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私のネットライフ  ネットワーカーに本音で聞きたい10の質問 第8回 ジャーナリスト 小池 良次 ジャンクメールも有効利用します
 
こいけ・りょうじ。京都外国語大学卒業後、ブラジルのサンパウロ新聞社に入社。 その後、帰国し、民間調査会社でリサーチャーとして技術動向調査、技術出版、科学技術セミナーなどを企画運営する。1988年渡米。 90年、欧米の最新科学技術を紹介する科学技術専門ニュース番組のエグゼクティブ・プロデューサー/ディレクターを務める。 93年に情報通信分野を専門とするフリーランス・ジャーナリストとして活動を開始。現在、ネット時評Digital Byline(日本経済新聞社)、電脳ワッチ(日経産業新聞)などの連載を持つ。

Q1
まずは、お仕事についてご紹介いただけますか?

米国の情報通信業界(得意は通信業界)を専門とするジャーナリスト兼リサーチャーです。執筆、調査レポート、講演が仕事の3本柱で、執筆は日経産業新聞などに連載を持っています。ニュースを追いかけるのではなく、業界や技術動向を分析するトレンドものを得意としています。

Q2
インターネットとの出会いについて教えて下さい。

1993年だったと覚えていますが、ニューヨーク・タイムスのテクノロジー覧1面トップに「ブラウザー(スパイグラス)が時代を変える」という記事が出て、興味深く読みました。当時は、情報収集にデータベース・サービスを使っていましたが、それとどう違うのか分からずに、調べ始めたのがインターネットを知るきっかけでした。

小池良次さんのサイト
小池良次のアメリカ情報通信
Q3
1日に何通くらいメールをやりとりしますか? その所要時間、整理法などありますか?

受信は、普段250通くらいでしょうか。ただ、春先とか秋口などニュースの多いときはプレスリリースが増えて500通くらい来ます。
複数のメールアカウントを持っていて、フィルターを掛けないアドレスには、ジャンクメールが1日150通以上入ってきます。フィルターを掛けたメイン・アカウントには100通くらいです。
メインのアカウントに来るメールの処理については、全部で1〜2時間くらいかかっていると思います。ジャンクメールは、週2〜3回タイトルだけ流し読みしてゴミ箱に捨てます。
実は、ジャンクメールもタイトルだけ読んでいると、結構面白いので、一種の気晴らしに使っています。
発信は、せいぜい1日20〜30通くらい。友人とのやり取り、日本の出版社やクライアントとの連絡です。
米国に在住している関係からメールの9割以上が英語なので、フィルターにかけ、自動選別してフォルダーに整理しています。英語のニュース、プレスリリースなどはまとめて見ます。ただ、ニュースはアルバイトの方に頼んでいるクリッピングが、年間で1万5000件から1万9000件ほど入ってくるので、よほどのことがないとメールニュースの本文までは読みません。タイトルだけを流し読みして、全体の流れを把握するように心がけています。もちろん、プライベートな話や読者からのメールは、丁寧に読みます。出版先との打ち合わせなどにも、結構な時間を使っています。

ある日のタイムスケジュール
09:00 起床・洗面・シャワー・朝食
09:30 執筆
13:00 近くの中華店で昼食
その後、次の原稿の情報収集やメール処理
16:30 息子たちを迎えに車で学校へ
17:00 下の息子のクリスマス演芸会を参観
18:30 近くのレストランへ。家族全員で夕食
19:30 帰宅。お茶を飲んでくつろぐ
20:00 カリフォルニア州教育委員会と小学校父母会の教育問題懇談会に出席
22:30 帰宅、シャワー。執筆再開
25:30 軽い寝酒の後、就寝


Q4
米国を拠点に情報を発信、展開されていらっしゃる理由と目的を教えていただけますか?

たまたま駐在としてやってきて、そのままフリーランスとして「ここで活動している」だけで、特に米国から情報発信をすると言う意図はありませんでした。また、若いときは、広い分野の技術リサーチをやっていましたが、ジャーナリストになるときマルチメディア・ブームだったので、まずはその分野を追いかけていました。そうするうち、通信分野は日本側の需要が高いのに、専門的な情報を出す人がいないことがわかり、通信分野を主軸に追いかけるようになりました。

Q5
お仕事やプライベートでどのようにネットを活用されていますか?

