一覧に戻る
COMZINE BACK NUMBER
HTMLメールの功罪「うっかり送る!うっかり開く!」にご注意を

最近は回線環境が良くなっていることもあり、企業から届くメールマガジンなどではHTMLメールが増えています。こうしたHTMLメールは、新聞の折込チラシのように商品写真と飾り文字が並び、買い物のためのリンクや入力フォームが埋め込まれていたりと直感的で分かりやすいのが、何よりのメリットです。以前ならば「容量が大きくて失礼」とされていたHTMLメールも、最近では、企業PR用のメールマガジンでは市民権を得たかに見えます。
ですが、日常的なビジネスメールでは、HTMLメールを使う方はあまりいないでしょう。ところが、実はHTMLメールを、うっかり送って、うっかり開いて、無意識のうちに迷惑をかけている場合も少なくないのです。
そこで、HTMLメールをめぐる、3つのありがちな失敗例をご紹介しながら、その傾向と対策を考えてみましょう。

失敗例1:知らず知らずのうちにHTMLメールを送っていた
 

一見するとモノクロの地味なメールなのに、書体が変わっていたり、大きな文字になっていて、良く見ると、意味もなくHTMLメールである、ということがよくあります。
HTMLメール形式で送信するメールソフトの初期設定のままで使っている。あるいは設定を間違えてHTMLメール形式に変えてしまったというのが失敗の原因でしょう。

【相手に与えた印象】
「ああ、まだメール初心者なんだな。ビジネスパーソン失格だな。教えてあげようかな。面倒だからまあいいか。」

【対策】
今すぐ、メールソフトのオプションメニューで、送信メール設定を、HTML形式からテキスト形式に変更しましょう。これで次回から、テキストメールが送られるはずです!!

失敗例2:相手にわかりやすくと思ってHTMLメールを送ったら意味不明に
 

メール本文の中で強調したい部分や訂正したい部分を伝えるために書体を変えたり文字を赤くして送信したり、また図や写真があればわかりやすいと思って貼り付けたりしてメールを送っていませんか? しかし、相手方のメールソフトがテキスト形式しか受け取らない設定だったため、「写真のように…」と言われても意味不明のメールになってしまっていたという失敗を、実は知らないうちにしているかもしれません。

小武人 太郎様

 こんにちは!久米繊維/KUME.JPの久米 信行です!!
 いつもお世話になっております。

 小武部長にぜひともお勧めしたい商品は、
 新日本フィル・レオノーレTシャツ です。

写真の通り...
 指揮者アルミンク氏のシルエットと、
 クラッシックで上品なレタリングが、
 Tシャツに優雅な味わいを添えています。

 数量限定ですが、 特別なお客様だけ、事前予約のご案内を差し上げました。
 関心のあるようでしたら、以下きご入力いただき メールをご返信ください。

 赤い文字の項目が入力必須項目です。どうぞよろしくお願いいたします。


住所
電話       (   )        FAX      (   )
E-MAIL                  @
氏名
年齢                     職業         勤務先

                画像付きで送ったつもりが、こんな風に…

小武人 太郎様

 こんにちは!久米繊維/KUME.JPの久米 信行です!!
 いつもお世話になっております。

 小武部長にぜひともお勧めしたい商品は、
 新日本フィル・レオノーレTシャツです。

 

写真の通り...
 指揮者アルミンク氏のシルエットと、
 クラッシックで上品なレタリングが、
 Tシャツに優雅な味わいを添えています。

 数量限定ですが、 特別なお客様だけ、事前予約のご案内を差し上げました。
 関心のあるようでしたら、以下きご入力いただき メールをご返信ください。

 赤い文字の項目が入力必須項目です。どうぞよろしくお願いいたします。

住所
電話       (   )        FAX      (   )
E-MAIL                  @
氏名
年齢                     職業         勤務先


【相手に与える印象】
写真はどこだろう? 入力必須項目は一体どれなんだ? 意味が分からないなぁ?

