ITワイド講座




イラスト:小湊好治


パソコンで性格がわかる!?

今となっては、小学校でもパソコンの授業があるから、子供達は一応は“スタンダードな”パソコンの使い方を覚えるんだろう。でも、私たちのころは、パソコンなんて、見よう見まねの手探りで覚えたものだ。そうやって、自分流に覚えたパソコンの使い方は、ほんとに人それぞれである。あなたも、誰かと一緒にモニタを眺めながら仕事をしようなんて時に、相手の操作に驚いた経験がないだろうか。

 たとえば、絶対にショートカットキーを使わない人とか(私はショートカットキー愛用派)、フォルダを開くときに右クリックで開く人がいる(私はダブルクリック派)。この程度なら“個人差”のうちだ。でも、ダブルクリックじゃなくて必ずトリプルクリックする癖のある人や、マウス操作がものすごく苦手な人なんかは、隣で見ているとちょっとばかりイライラしてしまう。

タイプ・タッチができない人というのも意外に多い。驚いたのは、知人が左手だけでキーボードを打つ姿を見たときだ。しかもそれがものすごく早い! なんでも右手を骨折した時に練習したらしく、「電話しながらでも仕事ができるから超便利」なんだそうだ。

左利きの知人も、「食事しながらインターネットできるから」あえてマウスを右手で使っている。マウスによっては左利き用の設定ができ、クリックボタンを逆にしたり、ポインタの向きまで変えられるそうだが、彼はあえて右手。もっとも、その他の操作はやっぱり左手なので、10キーはかなり使いづらいようだし、キーボードの配置も不便で、困ることも多いらしいが。

デスクトップも人によって様々だ。以前勤めていた会社で隣に座っていた女性はダウンロードしたファイルや作成したファイルを、全部デスクトップに保存していた。そりゃあもう、何がなんだかわからない程、デスクトップにずらりとアイコンが並んでいるので、一度「困らないのか」と訊ねたことがある。Windowsの場合は、デスクトップ一杯になると、フォルダなりファイルが見えなくなるという仕組みだから、一杯になって訳がわからなくなる前に整理をしているんだとか。それなら最初からきちんとダウンロードすればいいのに…と思うが、それは性格的な問題なんだろう。

メールソフトの使い方もいろいろだ。細かくフォルダを分けて、こまめに分類している人もいれば、“受信フォルダ”と“送信フォルダ”の他は“ゴミ箱”だけ、という強者もいる。デスクトップの整理が苦手な先述の女性はこのタイプだった。

私の場合、メールソフトのフォルダは、“メルマガ”とか“友達”とか“●●の仕事”といった風に、内容ごとに20ぐらいに分けている。でも、「送信元ごと」に分類している人もいるようだ。よくメールが届く人には専用フォルダを作って、自動的に振り分けしているらしい。ちなみにこの知人はフォルダの数、なんと100以上。却って使いにくいような気もするんだけど…。

では、ブラウザの「お気に入りフォルダ」はどうだろう。私は、よく使うMacの方は150程度、Windowsマシンは300以上のサイトを登録している。Macの方は、先日整理したばかりなので、数が随分少ない。何しろ、整理は半年ぶりぐらいだったので、リンクが切れてしまっているモノや、関心がなくなったジャンルのモノがごちゃごちゃになっていた。

私の周りでは、働いている人は、だいたい100〜300といったところ。多くの人は“ニュース”“検索”などとフォルダごとにある程度分類していた。主婦の友人は20〜30サイト。オンライン・ショッピングやオークションのサイトをチェックしている人が多かった。

でも、中にはものすごい人もいる。ある大手サイトの社長を務める知人に訊ねたところ、「どうしても数えなくちゃダメ? 数えるのもうんざりするほど入ってるよ」という返事だった。1000はゆうに超えているらしい。

彼の場合、毎日届くメールの数もハンパじゃない。仕事関係に加えて、毎日届くメールマガジンなどを併せれば、ざっと1000通。彼は私のまわりでも、一番多忙な人物で、会社に電話をしてすぐにつかまることはほとんどない。それでも毎日山のように届くメールにも、だいたい目を通しているというし、メールのレスポンスも早い。仕事柄、気になるサイトはどんどん“お気に入り”に入れていくが、整理する暇のないまま増える一方で、当然、もう機能していない。

 メールにしても“お気に入り”にしても、整理の仕方でその人の性格もわかる。私の知る限り、だいたいパソコン周りの整理整頓が苦手な人は、デスクの周りも滅茶苦茶だ。で、そういう人の常なのだが、本人にはどこに何があるのか、だいたい分かる。メールフォルダにしても、どれぐらいスクロールすればいつ頃のメールが出てくるかを、ぴたりと当てて見せてくれた友人もいた。「ほらね」と得意満面で。

私の周りには、こんな風に何だかだらしないパソコンまわりの知人・友人が多かった。私のパソコンだって、人に自慢できるものではない。機械がデジタルだからといって、使う人の性格まではデジタルにならないらしい。
(2003.5.6)
堀田ハルナ

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