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DVD『チルソクの夏 特別版[初回限定生産2枚組]』/4935円(税込)
発売/アスミック
販売/角川エンタテインメント
© 2003 『チルソクの夏』 製作委員会 |
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舞台は1977(昭和52)年、下関。高校の陸上部で活躍する17歳の郁子は、毎年、夏に行われる姉妹都市・釜山との親善陸上競技大会を通じて、韓国人高校生の安と出会う。その年の開催地は釜山。郁子たちの帰国前夜、安は戒厳令中にも関わらず、郁子に会いに宿舎までやってくる。二人の間にそっと芽生えるほのかな恋。「一年後の陸上競技大会で再会しよう」。二人は固く約束をする。そう、まるで織姫と牽牛のように……。
「チルソク」とは韓国語で「七夕」のこと。当時は、日韓の関係も現在ほど親密ではなく、携帯電話もメールもない時代。両国をまたぐ17歳の恋には、さまざまな障害が立ちはだかり、友人たちもなんとか郁子の恋を実らせようと懸命に応援する。少女たちのまっすぐで強い想い。30年たった今では、こんなピュアな青春ドラマも、もはや七夕と同じようにおとぎ話になってしまったのかもしれないが、だからこそ深く感動する。
高校生たちのまぶしいほどの躍動感、下関のノスタルジックな風景をみずみずしく切り取ったのは、『陽はまた昇る』『半落ち』の監督で、下関が生まれ故郷の佐々部清監督。いつか故郷を舞台に映画を作りたいと語っていた監督の10年来の思いが結実した。また、作中では70年代後半の懐かしいヒット曲も随所に挟まれ、この時代に青春を過ごした人はもちろん、誰の胸にもいとおしい記憶の断片がひたひたと湧き上がってくるに違いない。 |