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メールに溺れない! 大切なメールを無くさない受信箱スッキリ整理術

1日のメール受信が100通時代を迎えて、気がつけば受信箱にはメールがあふれかえり、不覚にも大切なメールを見落としたり、後で返信しようとしたのに見つからずに苦労したりということはありませんか?
そこで、今回は、受信箱をスッキリ整理して、メール受発信のトラブルを無くす方法を考えてみましょう。

 
 

何年か前に、『「超」整理法』という本がベストセラーになりました。「超」整理法とは、簡単に言うなら「文書をあえて分類せずに時系列に並べて、先入れ先出し法で、一定期間だけ保管する」という方法です。

現在、私もメール管理においては「超」整理法を実践しています。以前はメールソフトの自動振り分け機能を使いながら、用途別、テーマ別、差出人別などで分類していました。しかし、メールの内容も、お付き合いする人も、あまりに多種多様になったので、分類するルールを考えたり、分類したフォルダをいちいち読みにいったりすることが難しくなってしまったのです。
メールを「超」整理する際に、受信箱に何ヶ月前のメールまで残すのが適当かは、悩ましいところです。長期間残せば、遡って検索できるので便利ですが、メールソフトの起動や操作が重くなります。かといって、あまりに短期では、例えば長期に及ぶプロジェクトが動いている時に遡れなくなります。
私もいろいろ試してみましたが、今では3ヶ月分だけ受信箱に残すことにしました。「あの時のメールは」と探すときも、3ヶ月分あれば、大抵は見つかります。もちろん、一日あたりのメール数が少ない人や、1プロジェクトの期間が長い方は、もう少し長めに保管しても良いでしょう。

具体的な手順としては、

 1 毎月「超」整理の日(例えば月末や月初)を決める
 2 あらかじめ「受信箱2005」という年次保管用フォルダを作っておく
 3 受信箱の中にある3ヶ月以前のメールを、すべて選択する
 4 受信箱2005フォルダにコピーする
 5 2005年度末には「受信箱2004」フォルダを削除するかCD等にコピー

という操作を月に1回行えば良いでしょう。
この方法ならば、いざ、半年前の重要なメールを参照したい時にも、受信箱に見つからなければ「受信箱2005」を探せば見つけられるでしょう。

基本2:迷惑メールフィルター、メルマガ整理で受信箱をスッキリさせよう
 

一方で受信メールの整理をいくら上手に行っても、ちょっと気を抜くとゴミメールだらけになるのが、当世メール事情です。掃除も大切ですが、同時にゴミを家の中に入れない知恵が大切になるでしょう。

まずは、プロバイダーが提供している迷惑メールフィルタを試してみましょう。これまでは、繰り返し迷惑メールを送ってくるメールアドレスやその題名を登録して、それを排除するものが主流でしたが、それではアドレスと題名を少しずつ変える悪質なものには対抗できませんでした。
しかし、最近は迷惑メールらしきものを学習する機能や、アドレス帳に登録されたメールしか受け付けないという機能も登場しました。これらを使いこなせば、あまり手間をかけずに、昨今はメールの7割を占めるという迷惑メールを目にすることなく別のフォルダに捨ててしまうことができるでしょう。

さらに、メールソフトにも迷惑メールフィルタがついているものが増えてきました。プロバイダーのフィルタをかいくぐって届く迷惑メールについては、メールソフトの迷惑メールボタンを押して削除していけば良いでしょう。

私の受信箱は、プロバイダー=@niftyとメールソフト=Thunderbirdの二重の迷惑メールフィルタのおかげで、1日400通届くうち300通を占める迷惑メールが除かれた状態で安心して開くことができるようになりました。
それから、無料メールマガジンや、ショップのお知らせメールも、ついつい安易に登録しては迷惑メール化することが多いものです。もし、読み飛ばしている自分に気づいたら、その場で解約するようにしましょう。これらのメールは読もうと思えばまた読めますし、再登録もできるのです。

基本3:重要メールにはラベルをつけよう!分類をしょう!
 

さて、受信箱には、直近3ヶ月分だけの、しかも迷惑メールが取り除かれた純粋なメールだけが残りました。これで、大切なメールを読みそびれることはなくなって一安心。しかしまだ問題が残っています。
ちょっと前に読んだあのメールを、もう一度読み返したい、返信したいという時に、探せそうで探せない場合があるからです。例えば、差出人名で検索しようとしても、相手が英名やニックネームで送ってきていたら見つけられません。同様に、メールアドレスで検索しようとした時に、自宅用アドレスやフリーアドレスで送られていたら探せません。また、メールの件名にキーワードが含まれていない場合も意外に多いのです。
そこで、役立つのが、重要なメールにはラベルをつけるというメールソフトの機能です。読んだときに、後で読み返しそう、返信が必要になりそうというメールには、すかさずその場でラベルをつけると良いでしょう。



メールそれぞれにラベルがつけられる

 

例えば、私が使っているメールソフトでは、ただ重要ラベルをつけるだけではなく、仕事、私用、todo、後で...と分類してラベルをつけることができます。例えば、後で、仕事ラベルがついたメールだけを並べて参照することができるわけです。もちろん、仕事フォルダ、私用フォルダなどを作って分けることもできますが、ひとつの受信箱で「超」整理法を実践しながら、その中で必要に応じてラベルで分類する方が、結果として効率的だと思います。

こうして、1)受信箱は1つのまま、月に1度「超」整理をして、2)迷惑メールフィルタを使って水際で不要なメールを削除しながら、3)重要なメールにはその場でラベルをつけて分類することで、メール効率はまた一層高まることでしょう。


 
久米信行(くめ・のぶゆき)プロフィール

1963年

東京都墨田区生まれ

1987年

慶應義塾大学 経済学部卒業

1987年

イマジニア株式会社入社 ファミコンゲーム開発

1988年

日興證券(株)入社 資産運用・相続診断システム開発

1991年

久米繊維工業(株)代表取締役に就任

1995年

ティーシャツ・ギャラクシー(株)設立 代表取締役
(現ティーギャラクシー・ドット・コム(株))

 

このほか、(社)ソフト化経済センター客員研究員、(社)東京商工会議所 IT推進委員会委員、(株)カレン 社外取締役などを務める。

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イラスト/小湊好治 Top of the page

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