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新人向け基本編1:社会人としてまず気をつけたい3つの基本

4月に晴れて新入社員となった人のため、そして、新入社員の指南役をまかされた人のために、ビジネスメールの基本中の基本を改めておさらいしてみましょう。
次の3点を守るだけでも、メールを受け取る人にとても親切で、好印象を与えるはずです。きっと「新人なのに、デキるビジネスパーソン」と思っていただけることでしょう。

基本1:メールの題名だけで結論が伝わるようにしましょう
 

メールの題名で一番困るのは、あいまいで内容がわからないものです。迷惑メールの山をかき分けながら、メールを大量処理しなければならないビジネスパーソンには、題名不明瞭なメールは、不親切極まりないものです。

よくある悪い題名の例として、下記のようなものが挙げられます。

 「こんにちは!」(あいさつ系)
 「久米です」(自己紹介系)
 「お願い」(なれなれしい系)

これらの題名はよく目に付きますが、不快な気分にさせられます。

多くの場合、こうした不親切な題名でメールを出す人は、毎回、同じ題名でメールを出すこともしばしばあります。そこで、後から発信者名でメールを並び替えると「お願い」「お願い」「お願い」「お願い」と並んでしまって、目的のメールを探し出すことができません。

ですから、メールの題名だけで結論が伝わるように、できるだけ具体的に書きましょう。

例えば、取引先も交えた会議の後に出すメールならば、「お礼」や「会議の報告」というあいまいな題名ではいけません。

例えば、

 【4/20商品企画会議】ご出席お礼、議事録ご送付いたします

と具体的に書けば、一目で重要なメールだとわかるでしょう。そして、メールを開く前から、その内容をすばやく把握できるでしょう。

 
基本2:スクロール不要の20行前後でメールを書き上げましょう
 

メールは、長過ぎればくどく感じられ、主旨も伝わりにくくなります。かといって、短すぎれば素っけなくて失礼に見えてしまいます。

ですから、長からず短からずの適度の長さで書くことが大切です。メールソフトをスクロールしないで済む、20行程度が適当だといえましょう。

具体的に20行の内容を分解して検討してみると、以下のようになります。

題名 【4/20商品企画会議】ご出席お礼、議事録ご送付いたします

===================================================

1:〇〇株式会社
2:営業部長 〇〇〇〇様  ←宛名
3:
4:こんにちは。××株式会社の○○です。---あいさつ
5:初夏の日差しが爽やかですね。
6:
7:先日の商品企画会議にご参加いただきありがとうございました。---結論
8:議事録をまとめましたので、メールに添付いたします。
9:以下の要点と合せて、どうぞご確認くださいませ。
10:
11: 1) 商品ターゲット >>> エルダー富裕層とする ---要約
12: 2) 商品価格    >>> 9,800円(税別)
13: 3) 販売チャネル  >>> 貴社限定販売
14: 4) 販売時期    >>> 2005年7月21日
15: 5) プロモーション >>> 1ヶ月前から雑誌出稿
16:
17:ご不明な点がございましたら、当メールにご返信ください。---確認
18:
19:次回の会議は、来月上旬を予定しております。   ---連絡事項
20:引き続きご高導のほどよろしくお願いいたします。 ---結びのあいさつ

(以下 署名)

==================================================
 

まずは、ていねいな宛名書きと、簡潔なごあいさつの後で、真っ先に結論を書くことが重要です。結論に続いて、要点または理由を箇条書きにするのも、短く、なおかつわかりやすく伝えるポイントでしょう。
また、意味の切れ目ごとに、改行や、文字下げを積極的に使うと読みやすいでしょう。

ただ、内容が濃く、どうしても長いメールになることがあります。その場合はタイトルに「【4/20商品企画会議】商品開発のフローについて ※長文です。」といった注意書きを入れるのも手です。

基本3:添付ファイルは、必要不可欠な場合だけにしましょう
 

ブロードバンド環境が整ったために、大容量のファイルでも、わずか数秒で送受信できるようになりました。かといって、何でも添付ファイルで送れば良いというわけではありません。

例えば、文書ファイルは、わざわざワープロ文書にしなくとも良いのです。要件を伝えるだけならテキストファイルで事足りる場合が少なくありません。デザインされたチラシやビジネス文書を、相手が印刷して利用する場合以外は、テキストファイルを、メール本文の文末にコピーペーストした方が親切でしょう。それなら、相手がわざわざワープロやウイルス対策ソフトを起動、操作する必要もありません。

また画像ファイルにしても、むやみな添付はさけましょう。画像の確認ができれば良いのであれば、その画像が表示されているWebサイトなどにリンクする方法などで十分です。印刷原稿として高解像度画像を送る場合以外は、添付をしないで済む方法も考えましょう。どうしても直接送りたい場合には、小さめにリサイズしてウイルスチェックを行ってからお送りしましょう。

私自身も、プレゼン用のパワーポイントファイル、PDFによる校正原稿の戻し、デザイン原稿など、特別な用途以外は、滅多にファイル添付をすることがありません。できれば、相手に数多くのソフトを起動させずに、メールソフトだけで情報を伝えたいものです。むやみにファイルを添付しないスマートさも、メール達人への道でしょう。

 
久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株)設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

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イラスト/小湊好治 Top of the page

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