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DVD『ザ・エージェント』 2000円(期間限定・税込)
監督・脚本・製作:キャメロン・クロウ
出演:トム・クルーズ、レニー・ゼルウィガー、キューバ・グッディング・Jr他
公開年:1996年
発売元・販売元/ソニー・ピクチャーズ エンタテンメント |
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海の向こうのメジャー・リーグやサッカーの強豪クラブで、ここ10数年ほどの間に才能ある日本人選手が素晴らしい活躍を見せる光景は珍しくなくなってきた。こうした移籍ドラマの裏側で、選手のキャリアと移籍金、年棒をおもんばかりながらタフな交渉を一手に引き受けるのが、エージェント=代理人と呼ばれる人々である。
本作でトム・クルーズ演じるジェリー・マグワイヤもその一人。彼が勤めるSMI社は、数あるエージェンシーの中でも最大手。契約しているプロスポーツ選手は1685人、ジェリーの担当選手だけでも72人に上る。が、多額の金が動くスポーツ・ビジネス界で、利権をめぐる争いはますます熾烈化。ジェリーは会社の方針に疑問を抱き、「選手にもっと人間らしい生活を」と提案書を作成する。しかし、会社側は拒否。ジェリーは即刻クビになってしまう。「一人でもやってみせるさ!」と気炎を吐くものの、後ろ盾を失ったジェリーに世間の風は冷たい。担当していた選手たちはかつての同僚に根こそぎ持っていかれ、フィアンセにも「負け犬!」と罵倒される。唯一、彼に味方をしたのは、落ち目のフットボール選手ロッドと、提案書に共感したSMIの会計係でシングルマザーのドロシーだけだった。
理想に燃えるジェリーを励まし、少しずつ彼との絆を深めていくロッドとドロシー。仕事を超えて、信頼から生まれる友情や恋も丁寧に描かれ、感動を呼ぶ。クルーズの人間臭いヒーロー像もさることながら、本作でアカデミー助演男優賞に輝いたロッド役のキューバ・グッディング・Jr、本作が出世作となったレニー・ゼルウィガーの演技にも注目。音楽の使い方に定評のあるキャメロン・クロウ監督らしく、サントラも素晴らしい。 |