昭和レトロブームだそうで、昔を懐かしむというのは人間の性なのでしょうか。不便さや不自由さから徐々に解放されながら進んできた時代を生きて、ふと立ち止まった時に、その不便さ、不自由さの中に居た自分を愛しむのかもしれません。○○レス流行りの世の中。煩わしいものがなくなってホッとしている反面、目に見えぬものへの不安も背中合わせに同居しているようです。
ワイヤレス時代を夫婦関係、親子関係になぞらえている作品が多く見受けられました。そう言えば、亭主は昔からワイヤレス。でもちゃんと我が家に帰還する、これも男の性でしょうか。○○レス流行りでも、人情レス、愛情レスは困ります。見えないからこそ、その中身は太い心の絆で結び繋ぎたいものです。
「ワイヤレス宙に迷子の奴凧」 立川談幸 |