NTTコムウェアは、NTT持株研究所と協働し、NTTコムウェアが保有するタンジブル・ユーザインタフェース(TUI)技術(*1)とトラヒック管理技術とを組み合わせた「転送系プロビジョニング」に関する検証試験を目的とし、2006年10月16日より開催された国際相互接続試験『Global MSF Interoperability 2006(GMI2006)』に参画しました。
今回、NTTコムウェアは、MPLSパスの効率的な設計や実ルータへのMPLSパス自動コンフィグ設定、及び物理リンク/MPLSパス毎の帯域使用率の可視化に関する検証試験を行い、 全ての試験項目に対して合格判定を頂きました。
MPLS/VPNプロビジョニングの検証試験内容
・試験手順(概要):
コアルータ、及びエッジルータで構成される転送網において、MPLS/VPNプロビジョニングによるネットワークトポロジー解析、MPLSパスの最適経路計算、及びルータへの半自動コンフィグ設定を行い、その後、トラフィック・ジェネレータを用いて、MPLSパスに対しトラフィックを発生・変動させ、物理リンク/MPLSパスの帯域使用率を半リアルタイムに可視化する。
・試験確認内容:
- 1、転送網内の各ルータからコンフィグ情報を取得・解析することによるネットワークトポロジーの可視化
- 2、MPLS/VPN設計により計算されたMPLSパス情報からのコンフィグ自動生成、実ルータ への自動設定、及びMPLSパスのEnd to Endでの疎通確認
- 3、トラフィック・ジェネレータを用いたMPLSパス毎のトラフィック発生・変動による、物理リン ク/MPLSパスの帯域使用率の可視化
「Tangible MPLS/VPN Provisioningの概観」
「TUI上でのネットワークトポロジーの可視化」
「MPLS/VPN設計により設定された
MPLSパス経路表示」
「MPLSパス毎の帯域使用率の可視化」
Global MSF Interoperability 2006(GMI2006)
GMI2006は、MultiService Forum(MSF)の主催により、2年ごとに行われる国際相互接続試験で、世界各国のキャリア、サービスプロバイダ、通信機器メーカーなどが参加し、今回は、日・英・米・韓の4拠点に検証サイトが設置され、10月16日から10月27日まで相互接続試験が実施されました。
おわりに
NTTコムウェアでは、NGNを志向したMPLSコア技術を活用し、NGNソリューションへの展開に向け引き続き取り組んでまいります。
[用語解説]
(*1):タンジブル・ユーザインタフェース(TUI)技術
タンジブル(Tangible)とは“実態のある”、“触れて知覚しうる”という意味。MITメディアラボの石井教授が提唱した、全く新しい操作感覚でコンピュータとそれを使う人間とのインタラクティブな関係を創る次世代のユーザインタフェース技術である。
NTTコムウェアとMITでは、NGN向け次世代UI技術として、タンジブル技術を適用した応用システムに関する共同研究を進めており、今回のMPLS/VPNプロビジョニングとしての適用例のほか、一般的なIPネットワークの設計・運用監視ツール「Tangible IP Network Designer」をはじめ、ビジネスプロセス分析、災害対策等、様々な分野への応用に取り組んでいる。