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第9回 第1章 心がまえ
   第1項 デジタルだからこそ逆に人柄がにじみでる
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■第1章 心がまえ

 第1項

 デジタルだからこそ逆に人柄がにじみでる

 〜本気でないメールや、わがままメールはすぐわかる

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■デジタルな文字が並んでいるだけですが....

面と向かっている時なら....年格好、人相、あるいはファッションで、
電話で話す時なら....声や口調で、
手紙でやりとりする時なら....文字の大きさや達筆さで、
まずは、相手を判断していませんか?

実は、その人との「会話」そのものよりも、
こうした「見かけ」の第一印象で、
その人柄を「無意識に分類」してしまいがちです。

        @      @      @

しかし、メールの場合は、目に見え、耳に聞こえた瞬間に
誰もが簡単に判別できるような「個性豊かな第一印象」というものが
ほとんどありません。

並んでいるのは、デジタルな活字だけ。
しかも、同じような文体、書式で羅列されています。

        @      @      @

さらに....

多くのメールは、あらかじめ決めておいた文例集を
そのままコピー&ペースト!したような、
形式優先の「手抜きメール」かもしれません。

        @      @      @

私たちは、一見すると「無個性」で「機械的」なメール群に、
日々さらされているわけです。

        @      @      @

ところが.....最近、感じておりますのは、

「誰もが同じ活字で、似た形式で通信するがゆえに、
 かえって、人柄がにじみ出る」
 
....のではないかということです。

        @      @      @

毎日、大量のメールを読み書きする経験を重ね、
そこで、ふと体験する、メールを通じた「心の交流」を繰り返すうち、

いつしか、それぞれのメールに「心がこもっているかどうか」を
感じ取れるようになってきたのです。

なんとも不思議なことです。


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■デジタルだから、より本音が伝わる理由

その理由を、ちょっと私なりに考えてみますと、


<<受け手側の理由>>

 ·直接、顔を合わせているわけではないので、
  送り手の年恰好、見てくれや、地位役職に、あまりとらわれず、
  自然体で読める
  
 ·多くのメールをすばやく読まなければならないので、
  かえって直感が働く

 ·文字、それも無機質な活字しか並んでいないので、
  より想像力を働かせて、それを補う


<<送り手側の理由>>

 ·本気なら、読まずに、すぐ捨てられないように、
  タイトルから本文まで、心をこめて書かねばならない

 ·一方で、お手軽配信の広告系ゴミメールや
  安易なメールマガジンも量産されている。

 ·また、大企業中心に、素っ気ない「用件だけ」メール
  配信が増えてきて、心が冷やされている


ということになるでしょうか?

        @      @      @

受信箱の中に、迷惑メールや、素っ気無い伝言メールが増えるからこそ、
本気の人たちは、ますます本気に書き、本気に読もうとすることで、
心の通ったメールが、逆に引き立つのかもしれません。


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■気持ちも回線で伝わる???

ちょっと、オカルトめいてしまいますが.....

ひょっとしたら、字面、文面がデジタル信号として伝わるだけではなく、

まだ私たちが理解できない方法で???気持ちや想いまでも、
一緒に通信されているのではないかとさえ思うことがあります。

        @      @      @

おそらくは、もともと相手に対して持っているイメージや、想像力が
メールをきっかけに引き出されるから、そう感じさせるのでしょうが、
不思議なほど、「喜怒哀楽」の情が伝わるような気がします。

きっと、すでに何年も、日々メールを真剣に読み書きしている方なら、
似たような感覚を味わわれているのではないでしょうか?

        @      @      @

決して、長い文章が必要なわけでもありません。

それは、ケータイメールでも、悲喜こもごもとなったり、
一文一語に反応して返信があることでもわかります。

俳句や短歌の短い文章で、情景や情感を感じ取る日本人特有のDNAや
文化によるところも大きいかもしれません。


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■すぐ捨てたくなるメールとは

しかし、実際には「ゴミ箱直行メール」が多いのはさみしいことです。

「メール道」を志す人は、「心通うメール」を出す前に、
もし自分がもらったら「すぐ捨てたくなるようなメール」を、
相手に出さないことから、まず心がけるべきでしょう。


たとえば.....


1)本気が伝わらないメール
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
言葉はていねいで、文章はカッチリしていても、およそ本気でないことが
伝わってくるメールに、よく出くわします。

特に、企業発のダイレクトメールや、ニュースレターに多いのです。

        @      @      @

おそらく、職務上やむなくメールを出す必要こそあっても、
一個人として、そのメールの中で語られる、商品、サービス、人などに、
心底ほれ込んだ上で、「一人でも多くの人に伝えたい」という想いが
足らないのでしょう。

相手の顔を思い起こしながら書くわけでもないので、気持ちがこもらず、
どうしても、事務的な印象を与えます。

ビジネスだけの付き合いを感じさせるメール....。

        @      @      @

また「ワープロで出されたお礼状」をもらった時、かえって逆効果では
ないかと思うことがよくあるのですが、メールでも同じことでしょう。

いかにも、コピー&ペーストで済ませたような大量配信、自動配信メールと
相手に感じられるようなら、かえってメールを出さない方が良いではないで
しょうか?



2)わがままなメール
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一方的に、送りつけてくるジャンクメール、ゴミメールはもちろんですが、
1対1のメールでも「わがまま」なメールは多いのです。

特に、会社の方針や、世の中の流れで、やむなくメールをはじめたビジネス
マンが増えてから、不愉快なメールが増えたのは残念です。

        @      @      @

メール道をわきまえたネットワーカーは「ノウハウを、仲間で分かち合う」
Give & Give & Given 精神に長けていますが....

その反面、わがままで利己的な相手からは、つとめて遠ざかろうとします。

 (自分のノウハウは教えないけど) 教えてほしい。
 (自分で探すのはメンドウなので) 誰か知り合いを紹介してほしい。

上記の( )のセリフがなければ、ネットでよくある「当たり前の使い方」
なのですが....

不思議と「わがままな心のささやき」は聴こえてくるものです。

        @      @      @

そして、案の定、そんな「わがままメール」にお答えしても、
あとで「お礼メール」ひとつ来ないことがほとんどです。

        @      @      @

Give & Give & Given は無理にしても、せめて Give & Take で、
お願いメールを出す前に、実生活でもよいので、その相手に対して、
お役だちの一つもしたいものです。

また、今はお役立ちができなくとも、将来、なにかお返しをしたいという
気持ちをこめて、礼節に富んだメールを出したいものです。

        @      @      @

くれぐれも「仁義なきメール」を出さないように、
お互い注意いたしましょう。


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