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「ちらしカタログ宅配便」も利用可能。このアイコンがデスクトップに小さく現れる。 |
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チラシと一緒に、店内の活気をそのまま伝える動画を表示することもできる。 |
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タイムセールなどの特売情報を音声で読み上げてくれるお店もある。訴求効果は大きい。 |
Shufoo!を使ってみて驚くのは、従来の折り込みチラシでは考えられなかった、電子チラシならではの利便性を数多く実現している点にある。
例えば「ちらしカタログ宅配便」。これは、会員登録して好きなチラシを選んでおけば、そのチラシが更新される毎にパソコンに自動配信されるシステム。常駐型の専用ソフトをダウンロードして使うので、わざわざShufoo!のホームページまで見に行く必要がなくなる。折り込みチラシも向こうから自動的にやってくるようなものだが、さすがにお気に入りのお店のチラシだけを選ぶことはできない。
チラシそのもののインパクトも違う。チラシ自体は凸版印刷や他社が作っている折り込みチラシをそのまま電子化したものだが、それに付随して動画や音声のデータをプラスすることができるのだ。例えば、チラシの脇に店員が「いらっしゃい!」と元気よく呼びかけている映像を載せたり、急遽決まったタイムセールの情報を文字で表示するだけでなく、それを音声で読み上げることができる。
これは、折り込みチラシには望めなかった情報の即時性を可能にする機能でもある。お店の判断で、チラシに載せなかった商品が急遽安く売られる事は珍しくない。Shufoo!なら、店頭の様子をそのまま家庭の主婦に伝えることができるのだ。
だがShufoo!にはこれらの機能以上に、主婦の心を掴む巧みな仕掛けがある。それが、レシピ検索を中心としたユニークな連携機能(会員限定)だ。例えばあるお店がブロッコリーを特売品として売り出した時、その情報欄にあるブロッコリーをチェックすると、次の画面でブロッコリーを使ったレシピが一覧表示される。気になるレシピをクリックして詳細なレシピを表示させたら、「お買い物リスト作成」ボタンをクリック。すると、次の画面でその料理を作るのに必要な食材が一覧表示される。ここで自宅の冷蔵庫にない食材にチェックを入れると、特売品のブロッコリーを使った料理を作る際、足りない食材だけが最終的にリスト表示される仕組み。
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「料理レシピ検索」のトップ画面。検索条件もジャンルや調理時間などさまざま。会員限定のサービスだ。 |
「ここまでやりますか」と感心していたら、最終的なお買い物リスト画面で「携帯電話に送信する」ボタンを押せば、あらかじめ登録しておいた携帯電話にそのリストを送信してくれるという。こうなると買い物の際に食材のメモを持参する必要すらなくなる。しかも事前に「好きな食材」「嫌いな食材」「マイ冷蔵庫(冷蔵庫の中にある食材)」を登録しておけば、レシピ検索の結果にそれらを反映させることができる。
これはつまり、今まで折り込みチラシを見ながら主婦が頭の中で考えていた献立作りを、Shufoo!が順序立てて代行してくれるようなもの。そう、Shufoo!を作る上で山岸さんが重視したのはこの部分なのだ。
「日々の買い物の主な目的は、料理に使う食材を買う事です。主婦の行動パターンを考えてみて下さい。多くの主婦はスーパーの店頭で特売品をチェックしながらその日の献立を決めているはずです。今日はハンバーグを作ろうと思ってお店に行っても、ミンチ肉が安いとは限りません。人参やジャガイモが安ければ、やっぱり今日はカレーにしようと思うかもしれない。反対に家を出る前にその日の特売品が分かっていたら、献立作りに余裕が出てきますよね。Shufoo!ではその仕組みを作りたかったんです」
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「レシピ」の一例。ここからお気に入りレシピに登録すれば、繰り返し使うことができる。 |
凸版印刷が行ったアンケート調査によると、ほとんどの主婦が毎日の献立作りに頭を悩ませている事が分かったという。主婦の願いは「安い食材で作りたい」「冷蔵庫にある余り物を使い切りたい」「(アレルギーなどのために)食事制限しなければならない子供のために食材を選びたい」の3つ。Shufoo!のレシピ検索は、この3つのニーズをすべて満たしている。特に評価が高いのは「嫌いな食材」を登録し、それを使わないレシピを検索できる事。最近増えている子供のアレルギーなどの対策も食事を作る人にとって、重要な問題なのである。
このレシピ検索、Shufoo!訪問者の18%が実際に利用している。上記の機能をフルに利用している人はさすがに少ないが、レシピ一覧まではかなりの頻度で使われているらしい。「そこそこの経験がある主婦は、レシピのヒントだけで充分のようです」と山岸さん。逆に言えば、新米主婦にとってこれほど心強い味方はないかもしれない。
他の電子チラシサイトにもレシピ機能はあるが、Shufoo!ほど多機能で利便性の高いものは見当たらない。電子チラシサイトのどこに重点を置くかは運営会社によって様々だが、毎日の献立作りに悩んでいる主婦の立場からすれば、Shufoo!のコンセプトは素直に納得できるものだ。 |