「肩凝り」とは病名ではなく、首や肩周辺の筋肉が緊張しつづけ、疲労して硬くこわばることで発生する、不快感や鈍痛などの症状を指した言葉です。
首や肩周辺の筋肉は、それぞれに4〜5kgほどの重さがある頭と腕を支える役割を担っており、その負担は大変なもの。それでも、人間の背骨は正常時、緩やかなS字状のカーブを保っているため、頭の重さを全身でバランス良く分散し吸収できるのですが、何らかの理由でこのバランスが崩れてしまうと、その重みが首や肩に集中し、周辺の筋肉に過大な負担がかかります。その結果、(1)筋肉が緊張→(2)血管が圧迫されて血行不良に→(3)老廃物や疲労物質が溜まる→(4)肩凝り、となるのです。
また、肩凝りの状態を放置しておくと、より一層、筋肉の痛みや緊張を強めることにもなります。そのため血行不良が悪化し、老廃物が…というように“肩凝りの悪循環”が発生し、ますます症状が重くなってしまうので注意しましょう。
こうした肩凝りの原因として一番に挙げられるのは、猫背などの姿勢の悪さ。また、腹ばいの姿勢で読書をしたり、脚を組んで浅く座るなどの無理な姿勢、さらに、同じ姿勢を何時間も続けたり、編み物のような手指を使う細かな作業も、無意識のうちに脇を固めるために肩周辺の筋肉が酷使され、凝りやすくなります。そのほか、なで肩のような筋肉の発育不良、冷えなどによる血行不良、20代から始まる椎間板の老化、精神的な緊張やストレスなども肩凝りを発生しやすくする要因です。
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