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COMZINE BACK NUMBER
 
長田渚左 著
文藝春秋/1400円(税込)

ものごとの背景にはすべてドラマがある。それを事業開発の分野で描き支持を得たのがNHKの「プロジェクトX〜挑戦者達〜」であり、そこに登場する無名の日本人たちの熱き姿勢が感動をよんだ。本書は今回のオリンピックでもメダルの期待がかかる「北島康介」という水泳のスター選手を支える5人のスタッフ「チーム北島」の取材ドキュメント。
当時出会った中学生の北島康介の眼の光りを信じてコーチとして支えてきた平井、戦略分析担当として平井を補佐する岩原、市民スイマーとして水泳を愛し大手光学メーカーのシステム本部長でありつつ映像分析分野を担当した河合。この3名にメダルを逃したシドニー以降「チーム」に加わったのが、ロボット工学を大学で学んだという肉体改造担当の田村と、元競泳選手でプールの底から北島を観察するコンディショニング担当の整体師小沢の二人。“5人の鬼”がお金ではなく夢に向かって「北島康介」を作り上げる姿を、スポーツキャスターの経歴を持つノンフィクションライター長田渚左が、十分な取材と資料をもとに構成。アテネの男子平泳ぎ100m決勝の8月15日までに是非読んでおきたい。

   
 
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DVD発売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
販売元:20世紀フォックスホームエンターテイメント/価格4700円(税込)

ケンブリッジ大学に在籍する亡命ユダヤ人二世のハロルドは、さまざまな偏見や差別を受けながら、その鬱憤を走ることで晴らしていた。自身の尊厳のために走り続ける彼は、アマチュア精神を唱える大学側に反発してまでコーチを雇い、1924年に開催されるパリ・オリンピックを目指し、猛練習に励む。一方、スコットランドの宣教師の息子、エリックは、自身の恵まれた俊足を「神からの賜り物」として、その栄光を称えるために数々の大会に出場、ついにオリンピックの代表選手団の切符を手にする。が、予選が神の安息日である日曜日に行われることを知ったエリックは、頑なに出場辞退を申し出る…。
金メダルがもたらすものは、国の名誉か、個人の名誉か? それとも何かを超越した喜びなのか。スタートする瞬間の緊張感、土を蹴る音、選手の息遣いなどが、臨場感たっぷりに描かれ、観る者をぐいぐい引き込んでいく。走っているときのハロルドとエリックの対照的な表情も印象的で、ラストは深く静かな感動に満たされる。
ギリシャ出身のヴァンゲリスによるメイン・テーマは、今やスポーツ番組のBGMとして定番の名曲中の名曲。アテネ・オリンピックの中継やニュースでも、きっと幾度となく耳にするはずだ。

   
 
http://panasonic.jp/olympic/games/index.html

オリンピックの歴史はそのまま通信技術の発達の歴史でもある。TVの歩んだ50年がオリンピックゲーム自体を大きく変容させたが、20年以上にわたり公式スポンサーとしての活動を続けているパナソニックは、webにおいてもさまざまなコンテンツで楽しませてくれる。
今大会がデジタルAV機器の一大商戦となるため、その新機器の使い方が細かく紹介されているのはもちろんだが、面白いのは「Pick Up Games」トップ画面のFLASHアニメーション。全21種の競技にカーソルを合わせると、画面の競技場がその種目に合わせて変化。種目をクリックすると、その見どころなどの解説ページに移るのだが、このアニメーションが楽しくて、クリックするのをためらってしまう。競技場からプールに、屋内スタジアムからビーチ(バレー)にとさまざまに変化するそのアイデアに感心!
トップページからの「Olympic Games in Action」ではフランス、イギリス、アメリカ、日本などの映像クリエイターたちによるショートムービーがMPEG2形式の高画質映像でダウンロードも可能で、オリンピックをテーマにしたデジタルクリエーションもこのサイトならでは。

   
 
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