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メール達人たちの題名術に学ぼう

2003年6月号で「これなら読まれるメールタイトルの極意」について、ご案内しました。
しかし、この1年間で、私自身に届くメールも2倍になりました。大半が迷惑メールですが受信数は1日200通を超えています。
かといって、メールに割ける勤務時間は変わりません。ですから、受信箱に埋もれない「読まれる題名術」がますます重要になってきていると言えます。今回は、毎日、大量メールを送受信している達人のメール術をご紹介します。その極意を学びましょう!

ケース1:名前を冒頭に置いて目立たせる!〜山口さん、平野さんの場合
 

受信一覧に、ずらっと並ぶメールの中で、まずは「目立つこと」が、捨てられずに読まれるために重要になります。
そんな時に有効で、私自身も、よく使うのが【】です。
コンサルタントの山口憲和さん(http://plaza.rakuten.co.jp/shigekinin/)と、「私というコンテンツ」(http://www.geocities.jp/moon_voice_project/)の平野さんも、上手に【】を活用されています。


●山口 憲和さんからの一言

最近好んで使っているのは【】です。
例1)【山口】7月15日出席
例2)【同窓会】山口 07/15 出席
といった具合です。
最近のスパムは凝っていて「Re.先日のお問い合わせ」と書いてあったりすると思わずメールを開けてしまいます。スパムに勝つタイトルを考えないといけませんねー。大変だー。



●平野さんからの一言  

私も【】を使っています。このかっこは太さがあって、それでいてふざけた感じではないのでちょうどいいと思います。使うときは下記のようにしています。
【議事録】***ミーティング(7/2(金)開催分)
【返答要】***の件
【アドバイス願います】***の件
【緊急】、【至急】などなど。
下記のようなものもけっこう効果があります。
【Reminder】re:****の件
返事の催促ですね。
その他、
【Akeyより】というのもあります。
これは私をよく知っている人にしか使いませんが、大体の場合、返事がもらえます。
これもその類です。
【助けて?!!】
これは、しゃれの通じる職場仲間にしか出しませんが。^^;)

 
 
ケース2:タイトルだけですべてを言いつくす?山田さん、山内さん
 

受信一覧で「目立った」あとは、メールの題名を見ただけで、内容がわかる気遣いも重要です。 極論すれば、社内向けの連絡メールの場合には、題名だけで言いつくせることも少なくありません。
コンサルタントの山田雅彦さん(http://plaza.rakuten.co.jp/myama/)、eメールマーケティング支援「カレン」(http://www.current.co.jp)の山内善行さんの活用法を見てみましょう。


●山田雅彦さんからの一言

待ち合わせのときは、
「○○の件、1/15(木) 13:00 久米繊維工業さん集合」
というように、タイトルに日時と場所を入れます。
誰も、良いとも悪いとも言ってくれませんが、少なくとも送信している私には便利です。



●山内善行さんからの一言

僕の場合も、何か特別な意図を入れるときには【】や、★■等の文字挿入をします。
・【】に「急」「重要」という文字やプロジェクトコードを入れる
・「★」を文頭に置いて、メールに勢いをつける

多用すると「こいつは、うるさいメールばっかり送ってくるなあ」と狼少年のようになってしまいますから、あまり頻繁に使うことはありませんが。
それから、社内宛もしくはごく親しい友人間でのメール、特に、リマインダーメールの場合は、タイトルに要件を書いてしまうこともあります。
忘れないで:○○の提出お願い
○○システムのメンテ:5日→6日に変更
明日は定例MTGの日
ただし、その場合、本文に何も書かないと「書き忘れでは?他に何か連絡があったのではないですか?」と心配され、わざわざ返信されてしまいます。そのため「です。」だけの本文とか、「宜しくね。」だけの本文にしたりします。要件を書いたポストイットを、当人の机まで行って「頼むね」と言いながら手渡ししている感じでしょうか。

ケース3:内容を伝えつつ、失礼のない文章にする?ゆはらさん、片瀬さん
 

社内メールでは、内容を短く伝えるために、「○○の件要返信」といった体言止めの題名でも良いでしょうが、社外のお客様や、目上の方にお出しする時には、角が立つかもしれません。
そこで、コラムニストのゆはらきみこさん(http://plaza.rakuten.co.jp/2323k55/)、未来工学研究所(http://www.iftech.or.jp/)の片瀬和子さんは独自の工夫をされています。