展示会や国際会議にも出席して面談取材もしますが、米国は広いのでリモート取材を多用します。僕は分析記事が中心なので、特にメールによる取材は多用しています。質問をすると、正確な答えがちゃんと返ってきます。ネットがなければ、米国全体を一人ではカバーできません。また、ウェブのおかげで専門情報に簡単にアクセスできるようになって、調査の時間は格段に短くなりました。
プライベートでは、そんなにネットを使っていません。携帯メールで家族とやり取りすることはありますね。米国人は携帯メールが苦手で、家族しかメール相手がいないのは困りものです。

舞踏ロボット
(息抜きに行ったロボット展で)


Q6
米国のメディア・通信事情を教えてください。日本との違いはありますか?

メディアが発信する情報は、日本も米国も大局的に違いがありません。ただ、個人の情報発信力は、米国のほうが優れています。小さいときから意見をまとめ、人前で発言する訓練を受けているからでしょう。メディアへの批判や個人サイト(ホームページやブログ)の充実ぶりは目を見張ります。発言内容も、米東海岸は正論というより「詭弁でも議論に勝つこと」が目立ちますが、西海岸は正論より「個性やユニークさを重視する」傾向があって、楽しいですね。

Q7
オフィス、ご自宅、モバイルのPC環境を教えて下さい。また、データのバックアップはどうされていますか。

僕のところはSOHOです。いつも、机の上にはPCが3台(Panasonic Let's Note、IBM ThinkPad、あと1台はユーザーサイドのオリジナル・タワー)とテレビが並んでいます。3つぐらい画面がないと資料を見ながら執筆ができないためです。テレビはニュース・チャンネルを常につけています。ほかに家族のPCが3台。接続環境はケーブル・モデム(バックアップはISDN)+ルータ+イーサ(100Mbps)ハブ+無線LAN(802.11b/g)。ファイル・サーバー2台、多機能プリンターとなっています。
バックアップは、ファイル・サーバーと個人PCで2重化、古いデータはCD-ROMに焼きます。

仕事机の様子
Q8
作業を快適にする工夫や、テクノストレスをためない健康法をお教え下さい。

できるだけ運動(テニスやジムでトレーニング)をします。そうしないと腰痛を起こすので。目を使いすぎて肩が凝ると中国人の指圧屋さんに行きます。息抜きにはお手軽なゲーム(PC麻雀など)をやります。それからサンフランシスコはナパ・ワインが安く入るので、ワインを楽しんでます。

お休み中のカモメ
(保養地サンタクルーズで撮った)
Q9
愛用、愛読されているWebサイト、メルマガ、ブログを紹介して下さい。

コラムを書くときに利用するサイトという視点で、科学系のネタに出会える情報源系、関連調査や文献入手等に利用する調査系からいくつかご紹介します。

The Wall Street Journal On Line        
SF GateのSan Francisco Chronicle        

一番読んでいるのは、ウォールストリートジャーナル・オンラインですが、サンフランシスコ・クロニクル紙はシリコンバレーの生活に密着したハイテク話が読めて楽しいです。

Google        
Yahoo        
turbo10        

仕事柄、英語の検索サイトをよく利用します。
専門文献の検索ならグーグル、一般ニュースの検索ならはヤフーを利用することが多いのですが、最近、気に入っているのがターボ10です。このメタサーチは結構、面白い結果を出してくれることがあります。英語でデータを探すときには、良いかもしれません。

miniclip

息抜きならミニクリップがおすすめです。ちょっとしたゲームがずらりと並んでいて、15分ぐらいのリフレッシュには最高です。英語のサイトですが、難しいゲームはないので、言葉が分からなくても楽しめると思います。お子さんの英語教育にも使えるかも?!

Q10
最後にネットの有効利用法を教えて下さい。

ネットをあくまでも道具と割り切っています。でも、友人と話をするなら電話よりチャットの方が便利なときが多い。道具としての便利さを比較して、必要なときだけ使うようにしてます。

 
 
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