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◆ 携帯電話の世界シェアについて
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◆ 第3四半期の携帯電話市場を見て思うこと

Wall Street Journalに第3四半期の携帯電話の世界市場についての動向が報道 された。日本でもZDNetサイトの日本語を読まれた方がいるかも知れないが、私の ような疑問を持った方は余りおられないかと思うので、ここで紹介と、もう少し 詳しい解説をしてみたい。その疑問とは、日本メーカーはどこにいるのか?とい うものだ。報道ではトップ6はヨーロッパ、アメリカそして韓国のメーカーで、 日本のメーカーはどこにも見当たらない。唯一の例外はソニーエリクソンで、第 5位だがこれはどちらかというとソニーがエリクソン製品の製造をしていると考 えた方が良いので、日本メーカーとは言えないと思う。

GSM合計が6,580万台で、昨年同期より30万台しか増えていないのに比べて、CDMA は5%のシェアから今第3四半期は27%にまで伸びている。筆者の計算によれば、 これは2,430万台に相当する。この報道では日本の話は、CDMAが中国と日本で伸び たとしか述べられていない。筆者の記憶が正しければ、KDDIがNTTを追い越したの がこれに当たるのではないかと思うが。携帯王国日本の実体とは世界で第6位にも 入れない、こんなものだったのかと唖然とした。これでは井の中の蛙ではないか。

因みに、トップはNOKIAで、GSMでは44%のシェアだが、CDMAではわずかに9.4%である。 筆者の知るところ、アメリカでは、NOKIAの製品はただ1種類、超小型でアンテナ 無しのものだけだと思う。折り畳み式でもカラー液晶でもない。ただただシンプル な電話であるが、電話のみが必要なら筆者でもNOKIAを選ぶだろう。

第二位はMotorolaで、GSMでは14%、CDMAでは18.7%と均衡が取れているし、トレン ドの折り畳式携帯の元祖とも言えるが、カラー化でサムソンやLGに遅れを取って しまったようだ。日本にかなりの事業所、工場を初めとする基盤がありながら、韓 国に遅れを取るとは、やはり落ち目の会社とはそんなものなのかもしれない。パソ コン、日本のケータイ、そしてPDAを例に取れば、一度カラー画面を見た消費者は、 もう二度と白黒画面には戻らないし、戻れないのが現実だ。カラー化は時間の問題 であるのは歴史が証明している。NOKIAもこの点でカラー化とCDMAへの対応が遅れて いるが、今後のマーケットシェアにどう響いてくるのか興味が尽きない。

そして第3位がSamsungである。何と言ってもCDMAでダントツの27.3%のシェアを 獲得したのが効いている。そしてLGと同様に、日本のトレンドを取り込んだ折り畳 み式のカラー液晶で圧倒的な力を発揮している。因みにLGはCDMAで19.2%でトータ ルも4.4%と第6位に躍り出た。

こうして見ると、ケータイは日本でのトレンドが世界のトレンドとなりつつあり、 その心臓部であるチップは、CDMAではQualcommが事実上のデファクト標準であるの に対して、GSMではNOKIAとMotorolaが独自のチップ(Siemensも独自チップか?) で標準化されていない。ということは歴史から見て、独自チップ、標準が続いた例 ないので、今後CDMAに分があると見るのは、あながち当てずっぽうとも言えまい。 特に3GではGSM/GPRSが56Kbps止まりなどに対し、CDMA 1xは144Kbpsなので、ウエ ブサーフィンなどではその差は顕著に見られるのではないかと思われる。

◆ ケータイ新製品

MotorolaからT720がやっと出た。折り畳みでカラー液晶だが、Radio Shackなどでは SamsungやLGに並んで店頭に置いてあるので目立たないし、特に特徴が有るように は見受けられない。Motorolaを持っていると言うことを売り物にしたTVコマーシャル を流してブランド名で売って行こうとしているようだが、勢いの良い韓国勢に果たし て勝てるか?

又、m-mode/ATT やT-Mobile などは、写メールを一生懸命TVで宣伝している。 果たしてどれだけの人がこれを見て買ってみようと思うか、少々疑問が沸くコマーシ ャルではある。例えばm-modeではアンティークの商品を見つけた人が、写メールでそ れを鑑定士らしき人に送って、鑑定士がこれをすぐに評価するというような内容であ った。一体1年の内、何回このようなことが有るのか考えると自ずと使用頻度も知れ ようと言うものだ。かなり苦肉の策とも言えるか?日本ではケータイが若年層を対象 としていると思うが、アメリカではそうではないのでマーケティングもかなり苦しいと 思われる。

サンクスギビングの前の週末、ニューメキシコ、アリゾナ、サンフランシスコと飛行 機を乗り継いだが、各空港では5人に一人はケータイで話しをしている。 未だケータイを゛見ている゛人はまだ見かけなかった。つまり新しい3Gを使ってい る人はまだまだ一般的ではないということになろうか。

◆ HPの新製品・メディアセンターPC

ところでHPの新製品、メディアセンターPCの発表があった。あれは日本ではやって いる5インチベイのケースを使ったPCではないか。ベイエリアでは5インチベイのPC をカスタム製造販売しているところが何社かあり、値段は700-800ドル前後が普通だ がHPのものは何と1349から1999ドルもする。PCの平均価格が824ドルまで落ちて来て いる現在、値段が2倍以上もするPCにどのような価値を見出すのか、疑問が投げかけ られている。 マイクロソフトのXP Media Center Editionを採用していて、TVのHDDレコーディン グができるそうだが、単体のHDDレコーダを買った方が遙かに安上がりだ。赤外線コ ントローラが付いているが、無線LANもBluetoothも付いていないようなので、ソニー のものに比べてもかなり見劣りがする。家電製品化するとしたら、家電メーカーの方 がうまいに決まっている。そんなダメHPが予想に反して好調な業績を発表したので、 株式市場がひとしきり盛り上がったのだが、こんな製品ではEverything Possibleと いわれても先行きが心配される。


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