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冒頭の要点と、番号つきの箇条書きをうまく使おう!
小見出しや論点が多くなったら、番号つきの箇条書き

COMZINEをご愛読のみなさんなら、仕事や趣味に役立つメールマガジンを、おそらく、いくつも愛読されていることと思います。読み比べられるうちに、内容もさることながら、その見た目によって読みやすさが格段に違うことにお気づきの方も多いでしょう。商談の内容を細かく書くような長いメールを書くようになったら、こうしたメールマガジンの技法が役に立ちます。

文章が長くなればなるほど、ただ「空間」をあけたり、小見出しを入れただけでは、それこそ「間伸び」してしまいます。そこで、上手なメールマガジンは、様々な工夫をしています。それは、味気ない「文字の羅列」である長いテキストメールを読みやすくするヒントの宝庫でもあるのです。

長いメールをよりいっそう読みやすくする一つのヒントは、「番号つきの箇条書き」を活用することです。

冒頭に「要点」を数字つきで列挙してみる

私が、毎日、縁者の方々にお送りしているメールマガジン『縁尋奇妙』『経営よもやま話』でも、今年になってから、冒頭に要点をまとめて列挙するようにしました。

例えば、去る11月19日に配信しました、長いメールマガジンの冒頭部分をご覧ください。

 縁尋奇妙より

031119 気になるナノテク各省予算と内閣府通信簿の中身〜黒川さん
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◎要点1 次年度のナノテク予算要求に内閣府総合科学技術会議がランク
◎要点2 通信簿をつけた人、つけられた人の言い分
◎要点3 バブルとリニアモーターカー、商人的長期志向の財政運営
◎要点4 わが家のおこづかいをナノテク発展に役立てる税制改正を提言
◎要点5 先端技術を、わかりやすく例えるプレゼン能力の必要性
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このメールマガジンでは、日経ナノテクノロジー編集長の黒川 卓さんからいただいたメールと、メールマガジン情報の要点をまとめてみました。
また以前に書いた「メールタイトルに結論を書く」「メール冒頭に結論を書く」という「メール道」の応用編でもあります。


ここでのポイントは3つあります。

 
1)キャッチコピーのようなタイトル

まずは、メール受信箱の中で埋もれないために、電車の中吊り広告よろしく、タイトルを工夫しました。「気になる」「中身」という興味を惹く言葉で、「ナノテク」「各章予算」「内閣府」「通信簿」といった重要なキーワードを挟み込みました。

 
2)要点を冒頭に数字つきで書く
 

このメール本文では、5つの小見出しでコメントが構成されています。しかし、メールをスクロールさせないと下の小見出しまで読むことができません。また、よくメールマガジンで使われるように目次と書いてしまうと、一つ一つがバラバラの内容に見えてしまいます。
そこで要点1、要点2と書くことで、一つの内容に大切な点が複数あると伝えることができます。この時、要点は、通常、3つか5つにしています。多くても7つでしょう。これ以上は、どれが要点かわからなくなって逆効果です。

   
3)要点を結論にする場合とキャッチコピーにする場合
 

例題はメールマガジンですので、あえて要件に結論は書かずに、興味を惹くための題名=半ばキャッチコピーにしていますが、通常の用件を伝えるメールであれば、要点は、タイトルとあわせて、結論を短く列挙しましょう。
例えば下記のようにしてはいかがでしょうか?

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   題名 1/3の新年会は日は20:00に○○駅に集合です
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 ◎要点1 1/3の新年会は20:00現地集合です
 ◎要点2 集合場所は、○○駅北口の□□像前です
 ◎要点3 参加者は、男性10名、女性8名です!
 ◎要点4 服装は、セミフォーマル、男性はネクタイ着用です
 ◎要点5 会費は、5000円。3000円前後の「お年玉」をご持参ください
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本文の小見出しも、冒頭と同じ、番号つきの箇条書きにする

冒頭で、要点をまとめて書きましたら、本文中の小見出しにも、同じ番号をつけます。
そうすることで、要点に対して詳しい内容が分かり、一層分かりやすくなるというわけです。

 縁尋奇妙より

  日経ナノテクノロジー編集長で、
   http://nano.nikkeibp.co.jp/
  
  内閣府総合科学技術会議の ナノテク分野専門委員の
   http://www8.cao.go.jp/cstp/
   ↑このページ、地味ですが熟読の価値あり!

