「えーっと、パスワード何だっけ?」「いっけねー、IDカード置いてきちゃったよ」。こんなトラブルから私たちを解放してくれるのがバイオメトリクスだ。
バイオメトリクスとは、私たちが声や顔で知人・友人を見分けるように、一人ひとりが持つ身体的な特徴や行動様式から本人を確認する技術。「バイオメトリクス(biometrics)」のバイオは生体、メトリクスは測定法という意味だ。
一般に個人認証には3つの方式がある。つまり、パスワードや暗証番号による「記憶」ベースのもの、ICカードや鍵といった「所有」ベースのもの、そして指紋や顔、署名や声などで認証する「バイオメトリクス」というわけだ。
バイオメトリクスには、“なりすまし”や貸し借りが防げる、忘れたり紛失したり盗まれたりしない、偽造が難しい、自然で分かりやすい、いつでも認証できる、などのメリットがある。
現在は、研究所やオフィスの特定の部署の入退出管理に使われることが多く、例えば指紋による認証の場合、入口に取り付けられたセンサーに指を置くと、あらかじめ登録してある指紋データと照合されて本人であるかどうかが確認できるという仕組み。
今後は、電子商取引や電子行政サービスでの身元確認など、高いセキュリティが求められる分野での活用が見込まれている。
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