メールの宛先を、TO:だけではなく、CC:(カーボンコピー同報)、BCC:(ブラインドカーボンコピー同報)と使い分けることも、ビジネスメールにおける大切なマナーです。
それでは、CC:を使うべき代表的なケースを考えてみましょう。
まずは、社内会議や社外訪問の時に、同席同行するメンバーに一斉連絡するケースが考えられます。もしその会議や訪問の取り仕切りをするのがあなたの仕事なら、日時や場所に加えて、当日のテーマや参考リンクなどもわかりやすくまとめて、参加者全員にCC:メールをいたしましょう。もし当日の進め方などで、事前協議が必要な場合は、別途、社内のスタッフや関係者に、CC:で尋ねるのが良いでしょう。必要であれば、メールのみならず、上司に直接相談をして万全の状態で当日に臨みましょう。
また新人では対応に悩む、お客様からのリクエストやクレームのメールの返信も、上司にCC:しましょう。面倒なメールだからといって、音沙汰なしや気の無い返信は論外ですが、自分で勝手に判断をしてメールを送っても、逆に会社に迷惑がかかります。そこで、上司のアドレスをCC:に加えて、メール冒頭にお礼やお詫びを書いた上で「上司と相談して、すぐにご連絡いたします」と第一報を書きましょう。そうすれば、上司にもきちんと「ホウレンソウ」されていることを、先方は知ることができます。さらに上司からのフォローメールや電話が先方宛てに迅速に届けば、その内容はともあれ、みなさんの素早い情報連携を評価してくださるでしょう。
ほかに、CC:を使うと効果的なのは、先方から届いたメールの中に、よく知っている同僚や知人への褒め言葉が登場した場合の返信メールです。例えば、新商品を褒められた時には商品開発担当者を、広告が褒められたときには広告担当者を、CC:に加えて、お礼の返信を書くのです。「嬉しいお褒めのお言葉、弊社の担当者にもぜひ伝えさせてください。」と書いて、CC:をすれば、先方も自分の声が伝わることに誇りと喜びを感じてくださるはずです。
一方、BCC:を使うケースは、ごく限られます。
例えば、お世話になっている不特定多数のお得意先に一斉同報する時には、TO:に自分のアドレスを、BCC:に複数のアドレスを指定します。もし、こうした場合にCC:にアドレスを列挙すると、全員に同報先のアドレスが知られてしまいます。これは個人情報の保護という観点から決して行ってはなりません。さらに同業他社が同報先に多数含まれる場合には「あのライバルとも付き合っていたのか」と心証を害することもあります。そんな面倒なトラブルを起さないためにも「一斉同報をする時はBCC」と心に刻んでおいてください。
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■まとめ
今回ご紹介した3つの使い分けに共通する理念は「上司やお得意先の気持ちになってコミュニケーションを取る」ということにつきます。どんな新入社員なら「使える」「頼れる」それでいて「かわいい」と思うかを、いつも考えるようにいたしましょう。「嫌なこと」「面倒なこと」ほど隠したり、メールで済ましてしまうようでは、業務が滞り、結果的に周囲に迷惑をかけることになります。ぜひ上司やお得意先が望むタイミングに望む伝達手段で、積極的なホウレンソウを行えるビジネスパーソンになってください。 |