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空白行+区切り線で、読みやすい「空間」を作る
段落毎に1行空けると読みやすい

メール道に通じた人からのメールは、新聞や雑誌より、はるかに読みやすいものです。
その秘密の一つは、改段落と空白行です。それは、数行書いたら、1行空けるという書き方です。
この「メール道」自体も、その技法を使っていることにお気づきいただけましたでしょうか?

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最初は、むやみに空白行を入れることに、すこし抵抗があるかもしれません。

たとえば、ワープロで文書をつくる時ならば、同じ文章ながら、紙を余計に使ってしまいそうで、少しもったいない感じがします。

ところが、メールの場合は、空白行といっても、「改行記号」のデータが一つ入るだけなので、データ量はほとんど変わりません。

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もちろん、全文を読むときに、タテにスクロールする手間は増えてしまいます。
しかしながら、前回、改行のところでも見たように、メールを読むのに慣れてくれば、行全体を段落全体を固まりでとらえて速読するようになります。

そんな時、ごちゃごちゃと文字が密集しているメールよりも、改行、改段落がしてある「余白のある」ページを、スクロールや改ページしながら読む方が楽なのです。

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ですから、ワープロで文書を作る時とはアタマを切り替えて、改段落と空白行とを積極的に使いたいものです。

 
「余白のある」ページの効果を、読み比べて体感

それでは、今回も具体的な例を使って、その読みやすさを比較してみましょう。
「意味の切れ目で改行し、左に1文字加えた上で、改段落+空白行」です!

 悪い例 ただベタ書き

初対面の時、誰もが、無意識のうちに、まず見た目や年恰好で、どんな
人かを判断しようとします。どうしても、押し出しの強い人や、年上の
人には、遠慮が働くものです。はやく仕事の話だけして終わりたいと思
うかもしれません。名刺交換をして、偉い肩書きの方とわかった時も同
じでしょう。つまり、ビジネス上の役割を自分で決めてしまい、それ以
外の話をするのは、なかなか難しいのです。ですから、生活の知恵?で、
飲みに行ってリラックスするとか、温泉でゴルフでもしながら打ち解け
るということが必要だったのでしょう。ところが、会社としても、時間
やお金を昔のようにかけられませんし、家族といる時間の方が大切だと
考える人も多いはずです。
 良い例 改行+改段落

 初対面の時、誰もが、無意識のうちに、
 まず見た目や年恰好で、どんな人かを判断しようとします。

 どうしても...
 押し出しの強い人や、年上の人には、遠慮が働くものです。

 はやく仕事の話だけして終わりたいと思うかもしれません。
 名刺交換をして、偉い肩書きの方とわかった時も同じでしょう。

 つまり、ビジネス上の役割を自分で決めてしまい、
 それ以外の話をするのは、なかなか難しいのです。

 ですから、生活の知恵?で、
 飲みに行ってリラックスするとか、
 温泉でゴルフでもしながら打ち解けるということが
 必要だったのでしょう。

 ところが、会社としても、時間やお金を昔のようにかけられませんし、
 家族といる時間の方が大切だと考える人も多いはずです。

前者のようなベタ書きですと、ひと目見ただけで、そのメールを読むのが、イヤになってしまいそうです。

下手をすれば、開けた瞬間に削除されてしまうかもしれません。

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一方、後者のように、改段落と空白行をうまく使うと、すっきりして読みやすいのではないでしょうか?

話のまとまりごとに、記号や罫線を入れてみる

さらに、段落がいくつかまとまって意味が変わるところで、「区切り記号」や「罫線」を入れると、さらに読みやすくなります。

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私が連載している「メール道」や「縁尋奇妙メール」で言うならば、
「@」を3つ並べたような「区切り記号」を使っています。

これは、特にどの記号が良いという決まりはありませんので、
署名同様に、好みに合わせて個性を発揮して良いでしょう。

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ただ「★」「☆」など、文章よりも目立つ「区切り記号」を多用しますと読みにくくなって、本末顛倒になりますし、
「罫線」を使いすぎると、大分類との区別が付きづらくなります。
あっさりした記号や線が良いでしょう。

「区切り記号」の効果を、読み比べて体感

それでは、先ほどと同じ文章を使って、その読みやすさを比較してみましょう。

 改段落+空白のみの場合

 初対面の時、誰もが、無意識のうちに、
 まず見た目や年恰好で、どんな人かを判断しようとします。

 どうしても...
 押し出しの強い人や、年上の人には、遠慮が働くものです。

 はやく仕事の話だけして終わりたいと思うかもしれません。
 名刺交換をして、偉い肩書きの方とわかった時も同じでしょう。

 つまり、ビジネス上の役割を自分で決めてしまい、
 それ以外の話をするのは、なかなか難しいのです。

 ですから、生活の知恵?で、
 飲みに行ってリラックスするとか、
 温泉でゴルフでもしながら打ち解けるということが
 必要だったのでしょう。

 ところが、会社としても、時間やお金を昔のようにかけられませんし、
 家族といる時間の方が大切だと考える人も多いはずです。

 それに区切り記号を入れると

 初対面の時、誰もが、無意識のうちに、
 まず見た目や年恰好で、どんな人かを判断しようとします。

       *       *       *

 どうしても押し出しの強い人や、年上の人には、遠慮が働くものです。
 はやく仕事の話だけして終わりたいと思うかもしれません。
 名刺交換をして、偉い肩書きの方とわかった時も同じでしょう。

       *       *       *

 つまり、ビジネス上の役割を自分で決めてしまい、
 それ以外の話をするのは、なかなか難しいのです。

 ですから、生活の知恵?で、
 飲みに行ってリラックスするとか、
 温泉でゴルフでもしながら打ち解けるということが
 必要だったのでしょう。

       *       *       *

 ところが、会社としても、時間やお金を昔のようにかけられませんし、
 家族といる時間の方が大切だと考える人も多いはずです。

いかがでしょう?
前者の場合ですと、読みやすいものの、文章全体が「ひとつの意味」を持つように読んでしまいがちです。

そのため、速読をした場合には、意味が伝わらないかもしれません。

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一方、後者のように、意味のまとまりごとに「区切り記号」を使うと、
適度な間合いができて、読みやすいのではないでしょうか?

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やはり、「メール道」も、他の「道」同様に、「間」が大切なのです。

久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株) 設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

 
イラスト/小湊好治 Top of the page

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