パソコンに向って、時にしばし考え込みながら、時にはニヤリと笑いながら、パチンと駒音を鳴り響かせる・・・。
そう、上に紹介したのは「ネット将棋」の利用者数である。
正確には、ネット将棋の定番サイトとして代表的な「将棋倶楽部24」「あゆみ将棋サロン」「日本将棋ネットワーク」の会員の総計であり、厳密な数字とは言えないが、それだけでも全国に1000万人といわれる将棋人口の4%強。シニア世代の利用者のなかには、ネット将棋やりたさにパソコンを買い求め、インターネットを始めたという人も少なくないという。
そこまでする人がいるのも、将棋が1人ではできないゲームだから。NHKの朝の連続ドラマ「ふたりっこ」で一時脚光を浴びた町の将棋道場も、最近ではその数を減らしており、身近に同好の士を見つけられず、将棋を指したくても指せない環境が特に地方には多い。
その点、日本全国、時には海外からも将棋好きが集まってくるネット将棋なら、いつでも自分が指したい時に、相手になってくれる人がいる。参加者の棋力表示を見て、自分の実力に合った対戦相手を選べるので、腕に自信がなくても安心だ。
対戦相手とチャットでコミュニケーションが取れるのもネット将棋ならではの魅力。
「お手柔らかに」「今の手は厳しいですね」などと簡単な会話を交わすことで、顔なじみ(顔は見えないが)ができ、将棋談義に花を咲かせることもできる。
ネット将棋サイトには、対戦の勝敗によって棋力を示す数値が変動するレーティング制を導入していたり、プロと対局できたり、定期的にトーナメント大会が催されたりと、それぞれに特徴がある。各サイトのルール説明を参考に、何度か対戦あるいは観戦をしてみて、自分の将棋スタイルに適した所を選ぶといいだろう。
パソコン通信時代に始まり、年々操作性を進化させているネット将棋。昔覚えたルールを思い出して、今夜あたりパチ〜ンと爽快な駒音を響かせてみては? |