「下水道管の中を情報が駆け巡る」とは、冗談のようなホントの話。岡山県新見市では、昨年から下水道管に光ファイバケーブルを敷設して市役所や学校、消防署などの公共施設を結ぶとともに、モニター応募者200名を対象にFTTH接続サービス「夢ネットにいみ」を提供している。これは上下水道料金の集計や地域内のテレビ電話、市からのお知らせなどの行政サービスが主だが、ウェブの閲覧やEメールの利用も可能。もちろん、光ファイバケーブルは防水が施された取付管の中に入っていて濡れることはないし、下水道が詰まる心配もない。
しかし、どうして下水道なのか? 選ばれた理由は二つある。一つは地域の全家庭それぞれに直結している既存空間を利用するのでケーブルの敷設費用が比較的安価であること、もう一つは地中管渠のため地震や火災、テロなどの災害に強いことだ。
実は、こうした下水道を利用しての光ファイバ網基盤整備構想は1985(昭和60)年ごろからあった。実際にこれまで東京都や横浜市、名古屋市をはじめ全国数十カ所の自治体で進められてきたが、民間との競合を避ける目的もあってか、現実に光ファイバが引き込まれているのは役所や水道局などの公共施設ばかり。あとは通信事業者などへの管渠の空間貸しサービスを用意するに留められていた。が、今回、新見市では技術コンペを実施し、敷設技術が確立されていなかった各家庭までのサービス提供を実現。これにより他自治体でも同様のサービス提供を導入するところが出始めている。
来年度の国土交通省の重点施策の一つに「電線類地中化事業」があるが、これが推進されれば既存の地下空間を利用した下水道光ファイバの利点が見直されることは必至。長年期待され続けながら、なかなか日の目を見なかった下水道光ファイバに追い風は吹くのか? 来年度予算の行方にご注目を。
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昨年秋、大手各社が相次いで新ブランドや人気ブランドの改良品を発売して注目を集めたヘアケア市場。シャンプー、コンディショナー、トリートメントの3品で構成されるこの市場の売上げ規模は約1800億円(2002年度)。テレビCMを中心に大規模なマーケティングを行う大手メーカーの人気ブランドが圧倒的な支持を受ける一方で、市場から淘汰されるブランドも多く、大きな投資を必要とする厳しい市場とも言われている。
先秋も力の入ったプロモーション合戦が繰り広げられたが、ここで目立ったのが、ウェブサイトを活用した、製品発売前からの積極的な広告宣伝。展開内容は各社各様で、発売日までの1カ月間は商品名を伏せてキャッチコピーと発売日だけを表示し続ける“ミステリーキャンペーン”を実施したり、ミニボトルのお試しセットをウェブ限定で先行プレゼントしたり。あるいは、商品専用サイトで新鋭アーティストのショートフィルムを独占上映する、心理テストを用意してサイト訪問者とコミュニケーションを図る、ヘアケア意識を高めるメールマガジンを発行する…となかなかユニーク。そうした演出につい誘われて新製品のウェブサイトを訪ねてしまった消費者もさぞかし多かっただろう。
気になるのは成果だが、こちらは“予想以上”ということらしい。ここ数年のカラーリング人気で髪のダメージを気にする女性が増えているにもかかわらず、市場価格下落の影響を受け伸び悩んでいたヘアケア市場だったが、今回のプロモーション合戦は市場活性化の牽引役となったようだ。
商品紹介やイベント告知に欠かせない重要ツールとして改めて認識されることになったウェブサイト。さて、次の新製品ではどんな仕掛けが展開されるのか、楽しみだ。
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・三菱電機 公共システム研究会開く(10月16日掲載)
・国民に課題をPR 下水道部HPで資料公開(10月6日掲載)
・日本下水道事業団 下水汚泥の情報共有化
自治体と事業者ネットにセンターを開設(10月2日掲載)
・第一環境 情報セキュリティで認証(10月2日掲載)
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・ライオン 生活&日常情報を“音メール”で(12月10日掲載)
・モッズ・ヘア Web限定ショートムービー「Cheap Trick」独占公開中
(10月22日掲載)
・日本ドラッグチェーン Web活用したビジネスモデル発表 NID-NET陳列サポートも開始(10月15日掲載)
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