冷えにくい体質を作る基本は、熱のエネルギー源でもある毎日の食事。無理なダイエットをしていないか、3食決まった時間帯に取っているかなど、自分の食生活を見直してみて下さい。そして、もう一つ、ぜひ取り入れてほしいのが、漢方医学の“食養”という思想です。
食養とは、バランスの取れた食事を重んじる考え方で、(1)薬食同源…薬と食べ物は同じもの、(2)食性…食べ物には体を温めるものと冷やすものがある、(3)五味五色…酸・苦・甘・辛・鹹(塩)の5つの味と、青・赤・黄・白・黒の5つの色でバランス良く、(4)身土不二…その土地の食べ物を大切にする、(5)一物全食…丸ごと食べ、精製されたものはなるべく食べない、の5項目が基本。
普段からこの基本を心がけて食材を選ぶことで、健康的な食生活を送ることができ、冷えの撃退にも役立ちます。
他にも、エアコンは適温(夏25〜27℃、冬22〜24℃)に設定し、オフィスなどで調節が難しい場合はストールや厚手の靴下を活用し自己防衛。運動不足を感じている人は、エスカレーターやエレベーターの代わりに階段を使ったり、駅までの道を歩くようにしたり、ストレスをため込まないようリラックスできる時間を作ったり、“悪い方向に考えない”などのイメージトレーニングを行うといった生活習慣の改善も、冷え症の予防&ケアには欠かせません。これらをすべてを一度に実践するのは無理なので、できるところから取り組んでいきましょう。
また、冷えを感じたら、その日のうちに解消することも重要なポイントです。その際おすすめしたいのが半身浴。38〜40℃のぬるめのお湯に20〜30分間、下半身だけをじっくり浸すことで、下半身にたまっていた血液が全身を巡りポカポカしてきます。お湯が熱すぎると、その刺激で交感神経を興奮させてしまい、かえって血行が悪くなってしまうのでご注意を。
体調が悪く、お風呂に入るのがつらい場合は、服を着たまま行える足浴も効果的。半身浴より少し高めの40〜42℃程度のお湯にふくらはぎぐらいまで入れると、15分ほどでジワジワと体の芯から温まってきます。
なお、こうしたケアをしても、なかなか症状が良くならない場合は、一度漢方専門医に相談してみるといいでしょう。
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体を温める食べ物 |
もち米、納豆、ダイコン、カブ、ゴボウ、ニンジン、カボチャ、ネギ、タマネギ、ニラ、唐辛子、鶏肉、チーズ、イワシ、日本酒、黒砂糖、中国茶、紅茶、味噌など |
中間の食べ物 |
米、サトイモ、ジャガイモ、アスパラガス、キノコ類、ゴマ、牛肉、豚肉、ブドウ、しょうゆなど |
体を冷やす食べ物 |
小麦、ソバ、豆腐、牛乳、トマト、ナス、ホウレンソウ、セロリ、パセリ、レタス、タケノコ、キュウリ、マンゴー、バナナ、緑茶、コーヒー、化学調味料など |
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※大まかに分けると、体を温める食べ物は興奮作用、冷やす食べ物は鎮静作用を持っています。これらの特質を知った上で、バランス良く食べましょう。
※体を冷やす食材も、火を通すとその作用を弱めることができます。例えば、体を冷やす食材の豆腐も、湯豆腐にしてネギと一緒に食べればバランスの取れた一品になります。
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