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◆ アメリカの景気について
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◆ サンフランシスコの近況
アメリカの景気回復はいつになるのかは世界中の注目を集めている事と思う。日本
の景気は、従来約6ヶ月程遅れてアメリカの影響を受けていたのだったが、今の日
本の状況はそれにもまして日本ならではの政治経済体制に依るものが大きいだろう。
構造改革を言われてから久しいが何か変わったのだろうか?
10月末の日曜日、久し振りにサンフランシスコのダウンタウンや中華街を歩いてみ
た。観光客は確実に戻って来ているという印象だった。どの程度戻って来ているか
は判らないが、昨年の暮れはユニオン・スクエアが工事中だった事もあって、まるで
ゴーストタウンのようであったし、有名なケーブルカーの乗り場も、並んでいる人がい
なくて、そのためか、いつもならいっぱいいる街頭パーフォーマーもほとんど見られな
かった。今年の夏頃から、少し観光客が戻って来たようだったが、フィッシャーマンズ
・ワーフなどは、休日でも平日かと思われるようなガラガラの状態が続いていた。
サンフランシスコで一番打撃を受けたのはレストランで、観光客の減少はさておきIT
バブルの崩壊(実際には9月11日以前に既に崩壊は始まっていたのだが)によるビ
ジネス関連の食事やパーティが全く無くなってしまった方が大きい。バブル時代は
毎日どこかでネット関連企業主催の無料パーティが行われていて、週間タブロイド紙
を見れば今日どこでどんなパーティが行われるか書いてあったくらいである。これは
シリコンバレーでも同じであったらしい。今は潰れるレストランは潰れてしまって、残ったレストランも一般大衆を目的とした安いメニューを用意することで生き残りをはかっ
ているそうだ。今でも名残があるが、バブル時代にサンフランシスコではやったもの
は、高級ワインと葉巻たばこであった。サンフランシスコではすべての建物内は禁煙
であるが、特別に葉巻が吸えるレストランが当時はあった。
◆ アメリカの景気動向
さて、もう2002年も終わりに近づいているが,いっこうに景気が良くなる気配は見えな
い。今の時期、どんな企業が利益を出して,しかも株価が高いのか調べてみると、
Real State Sale(アメリカの場合建物を意味する)とCar Sales。映画も業績好調であ
る。 ソニーは笑っても松下は昔MCAを手放して悔しんでいるのではないか。 Ama
zon.comやeBayも利益を出している。しかも株価も好調。家から出ないでする、安い
買い物が流行っているということは言える。DIYのHome Depoなども好調なようだ。.
Home Depoは冬季オリンピックの選手をたくさん抱えていて、2月頃はかなり宣伝に
なったようである。アメリカでは家や庭の模様替え(再販時の価値を上げる)は一般
的だが、この時期、家から出ないで出来るものの一つであることも間違いない。
もうアメリカ特有のホリデイシーズンに突入しつつあるが、一般大衆の消費パターン
が変わって来ているのではないかと考えられる節がいくつかある。DINKS(共稼ぎ
子供無し) はもう購買能力が無いのかもしれない。友人たちから、片方が失業して
いるケースを良く耳にする。株価の低迷だけでなく、今個人が投資して短期間で利
益が上げられるものは、ごく一部のMutual Fundくらいなもので、それも10%位の利
益がせいぜいでは、買い物には結び付かない。物価は余り上がっていないので、
生活費は増えていないはずなのだが、各種ローンの支払いのためには少なくとも
10%以上の利息が必要となる理屈で、それ以上の利息がないと支出には回らない。
アメリカ人が現金を持たないための特異な現象である。
アメリカで物価が上がらないもうひとつの理由は、賃金が上がらないためである。い
わゆるベースアップや春闘はアメリカには無い。賃金を上げるためには昇進するか、
新しい職を探すしかない。理髪店とか建設業とか農場とか運転手などなどは、アメ
リカではかなり賃金が低い職種で(その代わり値段はかなり安い)ここにはメキシコ
をはじめとするラテン系の人がどんどん入って来ているので、これらの失業率は高く
ないということのようである。アメリカの社会構造が変わってきており、ラテン系人口
の増加が著しく25%までは行くとの報告もある。日本も日系ブラジル人を継続して
採用していれば、このトレンドに乗れて、将来もっとアメリカと話しやすくなったのではないだろうか?
◆ シリコンバレーの近況
まだシリコンバレーではインターネット、2000年バブルの後遺症を取り除いている段
階という説がある。しかし悪景気にもかかわらず、シリコンバレーでの新製品開発は
予測通りに進行しており、景気回復時は急激な立ち上がりになるという説もある。半
導体関係と医学関係が2010年位までに飛躍的に伸びると言うことのようだ。長期予
想では2005年にもう一度不景気になるはずなので、今回の景気回復は2003年以降
に遅れるだけでなく、持続もしない可能性がある。
アメリカ景気回復の目玉の一つである3G携帯はどうやら当て外れになっているよう
だ。NOKIAやMOTOROLA は第3期の決算では、携帯電話の売れ行きは好調と言
っている。私が買いたいと思っている京セラのスマートフォンはキャリア側での3Gの
チューニングにまだ手間取っているようで、11月以降に発売がずれ込みそうだ。新し
い電話機としては、サムソンの折り畳み式カラー液晶の物とか、サンヨーのカメラ付
きを店頭で見かけるようになって来たが、どのくらい売れているのかは、まだ周りで
買った人がいないので判らない。
もちろんパソコンは売れてはいるが、昨年のようにウインドウズXPみたいな新しいソ
フトもないし、ペンティアム4の3Ghzだけでは爆発的に売れるとは思えない。金儲け
ができるノートPCも新しいCPU Baniasの発表が来年第1四半期では、買い控えが
出ても当然かと思える。
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