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電子メールは「短いほど良い」「要件だけ書けば良い」と言われることがあります。
しかし、メールを受け取るのは「機械」ではなく「人間」です。
誰もが「機械的なメール」を書けば書くほど、逆に、人間味のある元気の良い「あいさつ」は引き立つことでしょう。
人間としての魅力がある人は、講演でもコンサートでも、最初のあいさつ一言で聴衆の心をつかみますが、メールとて同じ事です。
とは言え、形式的な時候のあいさつなどをする必要はないのです。
誰もができる、基本的な、しかし、心のこもったあいさつこそ、「メール道」にふさわしいと考えております。
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メールでのあいさつで困るのは、自分がメールを書いている時間と、相手が読む時間とがずれていること、予期できないことでしょう。自分が、「朝一番」で「おはようございます」と書いても、相手がメールを開けるのは、実は「真夜中」かもしれません。
そこで、「こんにちは」でも「こんばんは」でもない「こん××は」(つまり両用できる)というあいさつが用いられることもあるようです。
しかし、これは知らない人には通じない「隠語」ですし、××と、バツが2つ重なって「不吉」だと感じる人もいらっしゃるかもしれません。
そこで、私は、どんな時間に、どんな相手に出すメールでも「こんにちは」で、通しております。
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さらに私は、メールでは、元気良くあいさつしている気持ちをこめて「!(エクスクラメーション・マーク)」を書きます。
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「こんにちは!くめです!」
と書くわけです。
だからと言って、文字が大きくなるわけでも、声が出るわけでもありませんが、なぜか元気が伝わってくる感じがします。
お会いした時に「元気」だと感じたメール達人から届くメールには、なぜか「!」が使われていることが多いのです。
もちろん、「こんにちは!」と書く時には、
たとえ単語登録(「こ」→「こんにちは!○○です!」)されていたとしても、
元気良く「心の中で復唱」することをお忘れなく。
きっと、伝わるパワーが違うでしょう。
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「こんにちは!」のあいさつの後には、何がくるか…。
私のメールを振り返りますと、それは、ほとんど「お礼」です。
「本日は、お暑い中ご来社ありがとうございました。」
「このたびは、ご用命いただきありがとうございました。」
「いつもおつきあいいただきありがとうございます。」
つまり、
1. 宛名を書きながら、相手の方の顔を思い浮かべ、
2. こんにちは! と、元気良くあいさつを差し上げて、
3. 失礼ないように、自らの名前や所属などを名乗り、
4. いただいたご厚情を思い起こして、再び感謝する
という「相手の心と一つになろう」とする一連の「心の動き」が、「宛名」と「あいさつ」を書くという、わずか数行分、数秒間で起こっているのです。
見かけこそ、ビジネス文例集と変わらぬ冒頭部ではありますが、本当に、相手のことを思っているか、感謝しているかどうかで、きっと「そのメールから伝わるパワーは変わってくる!」と信じます。
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心のこもったあいさつの後は、真っ先に「結論」を書きましょう。
既に、タイトルでも結論を書いていると思いますが、
さらに、冒頭で、結論を書くことによって、いっそう印象が強くなり、伝達ミスを防ぐことができます。
残念ながら、メール以外の日本的な商談や会議、さらにはスピーチの場においては「結論が最後」になるのが普通です。 いや、結論が無い!ということさえも、珍しくはありません。
しかし「一日に、100通以上のメールに目を通しては即返信する」ことが求められる21世紀に、こんなペースでは生産性が低すぎます。
お互いのためにも、まず「結論から書く」ことが重要です。
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その結論も、日本的な、主語・述語・目的語があいまいな文章では、誤解を招くので好ましくありません。
「例の件、前向きに検討しておきます。」
という日本式結論は何かと便利に見えて、相手が困ります。
「検討する」人は誰か?
「検討しておく」という述語の意味は、YESなのか? 条件つきYESなのか? NOなのか?
「例の件」=目的語は一体何なのか? 相手が意図したものか?
「○○の件、正に私が担当ですので、すぐ導入希望です。」
「○○の件、上司と相談しましたが、不採用となりました。」
「○○の件、担当者が検討中ですので、しばらくお時間ください。」
などと、主語、述語・目的語を明確にして、1〜2行で短く記述します。
そして、前後は、1行ずつ開けた方が良いでしょう。
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もし、先方のメールでのお尋ねに、メールでお答えするのであれば、どの件について、どう結論づけるかを明確にするため「引用」を積極的に使いましょう。
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例えば、見積もり依頼のメールが来た場合には、ただ「Tシャツのお見積もりは以下のとおりです」と書くよりも、返信した際に「元の文章」の中から「大切な行」だけ抜き出して
》今度、□□フェア用の販促Tシャツを作ろうとしております。
》お見積もりをお願いいたします。
お問い合わせありがとうございます。
Tシャツのお見積もりは以下のとおりです。
と書いた方が、わかりやすい上に、メールをよく読んだ上での回答だと感じてくださることでしょう。
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さあ、メールは「出だし」勝負です!
元気の良いあいさつと、心をほぐしてから、いきなり結論を切り出して、相手の懐に飛び込みましょう!
次回は、結論の説得力を増す、理由とデータの示し方について
ご案内いたしましょう!
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所属 |
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久米繊維工業株式会社 代表取締役社長 |
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役職 |
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Jentle.co.jp, T−GALAXY.COM プロデューサー |
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経歴 |
1963年 |
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東京都墨田区生まれ |
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1987年 |
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慶應義塾大学 経済学部卒業 |
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1987年 |
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イマジニア株式会社入社
ファミコンゲームソフト「松本亨の株式必勝学」の企画開発・営業 |
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1988年 |
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日興證券株式会社入社
営業開発部でAI資金運用・相続診断システム
「ベストプランナー」の企画開発・研修・推進 |
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1991年 |
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久米繊維工業株式会社入社 代表取締役に就任 |
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1995年 |
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ティーシャツ・ギャラクシー株式会社 設立 代表取締役
(99年にティーギャラクシー・ドット・コム株式会社に社名変更)
異人種交歓メール「縁尋奇妙」配信開始
(97年より日経BP社WEBで連載「久米 信行が集めた経営よもやま話」) |
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1997年 |
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T-GALAXY.COMサイトで日経インターネットアワード受賞 |
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1999年 |
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日経パソコン「焦点」コラム リレー連載開始 |
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2000年 |
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社団法人 ソフト化経済センター客員研究員
社団法人 東京商工会議所 情報サービス分化会 委員 (現IT推進委員会) |
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2001年 |
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ALL ABOUT JAPANサイトで、Tシャツガイド
NPO法人 日本オーガニックコットン協会 理事 |
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2002年 |
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eメールマーケティング支援業 株式会社カレン社外取締役
NTTコムウェアのメルマガ・WEBで「メール道」連載開始 |
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2003年 |
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日経アドバンテージで「CSOを育てる」連載開始
日経PC21で「コミュニケーションの極意を学ぶメール道」連載開始 |
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