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コナミスポーツクラブ武蔵小杉は、東横線武蔵小杉駅から徒歩1分。 |
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腕時計のように手首につける個人認証キー。電子ロッカーの鍵にもなっている。 |
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個人トレーニングの履歴が確認できる「カロリーマスター」。 |
今回取材に伺ったのは、神奈川県川崎市中原区にあるコナミスポーツクラブ武蔵小杉。2008年6月にオープンしたばかりのスポーツクラブだ。武蔵小杉駅から徒歩1分。トレーニングマシンのほか、5コースの25mプール、2つのスタジオなど充実した設備を有している。こちらで提供しているのは、ITを使ってクラブの外の運動をも含めたトータルなトレーニングサポートだ。同施設のマネージャー、西村吉弘さんに、IT健康管理システムについて聞いた。
「コナミスポーツクラブでは、メタボ対策やダイエットをきっかけとして入られたお客様にも、生涯スポーツとしてのジムトレーニングや水泳などを提供して、健康維持に役立てていただくことを考えています。週に1度か2度のジム通いであっても、お客様の要望に沿った効果的なプログラムを提供したいのです。健康維持のためには、家庭でのトレーニングもやられたほうがいいですし、トレーニングの経過を正確に記録しておくことも大切です。そのために、ITを活用すれば非常に効果的なのではないか。こうした考えに基づいて、開発されたITシステムがe-XAXです」
e-XAX(イー・エグザス)とは、コナミスポーツ&ライフが開発、コナミスポーツクラブに随時導入し、全国約60施設で稼働しているITシステムだ。これはスポーツクラブ内にあるほとんどのトレーニングマシンをネットワーク化している。ユーザはデータ管理を行う情報端末「カロリーマスター」をつなぐことで、自分のトレーニング成果を時系列で見られるようにと考えられた「個人トレーニング履歴管理システム」といえる。
e-XAXの利用の流れは次のようになる。
1)ユーザは、チェックイン(入館)時に「個人認証キー」を受け取る。「個人認証キー」はe-XAXの個人データとひも付けされ、それぞれのマシンにキーをかざすだけで、本人であることが認証される。
2)「個人認証キー」は電子ロッカーのキーにもなっているので、ユーザはロッカーで着替えてマシンジムに向かう。
3)マシンジムの入り口には、ユーザ用の情報端末「カロリーマスター」があるので、ここで「個人認証キー」をカロリーマスターにかざして、本人であることを認識させる。続いてその日の体重と血圧を測る。それぞれの数値は自動的にセンターサーバに記録され、カロリーマスターで確認することができる。
4)マシンジムには、有酸素運動マシンや筋肉トレーニングマシンが設置されている。マシンを使う際は、やはり「個人認証キー」をセンサーにかざすことで、そのマシンが使用できるようにセットされる。筋肉トレーニングマシンの場合、前回使用した負荷データが記録されているので、前回と同じ負荷をかけてトレーニングすることが可能だ。
5)ユーザは、トレーニング結果を記録することを意識せずにトレーニングに専念することができる。ただし、プールとスタジオのトレーニングは、当然のことながら、マシンにつながっていないので、トレーニングの最後に自分で入力する必要があるが、これらも画面をタッチするだけで簡単に行うことができる。
6)トレーニングが終了すると、ユーザは再びカロリーマスターに、個人認証キーをかざし、プールやスタジオのトレーニングを入力する。体重と血圧を測定して、後はシャワーを浴び、着替えれば、トレーニングは終了だ。
こうしたITシステムが導入されていないスポーツクラブでは、受付で渡される個人カードに、それぞれがトレーニングデータを記入するようになっており、データの記入も、累積計算やカロリー計算も人の手(多くの場合、本人かトレーナー)で行わなければならない。
スポーツクラブのITシステムの1番目のメリットは、こうした手入力や計算の労力を省き、見やすく活用しやすいデータにすることにある。
西村さんによると、マシン同士をネットワーク化してデータを自動的に記録するシステムは、他のスポーツクラブでも行っているところがあるというが、コナミスポーツクラブのe-XAXはこれだけに留まらない。自分のトレーニングのデータを、単独のスポーツクラブの中だけで完結させてしまうのではなく、外出先や家庭でのそれもトータルで管理できてしまうのだ。 |