  黒川 卓さんから届くニューズレターに、
  興味深い記事があったので返信しましたら、
  懇切なメールをいただきました。
  
  許可をいただいて、メールのやりとりと一緒に
  ご紹介させていただきます。

◎要点1 次年度のナノテク予算要求に内閣府総合科学技術会議がランク
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 発端は…(中略)

◎要点2 通信簿をつけた人、つけられた人の言い分
------------------------------------------------
 黒川さんのご返信メールに(中略)

◎要点3 バブルとリニアモーターカー、商人的長期志向の財政運営
------------------------------------------------
 実は、ナノレターの冒頭にある(後略)

文中にも、必要ならば、番号つきの箇条書きを入れる

また、小見出しの中に含まれる本文であっても、必要とあらば、番号つきの箇条書きを挿入した方がわかりやすい場合があります。同じメールの中で、このように、番号つきの箇条書きが使われています。

 縁尋奇妙より

 発端は?

 日経ナノテクノロジー nanoletter 2003.10.24に
 黒川さんが書いた、こんな興味深い記事を発見したことでした。

 (中略)

 なぜ、ろくに知識の無い私が、この記事に興味を持ったかというと、
 
 1)一応、日本でもナノテク関係に各省が力を入れようとしている
 2)省毎に似た計画が作られ、非効率な重複投資が行われているのでは?
 3)優先順位がつけられないまま予算がつき、ただ執行されているのでは?
 4)しかし、それを、取り仕切る機関が、実は内閣府にあった
 5)そして、その通信簿が公開されるまでになった
 6)その通信簿を日経ナノテクで解説して、今後、傾向と対策も練られよう
 7)しかし、ナノテク情報は、マスコミでも教育現場でも伝わりづらい
 
 という問題意識からです。

番号つきの箇条書きを使ったのは次のような観点からです。

1)短く簡潔に紹介したい
  文中、紹介する必要はあるが、主題ではない話なので、長々と書くよりも、少ない行数で収めたい。
 
2)わかりやすく小分けにしたい
  それぞれの内容に連続性、関連性があるが、つなげて書くと、読みづらく理解しづらいので分割した。

3)番号があると一つずつ最後まで読む
  番号があると、通常の箇条書きのように、読み飛ばすのではなく、一つ一つ読んでくださる可能性が高まる。

なんでも、3、5、7つの要点にまとめる習慣づくり

小見出しを、番号つきの箇条書き=要点にまとめるためには、日頃のトレーニングが大切です。

新聞や雑誌などで誰かが書いた文章、自分がメールで書いた文章などを、箇条書きの要点にまとめる練習をしてみましょう。そうすると、箇条書きにまとめやすい文章とまとめにくい文章に分かれるはずです。総じて、箇条書きにまとめやすい文章の方が、重複や強調が少なく、読みやすい文章になっていると思います。

プロが書いた文章と、自分の文章を箇条書きにして読み比べることで、客観的に自分の文章を見ることができるようになるでしょう。そして、文章を書き出す前に、要点を列挙して、5つや7つに集約してから書くことが良い文章トレーニングになります。
 
回数を重ねるうちに、これまでよりも簡潔に結論から伝えられるようになりますので、ぜひ、習慣にしてみてください。こうした書き方は、メールマガジンなどを書くためのものではなく、普段、さまざまな方とやりとりをする上でも十分に役立つものです。

久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株) 設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

 
イラスト/小湊好治 Top of the page

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