 


●ゆはらきみこさんからの一言

相手の方が受信内容を整理しやすいように心がけています。
返信の際には、そのメールのポイントである内容、
たとえば「待ち合わせ時間」「イエスかノーか」などを題名に直接入れます。
こちらから出す題名は、普段の雑談程度なり季語が多いですね。
「梅開く」とか「立春の風、柔らかく」とかを入れています。



●片瀬和子さんからの一言  

お世話になっている方や年上の方、初めてメールをお送りする方、調査協力者の方々に対しては、いわゆる「体言止め」のタイトルのメールをお送りするのが失礼に当たるような気がして、文章形式の長たらしいタイトルになってしまいます。
例えば、
「○月○日○時にお打合せに伺いたいと存じますが、いかがでしょうか」
といった具合です。
最小限の言葉でメールの中身がわかり、なおかつ礼を失しないタイトルがベストだと思います。
私がいただくメールで、タイトルの付け方が素晴らしいと感嘆するのは、次のようなものです。
片瀬さん:○○について◇◇します?△△より
ですます調のやさしい言葉でコンパクトに用件を示して、その前後に私の名前と、発信者であるご自身のお名前が記載されています。
温かで細やかなお人柄がにじみ出ている素晴らしい工夫です。

ケース4:テーマ毎に同じ図形・言葉を置いて検索性UP?堀さん、松山さん

仕事のやりとりをメールで進行するようになりますと、後で、並べ替えや検索がしやすいことも重要になります。
「発信者名で並べ替えて、その後で題名から目的のメールを探す」 「題名で並べ替えて、プロジェクトのメンバーを探す」
こうした使い方に耐えられる題名術が必要になるでしょう。
桜美林大学の堀 潔先生(http://bijenkorf.cocolog-nifty.com/spelen/)と、Webook of the day(http://webook.tv)の松山しんのすけさんの気配りにヒントがありますでしょう!

●堀 潔さんからの一言

私も、重要なプロジェクト関連のメールには先頭に【○○○】とつけるようにしています。
たとえば
学会年報関連であれば【年報】、学生のインターンシップ研修関連であれば【インターンシップ】......といった具合です。
これだと、読み手にとってメールの中身がある程度理解できる、という利点があり、また私自身にとっても、メーラーの検索機能を使って簡単に過去のメールが検索できる、という利点があります。
これをつけるのとつけないのとでは、メールの返信スピードが相当違うように思うのですが、気のせいでしょうか?



●松山さんからの一言

 
いつも「ご連絡」と書いてくる方もいらして、検索すると「あれ、どれだっけ?」みたいなことがよくあります。企業のメルマガにもそういうものがあったりします。
「xx保険からのお知らせ 第24号」のように主張のないもの。いくつか改善提案をさしあげて、変更していただきました。社内でも各種案内のタイトルをいくつかの部署に変えていただいたりして、タイトル・オセッカイズをやっています。
さて、僕のタイトルの工夫です。

1)●や■をつけて注意を引く
同じプロジェクトなら、同じマークで通します。たとえば
■xx改革委員会の会議案内(@1.22)など。
後でソートしたときも見やすいです。

2)日付、場所、期限などの重要要素はタイトルに入れる
たとえば
★茶話会のご案内(07.11日 1800- @銀座)出欠要返事
といった感じです。
タイトルだけで80%くらいの内容が伝えられます。また、返事は「タイトルに自分の名前を書いてください」とお願いすると、出欠が返信タイトルだけで確認できます。
★re: 茶話会のご案内(07.11日) 松山出席です!楽しみぃ
こんな具合です。Webookのプレゼント募集のときもこれやってます。

3)re: の返信も中身が変わったらタイトルを変えてしまう
re: 先日のお礼
というタイトルで何回かメールのやりとりをしていると途中から別の話題になることがあります。
先日のお礼が、途中から新しい本の企画になったり…。
そのときは、タイトルも変えてしまうといいですね。

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こんな風に、タイトルに一工夫するだけで、相手の方にも自身の情報整理にも、非常に役立つ、ということですね!

 
久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株)設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

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http://www.nttpub.co.jp/vbook/
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イラスト/小湊好治 Top of the page

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