、いっそう深刻に
なるわけです。
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例えば、お客様のリクエストやクレームの場合は、一刻もはやく、
自らが責任者となって対応すべきなのに!
「組織階級・役職の数」 × 「平均返信日数」 × 往復で2倍
にも意思決定に時間がかかり、お客様のイライラは募って、怒りに震える
ことになるでしょう。
@ @ @
言い換えれば、これは、サッカーやバスケットで言うところの
「ゾーン・ディフェンス」です。
自分の守備ゾーンに、相手がいなければ、守ったり、攻撃したりしない
でもいいような気になってしまうのです。
■権限委譲とは、1人1人が情報の中心に位置すること
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しかし、ネット時代は「マンツーマンディフェンス&オフェンス]です。
言わば、一人一人が、販売会社の社長のような自覚を持ち、
お客様のニーズに応えるために、ネットワークを駆使して、
なんでも自分が主体となって、動かなければなりません。
自分で解決できないことは、社内のエキスパートの、
社内で解決できないことは、社外のエキスパートを検索で探してでも
協力を仰いで解決し、お客様の期待に応えねばなりません。
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一番良いのは、自分の端末を見れば、組織全体のあらゆるデータや知識
が既にデータベース・知識ベースに入力、網羅されていて、
その場で自分で即答できることです。
仮に、そこにないことでも、例えば、生産のことなら生産責任者に、
商品のことなら商品企画に、社長しか答えられないことなら社長に、
ダイレクトに尋ねれば、少なくとも一両日中には回答できるでしょう。
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つまり、自分が車輪の中心(ハブ)になり、社内外の協力者と
車輪のスポークのようにダイレクトにつながる必要があるのです。
そして、自分が受けた問いかけには、最後まで自分が答えるという、
強い責任感と、顧客満足達成への意思が重要なのです。
実は、これも「メール道」の一部、というより「根っこ」なのです。
■お客様、チームの声と、業績評価
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そんな野放図に上司の承認なしで動いては、一人一人が暴走するのでは
ないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これからの組織は、一人一人がプロでありながら、指揮者にし
たがってハーモニーを奏でるオーケストラのようなものになるはずと、
著名な経営学者 P.F.ドラッカー氏も力説しています。
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もちろん、優れた指揮者と、楽譜が大前提ですが.....
なにより、必要なのは、一人一人の強い意志と高いスキルでしょう。
楽譜を初見で弾け、指揮者のタクトに従いつつ、人を感動させる演奏を
しなければなりません。
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ネットを活用すれば、オフィス=コンサート会場にいないでも、出先や
自宅で、演奏に参加することができます。
そんな時にも、ハーモニーを崩さないためには、それぞれのメールのや
りとりを、みんなで見ることができることも重要でしょう。
そして、その評価を、お互いにできることが大切です。
評価には、お客様による、担当者の「メール道」≒「顧客満足達成の道」
についての評価も、加わることになるはずです。
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いわば、ひとりで何役もこなして商品を完成させる「セル生産方式」の
オンライン・ホワイトカラー版が必要になるでしょう。
お客様の顔が見え、商品企画から販売促進まで自ら主体的に関わり、
その仕事ぶりに応じて、お客様からも評価されるのですから、
今までよりも大変になることは間違いありませんが、
その分、やりがい生きがいも大きくなるでしょう。
ピラミッドの一部品、組織の歯車になるよりも...
楽しく主体的に仕事ができるようになるはずです。
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仕事が趣味になっている中小企業の社長は多いようですが....
情報ハブになることが出来た人は、たとえ社長ではなくとも、
同じような働き方と、成果を味わうことが出来るでしょう。
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