■1 自然のリズムに合わせた生活を
現代人に「心の病」が多いのは、お日さまと共に起きて、暗くなったら眠るような、自然のリズムから遠ざかっているからかもしれません。深夜までメール返信やブログ更新に追われているのが果たして「幸せな暮らし」でしょうか?
夜になったら寝る、朝になったら起きるといった「当たり前」を応援するような、IT機器×社会常識×本人の心構えが大切になるはずです。チャットやメッセンジャーをやっていても、「そろそろ寝たら」とIT機器に促され、「そうだね寝よう」「明日会おう」と友人と声かけ合えれば、健康は守られます。
■2 グローバルより楽しい故郷づくり
グローバルに情報受発信できるのは、確かにインターネット時代の大きなメリットです。しかし世界につながるパソコンを前にしながら、地元の雑木林や路地裏を歩く喜びを見失っているのではないでしょうか?
遠くのバーチャルより、近くのリアル。地元の知る人ぞ知る素敵な居場所を探して歩きましょう。そして仲間にメールやブログ/SNSを使って知らせたり、その土地を守ったりすることが、人間サイズ、地元サイズのIT活用です。
■3 楽しい人間関係は狭く深く心地よく
広くて浅い人間関係も空しいものですが、広くて深い人間関係ほど疲れるものはありません。フツーの人まで、政治家や有名人のような気遣いをして生きるのは楽しい生き方なのでしょうか?
私もそのジレンマに気づいて、家族や同僚を中心にした毎日、顔を合わす20人と、ネットで親しく生涯おつきあいする200人を大切にすることにしました。その人たちとの絆を深め、思い出を共有するためのITツールならば歓迎をしたいと思います。そのポイントは、ITに頼らず、実際に合う時間を増やし、その時に楽しさを倍増するためのサービス設計です。
■4 体を動かしたい自然に触れたい
ご多分に漏れず、私も仕事柄パソコンとネットに縛り付けられていて、健康を害してしまいました。メンタルヘルス&メタボリック症候群解消ギブスのようなツールを、四六時中身につけている人生なんて想像できますか?
未来のパソコンやケータイは、自分の前でご主人様が瞬きもせず浅い呼吸をしているのを苦痛に思う位の機能が欲しいものです。親が子供に、家の中でゲームばかりやっていないで外で遊んできなさいというのと同じです。もちろんパソコン漬け、ネット漬けになっている人も気づくはずです。私の友人縁者にも、10年ネットにはまった後で、沖縄や北海道の大自然の中に本拠を移した人が多いのです。
■5 IT機器よりも直観を信じる生き方を
IT機器を手にした結果、世界中の情報をリアルタイムで手に入れることができるようになりました。その反面、自分の感性で喜怒哀楽を感じ取る能力や、自分の直観を信じて即断する能力が弱まっているような気がしてなりません。誰よりも早くネットで入手した情報を、ブログにコピー&ペーストして喜んでいる人生なんて楽しいでしょうか?
ネットで批判されようが、ブログが炎上しようが、自分が感じたこと、考えたことこそがリアルなのです。そんな「尖った生き方」をしても、誰かが検索して見つけ出し、評価してくれるのが、ネット時代です。その感慨や直観に共感してくれる人たちを見つけて連携することこそが、ITツールの心豊かな活用法だと思うのです。