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Vol.021 チョコレート
 
CINEMA 『ショコラ』
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DVD発売元:アスミック/松竹/角川書店 DVD発売元:ジェネオン エンタテインメント 3990円(税込み)

日本のバレンタインの風習は、ビジネスマインドあふれるキャンペーンから生まれたものかもしれないけれど、そんな現象を冷ややかに見ていた人にも「一理あるかも!」と思わせるのがこの映画。見終われば、きっとチョコレートの魔力にとりつかれる。
厳格な村長のもと、古い因習と規律を守って暮らしている小さな村。そこへ、北風とともに、赤いマントに身を包んだ母ヴィアンヌと娘がやってきて、チョコレート・ショップを開店する。折しも村では断食期。掟破りをしてはなるまいと自制しながらも、この謎めいた新参者と宝石のような輝きを放つチョコレートの魅力に誘われた村人は、ヴィアンヌの勧めるチョコを口にするや、たちまち虜になる。夫の暴力に苦しむ妻、互いに情熱をなくした夫婦、未亡人に好意を寄せ自戒する老人など、規律や世間にがんじがらめにされていた彼らは、やさしく溶ける甘美な味に至福を覚え、こわばった心を解きほぐしていく。まさに、これはチョコレート・セラピー。ヴィアンヌの手際の良いチョコレート作り、チリ・ペッパー入りのホット・チョコレートはじめ、画面に次々と登場する魅惑的な菓子の一つ一つに、こちらもなんだかうっとり気分に!
物語の名手、ラッセ・ハルストレム監督とジュリエット・ビノシュほか実力派キャストが贈る愛のファンタジー。

   
 
BOOK 『チョコレート工場の秘密』
ロアルド・ダール 著
田村隆一 訳
発行 評論社/1400円(税抜)

1971(昭和46)年にジーン・ワイルダー主演で映画化(邦題『夢のチョコレート工場』)され、今夏にはティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の再映画化版が公開予定されている児童文学の傑作。原作は64(昭和39)年に発表され、日本では詩人の田村隆一氏の翻訳で72(昭和47)年に初版が発行され、現在に至るまでロングセラーを記録している。作者のロアルド・ダールは雑誌『ニューヨーカー』に多くの短編小説を発表し、サキ、オー・ヘンリー、モーパッサン、サマセット・モームなどと並び称されるイギリス人作家。優れた童話作家として、本作以外にもたくさんの作品が日本で紹介されている。
ストーリーは貧しい家庭に育つ少年が「夢のチョコレート工場見学」の招待券に当選し、5人の子供達と共に工場のオーナーに招待され、そこで巻き起こる不思議な出来事の数々。時代や世代を超えてワクワク、ドキドキするストーリーと、背景にある社会風刺はIT化の進んだ現代でも十分にウィットに富んでいて、大人も無理なく楽しめる。既に原作を読んだことのあるという人は本作とタイアップしているネスレ社の運営するwww.wonka.comがゲームなども充実しており、訪れてみてはいかがだろうか?

   
 
MUSIC 『チョコレート・モーメント』
「チョコレート・モーメント」
タック&パティ/2625円(税込)
発売元:ポニーキャニオン

男女のデュオユニットはいつの時代でも人々に愛される音楽形態だが、78(昭和53)年の結成から現在に至るまで作品を発表し続けている夫婦のユニットというとタック&パティ以外にあまり思い当たらない。スタンフォード大学でクラシックギターを専攻したオクラホマ出身の白人ギタリスト、タックと、ゴスペルのクワイアで歌い始め大学でオペラを学んだサンフランシスコ出身の黒人ヴォーカリスト、パティのアコースティックなサウンドはジャズファンのみならず、日本でも幅広いファン層に愛され、昨年は京都・龍安寺の石庭でライブレコーディングが行われたことでも話題を集めた。
02年に発表された通算7作目となる本作は、数多くの名曲のカバーを演奏する彼らとしては2枚目となるオリジナル曲だけを収録したアルバム。9.11の同時多発テロ以降に制作が開始されたことから、歌詞はテロに対するメッセージが詰まっているが、サウンドは「ことばにできない、理屈抜きのこんな幸せな時をチョコレート・モーメントと呼んでみた」(日本盤CDライナーノーツより)というパティの言葉通り、暖かな愛に溢れている。

   
 
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