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かしこい生き方を考える COMZINE BACK NUMBER
スパム

メールアドレスをどこから見つけ出してくるのやら、削除しても削除しても、性懲りもなく送られてくる迷惑メール。「もう、うんざり」と思っている人も多いだろう。
不要なインターネット広告など、受信者の承諾なしに一方的に送り付けられる迷惑メールを、別名「スパムメール」あるいは「スパム」と呼ぶ。
だが、なぜ迷惑メールを「スパム」と呼ぶのか? そもそも「スパム」とは何ぞや?

「スパム(=SPAM)」とは、米国で有名な豚肉加工缶詰の名前。特にハワイでよく食べられ、これをスライスして焼き、ご飯の上に載せた「スパムむすび」は、ハワイのB級グルメの代名詞ともなっている。日本では米国の統治が長かった沖縄でポピュラーで、ゴーヤチャンプルーに入れて食べたりする。

さて、この缶詰と迷惑メールとの関連だが、それはイギリスの人気TVコメディ「空飛ぶモンティ・パイソン」に由来する。そのあらすじは…、
一組の夫婦がカフェでウエイトレスにメニューを尋ねると、「エッグ・スパム」「スパム・エッグ・ソーセージ・スパム」と、あるのはスパム料理ばかり。スパム嫌いの婦人が「スパム抜きにして」などとやり取りするうちに、カフェの客(なぜか全員バイキング)が「スパム、スパム、スパム」と大合唱。やがて店内はパニックに。
ここから、頼んでもいないのに繰り返し出てくる迷惑なメールを「スパム」と呼ぶようになった。

熱烈なファンもいる缶詰の「スパム」が、迷惑メールを表わす言葉に…。本家本元のホーメル社にとってはいささか気の毒な転用と言える。

米国ホーメル社製の豚肉加工缶詰「SPAM」
米国ホーメル社製の豚肉加工缶詰「SPAM」。
中味は豚肉のランチョンミート。
 
第25話「スパム」は、『ベスト・オブ・モンティ・パイソン』で見ることができる。
●DVD発売元:ユニバーサル ミュージック、
制作:ユニバーサル・インターナショナル、価格: 2900円(税別)
画像提供:ユニバーサル ミュージック
Copyright 2003 (c) UNIVERSAL MUSIC K.K. All rights reserved.
米国ホーメル社製の豚肉加工缶詰「SPAM」
ヘブンアーティスト
江戸太神

上野恩賜公園で「江戸太神楽」を披露する、鏡味仙右衛門さん(写真手前・パリ出身のフランス人)、鏡味仙星さん(写真奥)。誰がどこでパフォーマンスを行うかは、東京都のホームページで確認できる。

カレーマン
黄色いボディースーツに身を包んだ5人組「カレーマン」。魔法の鍋から飛び出して、世の中を元気にするためやってきた。胸には「ビーフ」「ポーク」「野菜」「シーフード」「チキン」のイラストが。口コミで噂が広がり、去る6月25日にインディーズからCDデビューを果たした。

駅を出ると、聞こえてくる歌声。何やら人だかりもある。その中心にいるのは、高校生とおぼしき2人組み――。
繁華街の路上や公園で歌う若者を見かけることが多くなったが、原則として公共の場でのパフォーマンスは、条例や道路交通法などで禁止されている。従って、お巡りさんが来て注意されると撤収、場所を少し移動して再開、またお巡りさんが来て…というように、警察とアーティストはいたちごっこを繰り返していた。

そんなアーティストに発表の場を与えようとスタートしたのが、東京都の「ヘブンアーティスト」。「ヘブンアーティスト」とは、都が主催するオーディションに合格した大道芸人やミュージシャンにライセンスを与え、公園や駅構内など都の指定する公共空間(39施設51カ所)での活動を認める制度。もちろん、ストリート・パフォーマンスにつきものの“投げ銭”もOK。

この制度が始まった2002年度(第1回・第2回)は、応募850組からパフォーマンス部門169組、音楽部門41組の計210組にライセンスが与えられた。
東京都生活文化局によると、最近では、地域との共催でイベントを開催する機会も増えたという。例えば、去る5月5日に行われた「ヘブンアーティスト IN GINZA」では40万人の観客を集め、大盛況に。

「ライブかぁ、ここ何年も行ってないな」というお父さん、お母さん。路上ならチケットを取る手間もお金もかかりません。しかも、パフォーマンスの内容は、音楽はもちろん、大道芸の王道であるジャグリングやパントマイムから、懐かしい南京玉すだれや腹話術、コマ回しまでバラエティー豊か。

現在、第3回の審査が進んでおり、9月上旬には第二次公開審査が都庁の都民広場で行われる予定。未来のスターを探しに、足を運んでみては?

デッドロック

A社との会談は決裂し、合併交渉は完全なデッドロックに乗り上げてしまった…。

しばしば耳にする「デッドロックに乗り上げる」という表現。物事が行き詰まり、にっちもさっちも行かない状況を示す時に使われるが、この「デッドロック」を英語で書くと?
「deadrock」と綴った人は、残念ながら間違い。正しい英文表記は「deadlock」。岩(rock)ではなく錠(lock)で、壊れた錠=膠着状態、行き詰まりを表わす。

「lock」と「rock」を取り違え、「デッドロック=暗礁」と勘違いしたことから「デッドロックに乗り上げる」という表現が生まれたが、上の例では「合併交渉は暗礁に乗り上げてしまった」という表現が正しい。

同様に、私達が勘違いしやすい言葉に「フリーマーケット」がある。最近では「フリマ」と略すことが多いが、さてその綴りは?
「気軽に出店できるし、値段も安い。自由市場ってことだから、“free market”でしょ」。またまた残念でした!
フリーマーケットは「flea market」が正解で、「flea」は蚤、つまり「蚤の市」というわけだ。もともとはヨーロッパのキリスト教会で行われていたバザーが出発点で、30年程前、アメリカ経由で日本に持ち込まれた。

デッドロックもフリーマーケットも、日本人にとって「R」と「L」がやっかいなものであることには間違いない。

フリーマーケット
古道具や骨董品が中心の本家パリの「蚤の市」と違い、日本のフリマは不用品のリサイクル市的なものとなっている。
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