適度なストレスは生きるエネルギー源になりますが、重いストレスが長期間続いたりするとストレスにうまく適応できなくなり、心身に変調をきたします。とくに中高年期は、男女を問わず、職場や家庭内での精神的負担が大きく、様々なストレスが重なりあう時期。両親や配偶者の死、リストラや転職、病気、子どもの独立…。こうした喪失体験や環境の変化が強いストレスとなってうつ病になる場合があります。
同じようなストレスを受けても、上手にコントロールできる人と処理しきれずに心を病む人がいるのは、その人の性格が大きく関係しています。うつ病になりやすいのは「執着性格」と「メランコリー親和型性格」と言われるタイプ。「執着性格」とは、責任感や正義感が強い完璧主義者タイプ。非常にまじめでがんばり過ぎるため、心身共に疲れ果ててうつ病になることが多いとされています。「メランコリー親和型性格」は、基本的な性格は執着性格と似ていますが、加えて人と争いを好まず、周囲に気を遣い過ぎて、ストレスを内にためてしまいます。また、柔軟性に欠け、環境の変化に弱いという面も持っています。
うつ病の発症メカニズムにはまだ未解明の部分も多いのですが、脳内の情報を伝える「神経伝達物質」が関わっていることも次第に明らかになってきました。また、体の病気がうつ病を引き起こしたり、うつ病と体の病気が併発したりすることもあります。中でも糖尿病や高血圧、ガンなどの病気がうつ病を併発しやすいと言われています。
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