【対策】
相手も自分と同じ環境で、HTMLメールを開くとは限りません。基本的にテキストで送ることを前提に文章で説明するようにしましょう。
また、やはりメールソフトの送信メール設定を、HTML形式からテキスト形式に変更しましょう。写真や図などを見せたかったら、適度な大きさのファイルを添付するか、画像が紹介されているWEBページへとリンクするようにします。ただしウイルスのことなどを考えると、リンクの方がスマートでしょう。
また、文字を強調したり、区別したい時には、文字に色をつけるかわりに【】などで囲むか「※」などを添えれば良いでしょう。
たとえば、上記のHTMLメールをテキストメールで書くならばこうなります!

小武人 太郎様

 こんにちは!久米繊維/KUME.JPの久米 信行です!!
 いつもお世話になっております。

 小武部長にぜひともお勧めしたい商品は、
 【新日本フィル・レオノーレTシャツ】です。

 「指揮者アルミンク氏のシルエット」と、
 「クラッシックで上品なレタリング」が、
 Tシャツに優雅な味わいを添えています。

 数量限定ですが、 特別なお客様だけ、事前予約のご案内を差し上げました。
 デザインや仕様は、以下のページで密かに紹介していますのでご覧下さい。
 http://www.tshirts.....

  関心のあるようでしたら、以下きご入力いただき メールをご返信ください。 
 【*印の項目が入力必須項目です。】
 
  どうぞよろしくお願いいたします。

---------------------------------------------------------

住所
電話       (   )        FAX      (   )
E-MAIL                  @
氏名
年齢                     職業         勤務先

---------------------------------------------------------
失敗例3:うっかりHTMLメールを開いたらウイルスやスパムの餌食に…
 

HTMLメールを受け取ることはよくあると思いますが、それをうっかり開いてウイルスに感染してしまい、大変な目に遭った、さらにあるHTML形式のスパムメールを開いてしまって以来、似たようなスパムが山ほど届くようになったという経験はありませんか?
メールソフトでどんなHTMLメールも受け取る設定にしているとか、ウイルスやスパムに強いメールソフト、ワクチンソフトを使っていないなどという場合には注意が必要です。

【周囲に与える印象】
またウイルスに感染するなんてうかつだなあ。進歩が無いなあ。
あやしげなスパムメールばかり届いて管理ができていないな。

【対策】
ウイルスやスパムに強いメールソフトやプロバイダを選びましょう。ちなみに、私は、@niftyのウイルス・スパム対策サービスを使いつつ、「サンダーバード」という無料メールソフトとウイルスバスターを利用してメール受信をしています。
もちろんウイルス対策ソフトを使っていても、定義ファイルを常に最新版に更新することをお忘れなく。HTMLメールは、テキストに変換してから開く設定にする方法もありますが、それでは、読みたいHTMLメールを見るときに不便です。
そこで、メールソフトの機能を使って、画像やプログラムを一度ブロックしてから、安心できるHTMLメールだけ選択表示させています。

一度画像をブロックさせてから

読みたいHTMLメールだけ画像表示

────────────────────────────────────────
■まとめ
HTMLをビジネスシーンで使う方はあまりいないと思いますが、知らず知らずに使っていることや、ソフトやプロバイダーのサービスを利用して上手につき合えば、メールライフの幅も広がりますね。

 
久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株)設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

●『メール道』が本になりました!!  
   
NTT出版より1680円で好評発売中
お求めは全国の書店かNTT出版へ
詳細はNTT出版ホームページ 
http://www.nttpub.co.jp/vbook/
list/detail/0129.html
 
 
イラスト/小湊好治 Top of the page

月刊誌スタイルで楽しめる『COMZINE』は、暮らしを支える身近なITや、人生を豊かにするヒントが詰まっています。

Copyright © NTT COMWARE CORPORATION 2003-2015

[サイトご利用条件]  [NTTコムウェアのサイトへ]