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明日につながる基礎知識

第30回 知っているようで知らないこのワード 「OTT」 オーティーティー おーてぃーてぃー画像 イラスト

OTTとは「Over The Top(オーバー・ザ・トップ)」の略語で、通信事業者やインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)に頼らず、インターネットを通じて提供されるメッセージや音声、動画などのコンテンツやサービスを指す言葉。また、それらを提供する事業者を「OTTプレーヤー」と呼ぶ。
OTTの具体例としては、動画共有サイトのYouTube(ユーチューブ)や動画配信サービスのHulu(フールー)、Netflix(ネットフリックス)、インターネット電話サービスのSkype(スカイプ)、無料通信アプリのLINE(ライン)などがある。

かつては、株式会社NTTドコモのiモードのように、通信事業者がインフラの構築・維持からコンテンツの提供、代金回収までサービス全体をカバーしてきたが、通信の高速化やインターネットの普及、決済方法の多様化によって、それらを利用して提供される、上位階層であるコンテンツやサービスはOTTプレーヤーが扱うといった構造に変化してきた。まさに、通信事業者を飛び越えて(=オーバー・ザ・トップ)、直接ユーザーにコンテンツなどを提供できるようになったのだ。

OTTはパソコンやスマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスで利用できるマルチプラットフォーム対応が特徴。さらに、米国のHuluやNetflixは、既存のテレビドラマや映画の配信だけでなく、オリジナル作品の制作・配信といった分野にも進出している。

こうした状況に対して、通信事業者自身がマルチプラットフォーム対応のサービスを始めるといった動きも出てきた。例えば、動画配信サービス「ドコモdビデオ」は、従来はドコモ回線とひも付けられたdocomo IDが必要だったが、2014年4月1日からはキャリアフリー化され、ドコモ契約者以外でもdocomo IDを取得すれば利用できるようになっている。

インターネットを通じて提供されるメッセージや音声、動画などのコンテンツやサービスに関しては、OTTプレーヤーや通信事業者はもちろん、テレビ局やレンタルビデオ業界も巻き込んで、今後も激しい主導権争いが予想される。

今月の「OTT」なインフォメーション
ドコモdビデオ
画像 ドコモdビデオ

海外ドラマが充実している「Hulu」や映画好きにお薦めの「U-NEXT(ユーネクスト)」など、数ある定額制動画配信サービスの中で、月額500円(税抜)という魅力的な価格でサービスを提供しているのが、株式会社NTTドコモとエイベックス通信放送株式会社による「ドコモdビデオ」だ。本文でも触れたが、テレビやスマートフォン、タブレット、パソコンなどに対応し、ドコモと回線契約していなくても、docomo IDを取得すれば利用可能だ。コンテンツも充実しており、約2万3千タイトル・約10万の動画が見放題。なお、最新作品は個別課金となる。
※配信作品は、予告なく変更になる場合があります。

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