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私のネットライフ  ネットワーカーに本音で聞きたい10の質問 第9回 デジタルメディア研究所所長 橘川幸夫 ネットの魅力は自分で「発見」すること
きっかわゆきお。1950年東京生まれ。國學院大學文学部中退。72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌『ロッキングオン』創刊。78年、全面投稿雑誌『ポンプ』を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBSを主催、ニフティの「FMEDIA」のシステムオペレーターを勤める。96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。原稿執筆、講演など多数。 近著に『やきそばパンの逆襲』(河出書房新社)『風のアジテーション』(角川書店)『自分探偵社』(オンブック)などがある。

Q1
まずは、お仕事についてご紹介いただけますか?

学生だった1972年に音楽雑誌『ロッキングオン』を創刊立ち上げしてから、一貫して「参加型メディア」を企画開発運営してきました。96年に創業したデジタルメディア研究所は、企業コンサルテーションを主たる業務としています。ほかに、文章表現のワークショップ「リアルテキスト塾」を主催しています。原稿執筆や講演なども行っています。

リアルテキスト塾にて講義
Q2
インターネットとの出会いについて教えて下さい。

80年代前半から「没(記事)のない投稿雑誌」ができるとしてコンピュータメディアに着目し、草の根パソコン通信を立ち上げた流れで、インターネットに接続しました。

橘川さんが関わっているサイト
デジタルメディア研究所(通称デメ研)
オンブック
橘川幸夫の活動報告
Q3
1日に何通くらいメールをやりとりしますか? その所要時間、整理法などありますか?

1日に受信するメールはスパムを外せば数十通だと思います。携帯でのやりとりがメインです。それらを絶えずチェックしている感じなので、延べ時間は換算できません。

Q4
受信メールの整理法など工夫されていることはありますか?

メールに関しての工夫では、パソコンに届いたメールは携帯に転送して読んでいますが、その際に本文に日本語のないメールは転送しないように設定しています。おかげでスパムは携帯に届きません。

Q5
愛用、愛読されているWebサイト、メルマガ、ブログを紹介してください。

見ることが多いサイトです。「愛用」しているサイトはないんです。

歯科ネット
 

歯医者さんが、丁寧に答えてくれる。

ハートクライム.J
 

ロールプレーイングゲームやる時に、サイトがないと無理。

桜神宮
 

他人が奉納された絵馬を見ているだけで楽しい。

レビュージャパン
 

書評を見たり書いたりするなら、ここ。

ザ20世紀
 

年表見てると、いろんなことが分かる。

時々、若い人たちが素晴らしい文章を書いているサイトやブログを発見しますが、そういうのは教えたくありません。
自分で探して自分で発見するのがインターネットの魅力だと思うからです。

Q6
ネットを活用するようになって良くなった点などありましたか?

生活が「良く」なるということと、ネットとは無関係でしょう。
インターネットの登場は、社会というより時代そのものを僕たちの前に顕在化させたものなので、高揚感はあります。が、便利になったというのであれば、ギリギリでもアポがとれるようになったということで、その分、せわしなくなりました。

Q7

隙をみつけては、寝ることです。寝ると記憶喪失になる。

Q8
一貫してメディアに携わっていらっしゃいますが、ご自身にとってメディアの魅力とはなんでしょう?

「メディアに携わっていた」というよりは「メディアの一活動家から現場報告をする者」として、メディアで書き続けてきたという感じです。そうした活動を介して、自分が社会的存在として自覚出来ることが、自分にとってのメディアの魅力というところでしょうか。それに自分の言葉が他人に読まれることで、普遍性を獲得出来ます。

Q9
ネットで今後どのような展開をお考えですか?

「インターネット・ビジネスモデル」から「インターネットモデル・ビジネス」へのパラダイムシフト、ということをここ数年言い続けていまして、その具体的な展開として「オンブック」を設立しました。発行者が無料で出版事業を行えるフリーパブリッシングです。
たとえばごく一部の人にとって確実に必要な資料集なんかは、値段は高くても確実に需要はあるわけで。
現在の出版業界は、確実に売れる本しか出版しないというところが多いんですが、オンブックでは単なる少部数出版というのではなく、ビジネスとして発行者が利益を確保できるソリューションを追求したいと思っています。

Q10
最後にネットの有効利用法を教えて下さい。

新しいものに思いっきり面白がって、その先で、そういう自分を冷めて突き放してみる。そしてしばらくしたら、また捨てたものを拾い直して愛玩する。自分はいつもその繰り返しです。ネットも人生も。
固定的な価値観やシステムなんかではなくて、ネットは生き物なんだと思っています。

 
 
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