汐留、品川、六本木と都市の再開発が進むなか、都心居住、特にタワー型マンションが人気を集めている。一時期、「インターネット・マンション」をウリにする物件が多かったが、最近はどうなのか?
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お話を伺った鹿島株式会社開発事業本部事業部課長の山本俊行さん。
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「TOKYO TIMES TOWER」の外観。鹿島建設独自のスーパーRCフレーム工法で、柱・梁のない住戸空間を実現。最上部には、車のオイルダンパーと同じ原理で揺れを制御する制震装置「HiDAM(ハイダム)」が設置され、地震や強風による建物の揺れを軽減。
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「TOKYO TIMES TOWER」のモデルルームが、今回の訪問先。秋葉原駅前再開発地区に建つ、40階建て・総戸数319戸のビッグプロジェクトで、5月に販売を開始している。このマンションの建設を担当する鹿島建設株式会社の山本俊行課長にお話を伺った。
山本課長によると、都市部でのマンション建設ラッシュの背景には、地価の下落や容積率の緩和、オフィス物件の供給過多に伴い、逆に住宅の投資利回りが良くなったことなどがあるという。また、住まいを探す側としても、「どうせマンションに住むのなら便利な都心」「都心なら眺望や日照のいい超高層」を望む人が増え、都心回帰が進んだ。
照明やAV機器をコントロールする、無線LAN対応のパソコン「エアボード」。もちろん、インターネットへの接続も可能。
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Sスタイルのベッドルーム。プロジェクターがセットされていて、寝ながらテレビを見られる。 |
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モデルルームで最初に案内していただいたのが、電機メーカー・ソニーとのコラボレーションによる住戸。最近の物件は、デザイナーズマンション、有名インテリアショップによる内装などを謳って差別化を図っているが、電機メーカーとのタイアップは珍しい。
「ユビキタスな映像空間」をコンセプトに設計された住戸(Sスタイル)は、AV機器があらかじめ組み込まれた近未来空間。プラズマディスプレイが設置されたリビングの床にはブルーの照明が走り、ガラスのパーティション、あるいはベッドルームの天井、バスルームの壁面にはプロジェクターによって映像が映し出される。しかも、これらのAV機器は、“エアボード”と呼ばれる無線LAN対応のパソコンによってコントロールできるという。そこには、思わずため息が漏れるような空間が出現していた。
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