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私のネットライフ  ネットワーカーに本音で聞きたい10の質問 第10回 有限会社京増代表取締役 京増弘志 「パソコン通信時代から今に続くネットライフ」
きょうます・ひろし。中央大学理工学部卒業後、1967年に富士通株式会社に入社。業種システム担当のシステムエンジニアを経て、90年に富士通システム総研取締役として生活者システム研究や企業および業際システムのコンサルテイング活動に従事。94年にニフティ株式会社常務取締役としてサ−ビスプロダクト部門を担当。98年、再び富士通株式会社 にてネットワークサービス本部主席部長。2001年より有限会社京増代表取締役としてインターネットコンサルティングを行っている。

Q1
インターネットコンサルティングのお仕事についてご紹介ください。

企業や自治体の事業拡大、効率化にインターネットをどう活用するかという視点でアドバイスさせて頂いております。そのための新規販売チャネル開発、新規商品やサービス企画のビジネスモデルを検討します。消費環境にあわせた企業間のコラボレーション、健康・福祉関連の新規ビジネスモデル検討、バイオマス、地域情報化などをテーマとしています。コラボレーションチームを組織し、実現に向けたプロジェクトの推進役となります。富士通総研時代のコンサルティング経験と富士通時代の業種担当のシステムエンジニアとしてのノウハウが基礎になっています。

Q2
インターネットとの出会いについて教えてください。

インターネットの出現していない時代のパソコン通信が最初の出会いといっていいでしょう。私の場合、ネットワークの活用はメールのやり取りから始まりました。それは、ニフティの常務になった1994年から本格的となりましたが、ニフティに入会されたお客様1人1人に入会翌日と、さらに1年毎の入会日にウエルカムメールをお出ししました。お礼や質問などを毎日500通位いただき、ご返事を出すのに徹夜になることもあって、ネットワークは人生の修行の場と思ったくらいです。
その後、インターネットの登場により、私の活動の場も徐々にインターネットに移行していきました。

京増さんが関わっているサイト
有限会社京増
ビジネスキャリア協会
ソフト化経済センター
ラブラドール社会福祉協会
メキキの会
(北海道)東京会議
Q3
1日にやり取りされるメールは何通くらいですか?またそれにどれくらいの時間をかけられていますか?

月、水、金にメルマガ「かわら版」を発信しています。発信した方から更にお仲間に転送頂いており、総数で推定3万通位になります。
受信数は1日あたり150通位です。「かわら版」の発信は、私自身の気脈の拡大と、ネットワークによる知の創造を目指し開始しました。
これらに費やす時間は、まず朝2時間位。移動中に携帯端末でのチェックに、トータルしますと1日1時間位処理しています。これは業務の連絡と確認が主体です。家に帰ってからは、業務処理と「かわら版」の原稿の選択や編集などで4時間位です。土曜日は丸1日、「かわら版」の編集作業をしています。

ある日のタイムスケジュール
06:00
〜08:00
メール送受信
09:00
〜17:00
打ち合せ
業務の移動中にメールチェックで約1時間
20:00
〜24:00
メール送受信
かわら版の原稿の編集作業
Q4
どんなジャンルのサイトに関心をお持ちですか?

NPO活動や、仕事の関連、自分のメルマガの参考になるサイトに関心があります。キーワードとしては
◆社会起業家 ◆マイクロビジネス ◆コミュニティビジネス ◆テレワーキング
◆SOHO ◆セキュリティ ◆ブロードバンド ◆E-ラーニング ◆デジタルアーカイブ
◆ICカード ◆e-JAPAN ◆健康 ◆福祉 ◆自然環境
などです。

Q5
ニフティ時代、通信はどう進んでいくとお考えでしたか?

ニフティのパソコン通信時代は、メール、フォーラムの情報交換などが良く使われていました。特に企業のプロモーション活動、セールス活動、マーケティング活動などで、当時としては先進的な活動をしている企業がおられました。インターネットの登場により通信価格が格段と安くなり、ネット人口も増大し、音や映像のコンテンツが多く出てきて、IDC(Internet Data Center)やコールセンター機能が付加され、ますます生活に有効な仕組みに発展すると予測していましたが、現在ではかなりそのイメージに近くなってきました。

Q6
愛読しているWebサイト、メルマガ、ブログをご紹介ください。

メルマガは下記の方々のものを、特に興味を持って読んでいます。

社団法人ソフト化経済センターのメルマガ「New Economy Week」
平塚市ホームページのメルマガ「ひらつかメールマガジン」
●AD-NEWSの「AD-BIZ NEWS」
南風舎のメルマガ「暇人の独り言」

●藤村正宏さんのサイト
エクスペリエンス・マーケティングWebのメルマガ「藤村正宏流儲けを生み出す発想の仕組み」

おすすめのメルマガは、
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科の近藤研究室のメルマガ「成功の宣言文」
近藤修司教授は北陸先端技術大学院大学を起点に、日本の企業を元気にするために12の宣言文を毎日発信されています。

サイト関連では、良く見るのは(北海道)東京会議などの普段活動しているサイトです。ビジネスを離れて皆さんで自由にコラボレーションしています。特にメキキの会は異色の存在です。メキキの会の会員の前野七彦さんのサイトも大変感動する話題が多く、犬好きの方々のラブラドール社会福祉協会愛媛大学地域共同研究情報センターにある地域情報学も大変参考になります。

Q7
作業を快適にする工夫や、テクノストレスをためない健康法を教えてください。

インターネットをやっている時間が多いので、気分転換のため朝晩の運動を心掛けています。ストレッチ体操とバットの素振り、犬の散歩などです。
地元の草野球チームのメンバーとして毎週日曜日に活動しています。また、年末年始は、孫も一緒に家族で海外旅行に出掛け、ネットワークを離れのんびりした時間の中で、一年の整理と来年の構想作りのため、リフレッシュしています。

Q8
将来どのようにネットが個人レベルに活用されていくとお考えですか?

健康、福祉、教育面での個人レベルの活用です。そのためのコンテンツの収集と整備が大切です。自分の健康は自分で管理し、そのための健康管理に関する仕組みや、多くの経験者の体験情報の共有化が必要です。
例えば、介護施設のIT化、アニマルセラピーなど、ネットが個人の生活環境のあらゆる面で利用されていくことになると思います。

Q9
インターネットビジネスは今後どう展開されていくとお考えですか?

ユビキタス、e-Japan IIを意識した展開になります。そして地域情報化が中心になりますが、地域の中小企業や、企業OBの参加しているNPO、地域のことを良く知っている地元のSOHO事業者が活躍する時代になると思います。
インターネットは、基本的にアナーキーな世界で、中心がありません。それがやがて歴史の教訓を忘れて大衆性から独裁性に移行するのか、良識あるネチズンや地域のSOHOのコーディネータにより、「グローバルな情報共有共同体」に育つのか、未だに不明です。しかし、ビジネスにとって有効なことは明確ですから、より良い方向に展開していくように持って行きたいと思います。

Q10
ネットを有効活用するためのヒントを教えてください。

ネットワークはバーチャルです。それに対しビジネスはあくまでもオフラインのリアルな活動が基本です。したがって普段からのリアルな交流による人脈づくりと、どこに有効な情報があるかのマップ作りが重要です。ネット上の情報も他の媒体同様、リアルな活動を補完するものとして活用し、(たとえばビジネスに)展開しようと意識することです。どんなにネットが発達しても、最終的には、その情報を使う人間の気付きとヒラメキ、そして決断力にかかっていると思います。

 
 
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