センターの病棟には、他の病院ではお目にかかれないものが2つある。一つが入院時に発行されるバーコード入りのリストバンドで、もう一つがベッドの傍らにある12インチのタッチパネル型液晶端末「ベッドサイド端末」だ。これらがセンターのリスクマネジメントを支える鍵となっている。
 |
|
すべてのベッドに備えられている「ベッドサイド端末」。バーコードリーダー、テレビ用リモコン、USB4口も装備。
|
 |
スタッフは自身のIDカード、患者のリストバンド、点滴ボトルなどに付けられているバーコードを読んで、電子カルテのオーダーと照合。
|
 |
 |
リスクマネージメント画面。読み取ったバーコードが正しければ「○」、間違っていると「×」が表示される。オーダーの内容も画面上で確認できる。
|
|
「バーコード」は入院患者のリストバンドの他に、スタッフのIDカード、内服薬の薬袋、点滴・注射、輸血ボトルにも付けられている。
例えば点滴をする場合、スタッフはバーコードリーダーで、自分のIDカード、患者のリストバンド、点滴ボトルを読み取る。誰が、誰に対して、何を行うのかを、電子カルテのオーダーと照合するというわけだ。内容が正しければ、ベッドサイド端末の画面に「○」が、間違っている場合は「×」が表示される。またバーコードだけに頼らず、スタッフはオーダー内容を画面上で確認できる。ここがこのシステムのポイント!
センターでは、バーコード認証によって、本人確認はもちろんのこと、医療過誤が起きやすい医薬品の取り違えや投薬ミスを防いでいる。
では、このバーコード認証を、現場はどう受け止めているのだろうか。
「投薬の際も、ただ配るのではなく1回1回バーコード認証するので、スタッフの作業は確実に増えました。ただし、それに見合うだけの効果はある。きちんとやれば間違えないという安心感があり、精神的な負担は軽くなりますね。また、患者さんやご家族にも『○が出たから間違いないね』と安心してもらえる。これは、ともすればこの作業を面倒と思うスタッフにとって、きちんと行わせるインセンティブになっています」
ベッドサイド端末には、上記のような「リスクマネージメント機能」の他に、看護師がバイタルサイン(脈拍・呼吸・血圧・体温)をその場で直接入力できる「電子カルテ機能」、患者やその家族がテレビ番組はもちろん、治療スケジュール、体温経過などが見られる「患者アメニティ機能」も備えている。
|