極限に、備える 予測できない大規模災害から、どれほどの人々を守れるだろうか。

備えておくべきは、知識と意識、そして対応策。

予測だにしない大規模災害。今、必要なのは「災害想像力」

巨大地震、大型台風、火山噴火、記録的な豪雨・豪雪に土砂災害――。近年、私たちの周りで起こっている災害です。予測だにしない大規模災害ですが、知識と意識、対応策を備えておけば、きっと守れる命があるはずです。今、災害の発生を想定した上で何ができるかを考える「災害想像力」が注目を集めています。
NTTコムウェアが開発した「タンジブル災害対策支援システム」は、災害時だけでなく、日頃の訓練を通じて「災害想像力」の醸成にも大きな力を発揮する次世代型の災害対策支援システムです。これまでのキーボードやマウスを利用したインターフェースとは異なる新しいユーザー・インターフェースを活用しており、デジタルペン(ペン型の入力装置)を用いて、あたかも直接、紙に書き込むように、今まさに発生している災害情報や対策を時系列に記録することが可能です。タンジブルとは英語で「触れる」、「実体がある」といった意味があり、日ごろから慣れ親しんでいる道具を情報の接点(インターフェース)にするのが特長です。初心者でも容易に操作ができ、複数人での協調作業や「描く」操作に適しています。

コンセプトは「誰でも、どこでも、簡単にすぐ使える」

ここで少し、災害発生時を想像してみましょう。災害対策本部には電話やファックスで各地の様子が伝えられ、それを担当者が忙しく地図に書き込んだり、付箋を貼ったり。このような従来型の紙情報では情報が錯綜し、共有が困難であるほか、情報の整理や分析にも多大な労力を要してきました。近年はパソコンも活用されていますが、複数の関係者が1台のパソコンを覗き込みながらでは迅速な対応ができない上、地図上に印を付けたり、面で囲んだりする作業にも適しません。自治体や消防、警察など様々な関係者が集まる災害対策本部では、パソコンを活用した作業環境が必ずしも最適とは言えません。
「タンジブル災害対策支援システム」は、アナログとデジタルの融合により、これらの課題を解決するものです。従来の紙地図に書き込むスタイルを踏襲し、デジタルペンで直接、紙に書き込むようにして災害情報や対策を記録します。コンセプトは「誰でも、どこでも、簡単にすぐ使える」。初めて操作する人も、すぐに使いこなせます。

アナログの操作性とデジタルな処理の融合

■システムの基本構成

システムはデジタルペン、60インチ相当のデジタルシート、A4サイズ相当のパレットシート、およびパソコンとプロジェクターで構成されています。デジタルシートは画用紙のように丸めて収納でき、持ち運びが容易なので、テーブルと電源さえあればどこでも災害対策本部が開設できます。
刻々と集められた情報などを、デジタルシート上に投影した地図に表示し、デジタルペンを用いて手書き感覚でシステムを操作できるほか、入力した情報は時系列や災害種別に記録。大画面の地図は「いつ」「どこで」「何が起きているのか」を俯瞰的に見ることができ、ペンで囲んだ範囲の面積や手書きした経路の距離を計測できるため、災害発生地点の範囲や面積、避難所までの経路・距離をすぐに計測できるといった意思決定を支援する機能も備えています。また、タブレットと連動し現場や出先拠点との連携や情報共有することも可能です。
このように「タンジブル災害対策支援システム」は、従来の手作業の操作性やメリットを活かす一方で、すべてがデジタルで処理され、リアルタイムの情報共有や迅速な意思決定を可能にするツールなのです。

災害を身近に感じることで、より多くの人々を救う

「タンジブル災害対策支援システム」は災害時に取るべき行動を学び、自助や共助、災害想像力の醸成を図るツールとして、自治体や防災センターに導入されています。いざという時にどのルートでどこへ避難するのか、いかに素早く適切な行動や対応をとるのか、平常時からのひとつひとつの積み重ねが災害対応力や防災力を高めていくことになります。実際に、災害時のシミュレーションを紹介した防災センターでは、来館した児童・生徒たちや地域住民が、紙の地図を扱うように簡単な操作で地域の防災マップを自分達自身で作成することで、災害時にどう行動すべきかイメージできたという声も挙がっています。
どこへでも簡単に持ち運べることから、小学校、中学校、高校での出張防災講習に使うことを検討している自治体もあります。
タンジブル災害支援システムは着実に、災害を身近なものとして実感し、備える力をつけるツールとして効果を発揮しているのです。
また、平常時だけでなく、発災時や応急対応時の混乱した状況では、直感的かつ簡易な操作性により、効率的に災害情報の収集や共有を行え、災害時の迅速な「意思決定」を支援しています。
この最先端の技術は、災害時のみならず平常時も活用され、「より多くの人々を救う」という大きな使命を果たしています。

  • 挑む先 INDEX
  • 課題解決の先を見る
  • 伝統への挑戦
  • 極限に、備える
  • 1億3000万件
  • 巨大グループと拓く