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MOT

「MOTを取ったんだって、おめでとう!」……というからには、何かの資格? そう、今IT業界では2つの「MOT」が注目を集めている。

現時点でよく知られている方のMOTといえば、「Microsoft Official Trainer」。マイクロソフト社の統合ソフト「Microsoft Office」を正しい知識を持って教えられるインストラクター、と同社が認定した人に与えられる称号だ。MOTは国家資格でも公的資格でもなく、1メーカーが認定する“ベンダー資格”にもかかわらず、Officeの高いシェアを背景に、人気資格となっている。実際、社内教育担当や派遣、パソコン教室の講師を採用する際、スキルを判断する基準になるといわれている。

もう一つのMOTが「Management of Technology」。一般的には「技術経営」と訳される。1980年代に米国で始まった、研究開発や技術開発に必要な専門的経営能力を身に付けるけるための教育プログラムだ。このプログラムは、80〜90年代に米国が製造業における競争力を回復する際のバックボーンになったともいわれている。

そんなMOTが、今なぜ日本で注目を集めているのか?
これまで日本では、文系出身者は事務畑を歩む中で経営に必要な能力を身に付ける、理系出身者は研究や製品開発に従事すると、採用時に将来進むべき道がほぼ決められていた。しかし、新しい技術が企業の命運を決める現代では、経営的な能力だけでは的確なマネジメントができなくなってきている。技術者にはマネジメント能力が、経営者には技術的な専門知識が必要というわけだ。
日本でも早稲田や芝浦工業大、東大など、大学院にMOTコースを設けるところが増えている(社会人コースの設置も多い)。そこで学ぶ彼ら、彼女らが目指すのは、ずばりエグゼクティブ・エンジニア。

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中食  

例えば、夕飯。今までは「外へ食べに行こう」「家へ帰ってご飯を作ろう」のどちらかだったが、現在は「何か買って帰ろうよ」「腹減ったな、ピザでも頼むか」という選択肢に加わった。前者が「外食」「内食」であり、後者は「中食」といわれる新しい食のスタイルだ。
外食はレストランや飲食店など家庭外で食事をすること、内食は家で調理して食べること。そして、中食とは、持ち帰りの弁当や宅配ピザ、スーパーや百貨店で買ってくる惣菜など、家庭外で作られ家庭内で消費される食事のことをいう。中食は「ちゅうしょく」ではなく、「なかしょく」と読む。

テイクアウトしてきたお総菜も、お皿にきれいに盛り付ければレストラン気分。

業界ではこの中食市場のことを「HMR市場」と呼んでいる。「Home-Meal Replacement」、ずばり“家庭の食事の置き換え”である。外食産業が1997年をピークに減り続けている(現在は約25兆円)のに対し、中食は順調に市場を拡大し6兆円規模となっている。

これまでお総菜というと、何だかお母さんの手抜きのようだったが、最近は高級感とヘルシーをコンセプトに様変わり。お総菜とは言わず「デリ」と呼んだり(デリカテッセンの略)、デパートの地下の食品売り場「デパチカ」ではテイクアウトに加え、その場で気軽に食べられる「イートイン」コーナーが併設されていたりする。ロック・フィールドが展開するサラダ惣菜店「RF1」や、柿安本店の「柿安ダイニング」といった繁盛店も出現した。

そんな中食市場に「ホテイチ」なるニューフェースが登場。ホテイチとは、ホテルのレストランシェフが作ったケーキや惣菜を販売するデリカテッセンのことで、ホテルの1階に店があることから、この名が付いた。また最近では、大規模オフィスビルや駅の中、駅の地下などにも、この手の店が増えているという。おふくろの味がデリの味に変わるのも間近!?

しのぎを削る

日本人俳優の渡辺 謙が「ラスト サムライ」でゴールデングローブ賞や第76回アカデミー賞の助演男優賞候補に、「たそがれ清兵衛」が外国映画賞にノミネートされるなど、ここ数年、映画・テレビ界では時代劇が見直されている。

刀はもちろん、着物を着る、畳に座るなどの生活様式さえ過去のものになりつつあるが、言葉の中にはかすかにサムライのころの名残を見ることができる。例えば「しのぎをけずる」「つばぜりあい」「さやあて」といった言葉だ。

「しのぎをけずる」は「鎬を削る」と書くが、鎬とは刀身の背と刃の境にある、少し盛り上がった部分のこと。この部分がこすれて削れてしまうほど、激しく打ち合う様をいう。今は「優勝争いにしのぎを削る3チーム」といった使い方をする。同じような意味の言葉に「つばぜりあい(鍔迫合)」がある。互いに打ち込んだ刀を鍔で受け止めたまま押し合うことで、これも激しくせり合う様を表現している。

同様に「さやあて(鞘当)」も刀に由来する言葉だ。途上で行き合い、互いの鞘尻が当たったのをとがめ立てしたことが転じて、「つまらないことで起こるいさかい」という意味になった。また、歌舞伎で二人の男が一人の女性を争って鞘当したことから、恋敵の争いという意味でも使われる。

また、時代劇のことを「髷物(まげもの)」というが、これはもちろん当時の髪形によるもの。江戸時代には「ちょんまげ」とは言わず、単に「髷」と言ったそうだ。ちょんまげという言葉は明治になってからのもので、束ねた髪を前方に曲げた形が文字の「ゝ(ちょん)」に似ているところからきている。

刀は「かた・な」。「な」は刃の古語で、刀は片方の刃という意味だ。
※図版参考:広辞苑(岩波書店)
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2つのMOT 目指すのはどっち? 高級でヘルシーな中食が大人気 しのぎを削るってどこを削ってるの?

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